
市内外で名を知られた写団「のら犬」写真展に今年も出かけた。全国紙や各種美術展などの受賞作10数点を含む90余りの作品が目線の高さに展示されている。作品は自然と人、またそれの絡みが作者の感性で撮られている。この写団の写真展には、何を撮られ何を表現したいのか素人には分からず悩まされる抽象写真が出品されていないことが嬉しい。
素人は「おっ綺麗、おっ凄い」と感じたら撮っている。目の前の作品は、それをどう撮りこなすかと格闘してシャッターを押す。いくつかの作品について説明を受けながら感じた。格闘だけでは取れない作品もある。屋外で絞り開放1分という作品、風が吹かなかったのかという問いに「天の恵み」と答えが返った。何度となく通ったことへの自然からの感謝かもしれない。
作品評は出来ないが、タイトルに工夫が欲しいなあと感じた作品、一例は地名や建物をタイトルとした作品にそう思った。タイトルについてはエッセイ同好会でもよく指導を受ける。例えば錦帯橋やサクラ、錦川といった名詞だけのタイトルでは、何を言い表し、何を伝えたいのか読んでくれる人には伝わらない。何を言いたいのか、それが分るタイトル作り、なかなか上達しない。
話を聞いた出品者は撮影にはフィルムを使用しているという。デジカメ前はフィルムを使っていた。確かに1枚撮るにも自分なりに考えながらシャッターを押した。当時、写真は若者の趣味としては大きな出費になることがそうさせていた。そんなことも思い出しながら作品に見入っていた。