NMB48『僕はいない』のカップリング曲として収録されている須藤凛々花のソロ曲『ショートカットの夏』が素晴らしい。初めて聴いていきなり気に入って、繰り返し聴いている。
何より須藤凛々花の声がいい。いわゆるアニメ声で、若い頃の渡辺麻友を彷彿とさせる。抑揚やビブラートは一切なく、直線で引いた線の中をポスターカラーで塗ったような声だ。生歌だとどうなのか知らないが、CDで聴く限り、音程もリズムもしっかりしていて安心して聴ける。自信を持って声を出している感じだ。このボーカルは貴重だ。素晴らしい武器になると思う。
楽曲も素晴らしい。
海辺でフリスビーを投げ合って遊ぶカップルの歌で、男性視点でほとんど「水着姿の君が好きだよ」と歌っているだけの歌詞が潔い。榊原郁恵の『夏のお嬢さん』が「ビキニがとっても似合うよ」「僕は君に首ったけなんだよ」と歌っていた感じに非常に近い。
曲調も、エレキギターとブラスが賑やかな、いかにも夏のアイドルソングという風情。サビのメロディーも非常にシンプル。2番のAメロは繰り返しを省略。サビのリフレインで一旦スローダウンして、エンディングに向けスピードアップする手法も定番。安心して聴ける曲だ。
それでいて、夏の楽しさの中に、一抹の寂しさがブレンドされているのが歌謡曲っぽくていい。
つまりは、須藤凛々花の歌声を楽しむために、余分な要素はできるだけ排除して、シンプルに作られた楽曲なのだと思う。プロの仕事だ。
歌詞の中で1つだけ気になる仕掛けがあった。
フリスビーが波に流されて、それを取ろうと海の深い方に入って行こうとする「君」に、「そこから先は危ない 今すぐ僕が助けに行こう そのままでいてね」と呼びかける。この「そのままでいてね」というのは、その場所にいてという意味のほかに、大人にならず今のままの君でいてほしいというダブルミーニングになっている。そしてそれは須藤凛々花本人への呼びかけでもあるのだ。
似たようなレトリックの曲を2曲思い出した。
乃木坂46『ガールズルール』。海の中で脱げたサンダルが波に流されるのに「待ってもう少し」と呼びかけるが、それは恋愛とは無縁の女同士の夏をもう少し楽しみたいというダブルミーニング。
AKB48『ギンガムチェック』。「この道をいつまでも歩けるわけじゃないけど」というフレーズは、自転車を押して彼女と歩いている実際の道と、中途半端な彼女との関係の両方を意味している。
それにしても須藤凛々花だ。
これまでNMB48と言うと、山本彩のあのドスの効いた声の印象だけが強烈だったが、これからNMB48を聴く新たな楽しみが1つできた。
何より須藤凛々花の声がいい。いわゆるアニメ声で、若い頃の渡辺麻友を彷彿とさせる。抑揚やビブラートは一切なく、直線で引いた線の中をポスターカラーで塗ったような声だ。生歌だとどうなのか知らないが、CDで聴く限り、音程もリズムもしっかりしていて安心して聴ける。自信を持って声を出している感じだ。このボーカルは貴重だ。素晴らしい武器になると思う。
楽曲も素晴らしい。
海辺でフリスビーを投げ合って遊ぶカップルの歌で、男性視点でほとんど「水着姿の君が好きだよ」と歌っているだけの歌詞が潔い。榊原郁恵の『夏のお嬢さん』が「ビキニがとっても似合うよ」「僕は君に首ったけなんだよ」と歌っていた感じに非常に近い。
曲調も、エレキギターとブラスが賑やかな、いかにも夏のアイドルソングという風情。サビのメロディーも非常にシンプル。2番のAメロは繰り返しを省略。サビのリフレインで一旦スローダウンして、エンディングに向けスピードアップする手法も定番。安心して聴ける曲だ。
それでいて、夏の楽しさの中に、一抹の寂しさがブレンドされているのが歌謡曲っぽくていい。
つまりは、須藤凛々花の歌声を楽しむために、余分な要素はできるだけ排除して、シンプルに作られた楽曲なのだと思う。プロの仕事だ。
歌詞の中で1つだけ気になる仕掛けがあった。
フリスビーが波に流されて、それを取ろうと海の深い方に入って行こうとする「君」に、「そこから先は危ない 今すぐ僕が助けに行こう そのままでいてね」と呼びかける。この「そのままでいてね」というのは、その場所にいてという意味のほかに、大人にならず今のままの君でいてほしいというダブルミーニングになっている。そしてそれは須藤凛々花本人への呼びかけでもあるのだ。
似たようなレトリックの曲を2曲思い出した。
乃木坂46『ガールズルール』。海の中で脱げたサンダルが波に流されるのに「待ってもう少し」と呼びかけるが、それは恋愛とは無縁の女同士の夏をもう少し楽しみたいというダブルミーニング。
AKB48『ギンガムチェック』。「この道をいつまでも歩けるわけじゃないけど」というフレーズは、自転車を押して彼女と歩いている実際の道と、中途半端な彼女との関係の両方を意味している。
それにしても須藤凛々花だ。
これまでNMB48と言うと、山本彩のあのドスの効いた声の印象だけが強烈だったが、これからNMB48を聴く新たな楽しみが1つできた。