4月12日(土),13日(日)の2日間、僕は、芝居観劇4連チャンをした。
12日. 14:00~「母の桜が散った夜」
12日. 19:00~「記者倶楽部」(主演: いとうあさこ)
13日. 12:00~「母の桜が散った夜」(大阪チーム版)
13日. 16:00~「母の桜が散った夜」
もう、ケツ痛ったぁ~。
でも、いろいろと参考になる部分もあり、それぞれに比較出来るところもアリアリ。とにかく、有意義な時間を過ごしました。
さて、ここからは、ネタバレしまくってます。「母の桜が散った夜」の東京公演を観に行かれる方は、気を付けて。
【バランスについて】
「母の桜が散った夜」の 作・演出は、お馴染み!言わずと知れた森岡利行さん。まあ、暴力と笑いと涙を通して「家族」を描くのが、得意な人だ。また、そういうスタイル。
だけど、今回の作品に関しては、ちょっと…笑いの分量が(前作, 前々作なんかと比べて) 正直、多過ぎたと思う。ぶっちゃけ、バランスが悪かった。
特に、前半の40分間は、ちょっとね…。”笑いの無駄打ち”が、やたら 多いな…と。本音を言うと、笑いのレベル…低過ぎるものが、多々、本当に多々…混ざり混んでた。なんか…疲れちゃってね…。
まるで、吉本若手1, 2年目の集団コントを見せられているようでね…辛かったよ。
まあ、打率 400.ってトコかな? でもね、笑いの打率ってのは、特に、集団で獲りにいった時ってのは、最低でも、打率 950.ぐらいは獲っとかないと…ね。話になんない。後の物語にも繋がんない。無関係…。繋がんなくて、新しい展開が、全て…”突然 & 急”に感じてしまったりする。
あれは、「不条理」「シュール」でもない。 「不完全」だよ。そして、「不発」の時間だった。長かったよ~。
とにかく、前半, 中盤, 後半…。前半のバランスが悪過ぎてね。”何てもったいない~!”って、思ってしまったのです。ふぅ~。
【松原夏海について】
今回、彼女が演ったのは、「朱 麗華」。日本語が、たどたどしい中国人の役だ。
とても良かったと思う。そう思った1番の理由はね、もう、初登場のシーンから出てた出てた。
だから、僕は、登場した その人が、”中国の女優さんも出てんだ~”って、思っちゃったんだよ。
正直、”あれ?松原夏海じゃね?”…この瞬間まで、少し時間を要したということだ。ま、そう見えたら…もう、女優さんとしては、”勝ち” なんだよね。もう、何やってもいいからね。OK!になるからね。
舞台とは、「登場の美学」。松原夏海は、初シーンで、もう…勝利していたと思う。
理由がある。
ほら! ”中国から来た”という設定で、よく俳優さんのやってしまうミスに、「○ ○ あるよ~」…いわゆる ゼンジー北京(マジシャン)口調を軸に、また、それをパターン化してしまって、結局、表現の種類が限られてしまうっての…あるじゃない?
で、その方法で作り上げたキャラクターってのは、他のセリフでも、ま~その(間合いの)クセが抜けきらない。そして、最後の最後…肝心の泣かせる場面とかでも、これ 思ったような効果が出ないというね。ま、初動取り組みの大失敗だわね。
しかし、このようにしてしまう役者のなんと多いことよ。ただ、この日 観た「朱 麗華」(松原夏海)は、違っていた。
まあ、イントネーションの徹底研究は、ある程度…必要だ。でもね、これって、決して「リアル」には、ならない。そこを目標にした場合、必ず、限界が来るんだよね。まあ、東京弁と関西弁みたいなもんだわね。「ニセ東京人」「ニセ関西人」…ルーツは、すぐバレるってやつやつ。
”本当にリアルな中国人に見せる”方法…それは、言葉が繋がる部分を詰まらせたり, 伸ばしたり…。つまり、喋るスピードそのものに緩急をつけることだ。
松原夏海は、そこが出来ていた。だから、中国の人…に見えたんだ。メイク & ヘアスタイルじゃない。
例えば、日本語でいう小さい「っ」は、インド以外のアジアの国って、あまり言わない。小さい「っ」を発音する言語文化が無いってことだ。
だから、中国の人は、小さい「っ」を言うのが、ものすごく 不得意。結果、詰まってしまう。
裏を返せば、小さい「っ」を微妙に消し気味に喋ると、リアルな中国人, 韓国人, 台湾人, 香港人に ”見える”ってことだ。
松原夏海の演った「朱 麗華」は、来日何年目?を設定して演っていたのか? そこは分からないんだけど、彼女は、そこを意識して演ってる? とにかく、素晴らしいな…と。面倒くさい作業だからね。
「し かり」(しっかり), 「や ぱり」(やっぱり), 「と ても」(とっても)…etc。そういう細かいことの積み重ねをしてるってことだ。コツコツコツコツ…。
とにかく、松原夏海、芯は外してないな…と思った。
ちなみに、ビビアン・スー(台湾)は、最後まで、「ウッチャン」のことを「ウチャン」。付き合いが、もう20年にもなる ジャッキー・チェン(香港)でさえ、「ウーチャン」。そして、自分のことも 若干…「ジャキー・チェン」。
『ウリナリ』で人気の出た ジニー(韓国)は、「ベッキー」のことを最後まで、「ベキー」。現在、タレントとして活躍中のローラ・チャン(中国)は、「世界発見」を「せかいは けん」って、言っちゃう。
それが、リアルだ。
松原夏海は、そういうトコをよく理解していて、でも、さすがに、これは…生の舞台でもあるので、まあ、表現伝達の妨げレベル & お客さんのイライラレベルにならない程度に、もう…ちょうどエエ塩梅で演じてたと思う。
そして、お見送りの時、”な つみぃちゃん、お疲れ様”…と、でも、あれ?まだ時間があるみたいだったので、そのことを直接、本人に聞いてみたんだ…
”あれ、な つみぃちゃん、中国人の役でしょ。中国とか韓国の人って、小さい「っ」…あまり言わないんだよね…”
すると、彼女の表情が、ふにゃ~ってなって、
”そう、そうなんですよぉ~”って…。
ビンゴだった。
そして、やっぱり、ちゃんとやってる人は、舞台上で 結果出るな~と思ったのです。
【阿井りんなさんについて】
なっちゃん演ずる「緑子」の姉・「桜子」を演じたのが、この阿井りんなさんだ。
これ、みんな思ったと思うよ…”彼女は、パッと見…浦野一美に似てる”と。
あの髪の毛の感じ, 身長, スタイル…そして、地声。
でも、まあまあ、ここは、この上なく厳しく厳し~く 判定しておきましょう。容貌56%…似てる。
でもね、そんなこっちゃより、もっと似ている部分がある。それは、
”彼女の芝居が、浦野一美の芝居に似てる”ということだ。そう 思っちゃった。
やっぱり、1番そう感じた理由は、あの間合いだよ。シンディーに すっごく似てる。まあ、阿井りんなさん…というか、「桜子」の激情した芝居部分は、どうだろ? もしかしたら違うのかもしんないんだけど(浦野一美のそういう演技部分を まだ見ていないので)、でも、それでも、すごく似てると思ってしまった。
姉妹の嫉妬…争いの場面。とにかく、2人の掛け合いが多かったんだけど、
時々ね…”あ、シンディー と なっちゃんだぁ~”って、気持ちが飛んでしまっている僕がいました。
いや、パンフレットを見ると、そこまで 似てないんだけどね…不思議~。
【小田川陽南ちゃんについて】
今回の舞台のポイントとなる存在は、小学校5年生の女の子だった。
この子(の役が)が入ることで、いびつ & 異常な展開ではあるんだけど、とにかく、親子4世代という関係性が成立する。なんかね、広がりのあるお話で、面白かった。キーパーソンとしての子役だ。
あと、(中盤以降) この子の登場によって、笑い部分もシリアス部分もバランスが、すごくとれていっていたように思ったな~。
とにかく、メッチャカワイイ~。問答無用に可愛い~。そして、リアルに小さい。
なんか、僕の腰ぐらいしか 背ぇなかったから、小学校5年生? 間違いなく、学校では、列…前の方だと思う。”体操隊形に開け!”で、ちょっとしか動かなくてもいい子だと思った。本当に小っちゃい。
お見送りの時、”素敵な作品でしたよ”って言ったら、”ありがとうございます”…僕に深々と頭を下げた小田川陽南ちゃん。
思わず、”100円あげるから、好きなお菓子買っといで!”って、言いそうになったよ。
あ!そういえば、前作のように、関西弁とか気にならなかったな~。おそらく、そういう配役にしたんだろう? それは、後から、そう思いました。
12日. 14:00~「母の桜が散った夜」
12日. 19:00~「記者倶楽部」(主演: いとうあさこ)
13日. 12:00~「母の桜が散った夜」(大阪チーム版)
13日. 16:00~「母の桜が散った夜」
もう、ケツ痛ったぁ~。
でも、いろいろと参考になる部分もあり、それぞれに比較出来るところもアリアリ。とにかく、有意義な時間を過ごしました。
さて、ここからは、ネタバレしまくってます。「母の桜が散った夜」の東京公演を観に行かれる方は、気を付けて。
【バランスについて】
「母の桜が散った夜」の 作・演出は、お馴染み!言わずと知れた森岡利行さん。まあ、暴力と笑いと涙を通して「家族」を描くのが、得意な人だ。また、そういうスタイル。
だけど、今回の作品に関しては、ちょっと…笑いの分量が(前作, 前々作なんかと比べて) 正直、多過ぎたと思う。ぶっちゃけ、バランスが悪かった。
特に、前半の40分間は、ちょっとね…。”笑いの無駄打ち”が、やたら 多いな…と。本音を言うと、笑いのレベル…低過ぎるものが、多々、本当に多々…混ざり混んでた。なんか…疲れちゃってね…。
まるで、吉本若手1, 2年目の集団コントを見せられているようでね…辛かったよ。
まあ、打率 400.ってトコかな? でもね、笑いの打率ってのは、特に、集団で獲りにいった時ってのは、最低でも、打率 950.ぐらいは獲っとかないと…ね。話になんない。後の物語にも繋がんない。無関係…。繋がんなくて、新しい展開が、全て…”突然 & 急”に感じてしまったりする。
あれは、「不条理」「シュール」でもない。 「不完全」だよ。そして、「不発」の時間だった。長かったよ~。
とにかく、前半, 中盤, 後半…。前半のバランスが悪過ぎてね。”何てもったいない~!”って、思ってしまったのです。ふぅ~。
【松原夏海について】
今回、彼女が演ったのは、「朱 麗華」。日本語が、たどたどしい中国人の役だ。
とても良かったと思う。そう思った1番の理由はね、もう、初登場のシーンから出てた出てた。
だから、僕は、登場した その人が、”中国の女優さんも出てんだ~”って、思っちゃったんだよ。
正直、”あれ?松原夏海じゃね?”…この瞬間まで、少し時間を要したということだ。ま、そう見えたら…もう、女優さんとしては、”勝ち” なんだよね。もう、何やってもいいからね。OK!になるからね。
舞台とは、「登場の美学」。松原夏海は、初シーンで、もう…勝利していたと思う。
理由がある。
ほら! ”中国から来た”という設定で、よく俳優さんのやってしまうミスに、「○ ○ あるよ~」…いわゆる ゼンジー北京(マジシャン)口調を軸に、また、それをパターン化してしまって、結局、表現の種類が限られてしまうっての…あるじゃない?
で、その方法で作り上げたキャラクターってのは、他のセリフでも、ま~その(間合いの)クセが抜けきらない。そして、最後の最後…肝心の泣かせる場面とかでも、これ 思ったような効果が出ないというね。ま、初動取り組みの大失敗だわね。
しかし、このようにしてしまう役者のなんと多いことよ。ただ、この日 観た「朱 麗華」(松原夏海)は、違っていた。
まあ、イントネーションの徹底研究は、ある程度…必要だ。でもね、これって、決して「リアル」には、ならない。そこを目標にした場合、必ず、限界が来るんだよね。まあ、東京弁と関西弁みたいなもんだわね。「ニセ東京人」「ニセ関西人」…ルーツは、すぐバレるってやつやつ。
”本当にリアルな中国人に見せる”方法…それは、言葉が繋がる部分を詰まらせたり, 伸ばしたり…。つまり、喋るスピードそのものに緩急をつけることだ。
松原夏海は、そこが出来ていた。だから、中国の人…に見えたんだ。メイク & ヘアスタイルじゃない。
例えば、日本語でいう小さい「っ」は、インド以外のアジアの国って、あまり言わない。小さい「っ」を発音する言語文化が無いってことだ。
だから、中国の人は、小さい「っ」を言うのが、ものすごく 不得意。結果、詰まってしまう。
裏を返せば、小さい「っ」を微妙に消し気味に喋ると、リアルな中国人, 韓国人, 台湾人, 香港人に ”見える”ってことだ。
松原夏海の演った「朱 麗華」は、来日何年目?を設定して演っていたのか? そこは分からないんだけど、彼女は、そこを意識して演ってる? とにかく、素晴らしいな…と。面倒くさい作業だからね。
「し かり」(しっかり), 「や ぱり」(やっぱり), 「と ても」(とっても)…etc。そういう細かいことの積み重ねをしてるってことだ。コツコツコツコツ…。
とにかく、松原夏海、芯は外してないな…と思った。
ちなみに、ビビアン・スー(台湾)は、最後まで、「ウッチャン」のことを「ウチャン」。付き合いが、もう20年にもなる ジャッキー・チェン(香港)でさえ、「ウーチャン」。そして、自分のことも 若干…「ジャキー・チェン」。
『ウリナリ』で人気の出た ジニー(韓国)は、「ベッキー」のことを最後まで、「ベキー」。現在、タレントとして活躍中のローラ・チャン(中国)は、「世界発見」を「せかいは けん」って、言っちゃう。
それが、リアルだ。
松原夏海は、そういうトコをよく理解していて、でも、さすがに、これは…生の舞台でもあるので、まあ、表現伝達の妨げレベル & お客さんのイライラレベルにならない程度に、もう…ちょうどエエ塩梅で演じてたと思う。
そして、お見送りの時、”な つみぃちゃん、お疲れ様”…と、でも、あれ?まだ時間があるみたいだったので、そのことを直接、本人に聞いてみたんだ…
”あれ、な つみぃちゃん、中国人の役でしょ。中国とか韓国の人って、小さい「っ」…あまり言わないんだよね…”
すると、彼女の表情が、ふにゃ~ってなって、
”そう、そうなんですよぉ~”って…。
ビンゴだった。
そして、やっぱり、ちゃんとやってる人は、舞台上で 結果出るな~と思ったのです。
【阿井りんなさんについて】
なっちゃん演ずる「緑子」の姉・「桜子」を演じたのが、この阿井りんなさんだ。
これ、みんな思ったと思うよ…”彼女は、パッと見…浦野一美に似てる”と。
あの髪の毛の感じ, 身長, スタイル…そして、地声。
でも、まあまあ、ここは、この上なく厳しく厳し~く 判定しておきましょう。容貌56%…似てる。
でもね、そんなこっちゃより、もっと似ている部分がある。それは、
”彼女の芝居が、浦野一美の芝居に似てる”ということだ。そう 思っちゃった。
やっぱり、1番そう感じた理由は、あの間合いだよ。シンディーに すっごく似てる。まあ、阿井りんなさん…というか、「桜子」の激情した芝居部分は、どうだろ? もしかしたら違うのかもしんないんだけど(浦野一美のそういう演技部分を まだ見ていないので)、でも、それでも、すごく似てると思ってしまった。
姉妹の嫉妬…争いの場面。とにかく、2人の掛け合いが多かったんだけど、
時々ね…”あ、シンディー と なっちゃんだぁ~”って、気持ちが飛んでしまっている僕がいました。
いや、パンフレットを見ると、そこまで 似てないんだけどね…不思議~。
【小田川陽南ちゃんについて】
今回の舞台のポイントとなる存在は、小学校5年生の女の子だった。
この子(の役が)が入ることで、いびつ & 異常な展開ではあるんだけど、とにかく、親子4世代という関係性が成立する。なんかね、広がりのあるお話で、面白かった。キーパーソンとしての子役だ。
あと、(中盤以降) この子の登場によって、笑い部分もシリアス部分もバランスが、すごくとれていっていたように思ったな~。
とにかく、メッチャカワイイ~。問答無用に可愛い~。そして、リアルに小さい。
なんか、僕の腰ぐらいしか 背ぇなかったから、小学校5年生? 間違いなく、学校では、列…前の方だと思う。”体操隊形に開け!”で、ちょっとしか動かなくてもいい子だと思った。本当に小っちゃい。
お見送りの時、”素敵な作品でしたよ”って言ったら、”ありがとうございます”…僕に深々と頭を下げた小田川陽南ちゃん。
思わず、”100円あげるから、好きなお菓子買っといで!”って、言いそうになったよ。
あ!そういえば、前作のように、関西弁とか気にならなかったな~。おそらく、そういう配役にしたんだろう? それは、後から、そう思いました。