空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

アムネスティ・インターナショナルはアウンサンスーチー解放八年記念として賞を剥奪する

2018-11-13 15:55:39 | ビルマ/ミャンマー
BBC Aung San Suu Kyi: Amnesty strips Myanmar leader of top prize 12 November 2018

Aung San Suu Kyi, seen here at a business summit in Singapore on Monday

 とまあ、ビジネス・サミットに顔を出すヒマがあるなら、たまには人権問題にも目を向けたらどうだ、得意技のはずだろう―ということだろう、アムネスティ・インターナショナルはアウンサンスーチーから賞を剥奪するという。

The rights group said it was profoundly dismayed at her failure to speak out for the Rohingya minority, some 700,000 of whom have fled a military crackdown.

 一応、あの国を纏めるのに、彼女の名と地位を利用するほかなかろう―少なくとも彼女が元気に活動できる限りにおいては―というのは、まあ現実的なところだろう。が―困っちゃったねえ、ここ最近は、という。

"We are profoundly dismayed that you no longer represent a symbol of hope, courage, and the undying defence of human rights," Amnesty's Secretary General Kumi Naidoo wrote in a letter to the Myanmar leader.

 …おまえなど、もはや希望と勇気と人権の不滅の盾などでありはしない、という―もはや呪いと怨嗟の声である。
 なにしろ

The organisation, which once feted her as a beacon for democracy, announced its decision on the eighth anniversary of Ms Suu Kyi's release from house arrest.

 アウンサンスーチーの自宅軟禁解放から8年目の記念日に、この剥奪を発表するのである。『解放八年目、おめでとう、実は人権の敵であった、かつての人権の象徴よ。あるいは権力の座について権力に酔ったのか、ならばその座から去れ、おまえが人の心を持つのだというのなら!』

 もちろん、アウンサンスーチー自身が犯罪を犯したわけではない:

United Nations investigators concluded that, while she was not complicit in the alleged genocide last year, she had failed to use her moral authority to help prevent the murder and rape of thousands of Rohingyas by the still-dominant army.

 実権がないということも承知の上だが、モラル・オーソリティーを、もっと展開すべきではなかったか―というのだ。
 実際、ここ最近のミャンマー政府の対応は『結構、物分りのよい、民主社会に一定の理解のある軍事独裁政府』といったあたりで、度を越した殺戮行動の責任者として軍人の一部を見せしめに捧げるくらいはしてきた。

 実際、アサドがそんなことをすれば、国際社会への和解の可能性の示唆くらいには見えるだろう。
 しかし、流石に、ノーベル平和賞受賞者が…と思うと、さすが厳しい判定をせざるをえない。



BBC Canada MPs vote to strip Aung San Suu Kyi of honorary citizenship 28 September 2018

 カナダはアウンサンスーチーから名誉市民権を剥奪する。

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