内閣官房 東日本大震災復興構想会議 復興への提言 ~悲惨のなかの希望~ 2011年6月25日
冒頭「復興構想7原則」の第一,「原則1:失われたおびただしい「いのち」への追悼と鎮魂こそ、私たち生き残った者にとって復興の起点である。この観点から、鎮魂の森やモニュメントを含め、大震災の記録を永遠に残し、広く学術関係者により科学的に分析し、その教訓を次世代に伝承し、国内外に発信する」
でへにょり。追悼と鎮魂を起点にするというのはいいが,そこからは鎮魂の森やモニュメント設置が導かれるだろう。記憶を残すのはもちろんだろう。しかし学術関係者による科学的分析は,なぜこの原則第一に組み込まれる必要があるのか。
…別立てでいいんじゃね?
「原則2:被災地の広域性・多様性を踏まえつつ、地域・コミュニティ主体の復興を基本とする。国は、復興の全体方針と制度設計によってそれを支える」
と
「原則4:地域社会の強い絆を守りつつ、災害に強い安全・安心のまち、自然エネルギー活用型地域の建設を進める」
とは,「地域・コミュニティ主体の復興」「地域社会の強い絆を守り」がドッペルしてる。
いやまあ,大目標は,1.被災地が広域に亙るという事実から,2.その各々の地域性・独自性もまた多様であることが推測される。従って国(など)による,一様な”復興計画”の押し付けは(なけなしの)地域社会を崩壊させる恐れがあるものと危惧され,3.各地域が主体的に復興計画を立てることが望ましい。この際,国は全体方針を示しつつも各地域の自主性を尊重し,制度設計でそれを支える(「原則2」)。
なおこの際,各地域の自主性・主体性は尊重するものの,「災害に強い・安心安全な都市・居住地設計」は大前提である(これに反するような計画に対しては,国から『御指導』があるからそう思え)。
ということで,「原則2」と「原則4」とは,連続した方が恐らく読みやすい。しかもこの解釈の場合,「原則4」は「原則2」の附論となる。
なんで「原則4」が原則たる位置を得るかと言えば,「自然エネルギー活用型地域の建設を進める」の一言によるだろう。ただこの言葉は,どうしても,ここに入れるのは疑問と言うべきだ。
なぜなら,(その時期がいつかは各論者によって大いに違うであろうけれど最終的に)脱原発・より安全なエネルギーによる生活は,全国的に目指されるべきものだからだ。
いまの「原則4」の書き方だと,東北の被災地域の復興と並行して,自然エネルギー活用型地域の建設を(東北地方で)試みるという風にさえ読める。
大変麗しい「原則7」で原則一覧表を〆るのがよいとして,自然エネルギー活用型地域創生については,別立てで(「原則6.5」くらいで)述べるほうがすっきりしたろう。
原則5については,「被災地域の復興なくして日本経済の再生はない」と「日本経済の再生なくして被災地域の 真 の 復興はない」(強調引用者)との二文の強調の度合いの差がコワいです。たぶん,文学的表現に過ぎないのだと思いますが―対比的な二つの文章の,あとの方をちょっと強調してみただけなんだと思いますが,後者のみ切り取ってみたり,後者にのみ「真の」と強調が入っているところを深読みしたりすれば…
…「真に」日本経済を牽引しているのは東北地方ではないぞ,その「真に」日本経済の再生を担う地域の復活こそ,「真に」被災地域を救うことになるのだぞ,と言うように読めなくはない。なぜなら:
「原則3:被災した東北の再生のため、潜在力を活かし、技術革新を伴う復旧・復興を目指す。この地に、来たるべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」
…東北には「潜在力」はあるが,しかし現にこの時代をリードする経済社会は存在してはいないのだ。だから「この地に、来たるべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」―そんな可能性があるわけだ。
―まーそんな具合に読めもしますな。
なお名簿
読売新聞 「くらま」衝突、コンテナ船側に直接の原因 2011年6月24日14時22分
「海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船が2009年10月、関門海峡で衝突した事故で、運輸安全委員会は24日、調査報告書を公表した」
「報告書では、コンテナ船は前方約70メートルまで迫った貨物船を追い越すため左に急旋回したが、潮流などの影響で旋回が大きくなり護衛艦の進路上にはみ出て衝突したと認定した。現場は狭い海峡部で、港則法で定めた安全な追い越しができる状況ではなかったとし、コンテナ船の操船が直接の事故原因だったと指摘した」
陸上で例えれば,片道一車線の道路で対向車来てるのに追い越しかけるあほがいたらどうなるか,とゆー話に過ぎないが。
読売新聞 仏像を立体データ化 盗難多発で和工高協力 県教委 被害品特定や修復に活用 2011年6月24日14時22分(和歌山版)
「無人の寺やほこらから仏像や工芸品が盗まれる事件が相次いでいることから、県教委は、工業用立体スキャナーを授業で使っている県立和歌山工業高校(和歌山市)の協力を得て、仏像などの形を立体データ化する取り組みを始める。文化財指定を受けていない仏像などは、記録が十分に残されていないため、盗難後に捜したり復元したりすることが難しいが、最先端のスキャナーを使って立体データを残すことで、被害品の特定や破損時の修復、復元が可能になる」
「県教委によると、県内の仏像の盗難被害は2009年は13体だったが、10年には109体となり、今年も既に50体以上が盗まれている。仏像ブームにつけこんだ売却目的とみられ、古物商などに持ち込まれて見つかることが少なくないが、被害品の記録がなければ特定に至らず、返還されないこともある」
これは結構,興味深い話題ですね。
冒頭「復興構想7原則」の第一,「原則1:失われたおびただしい「いのち」への追悼と鎮魂こそ、私たち生き残った者にとって復興の起点である。この観点から、鎮魂の森やモニュメントを含め、大震災の記録を永遠に残し、広く学術関係者により科学的に分析し、その教訓を次世代に伝承し、国内外に発信する」
でへにょり。追悼と鎮魂を起点にするというのはいいが,そこからは鎮魂の森やモニュメント設置が導かれるだろう。記憶を残すのはもちろんだろう。しかし学術関係者による科学的分析は,なぜこの原則第一に組み込まれる必要があるのか。
…別立てでいいんじゃね?
「原則2:被災地の広域性・多様性を踏まえつつ、地域・コミュニティ主体の復興を基本とする。国は、復興の全体方針と制度設計によってそれを支える」
と
「原則4:地域社会の強い絆を守りつつ、災害に強い安全・安心のまち、自然エネルギー活用型地域の建設を進める」
とは,「地域・コミュニティ主体の復興」「地域社会の強い絆を守り」がドッペルしてる。
いやまあ,大目標は,1.被災地が広域に亙るという事実から,2.その各々の地域性・独自性もまた多様であることが推測される。従って国(など)による,一様な”復興計画”の押し付けは(なけなしの)地域社会を崩壊させる恐れがあるものと危惧され,3.各地域が主体的に復興計画を立てることが望ましい。この際,国は全体方針を示しつつも各地域の自主性を尊重し,制度設計でそれを支える(「原則2」)。
なおこの際,各地域の自主性・主体性は尊重するものの,「災害に強い・安心安全な都市・居住地設計」は大前提である(これに反するような計画に対しては,国から『御指導』があるからそう思え)。
ということで,「原則2」と「原則4」とは,連続した方が恐らく読みやすい。しかもこの解釈の場合,「原則4」は「原則2」の附論となる。
なんで「原則4」が原則たる位置を得るかと言えば,「自然エネルギー活用型地域の建設を進める」の一言によるだろう。ただこの言葉は,どうしても,ここに入れるのは疑問と言うべきだ。
なぜなら,(その時期がいつかは各論者によって大いに違うであろうけれど最終的に)脱原発・より安全なエネルギーによる生活は,全国的に目指されるべきものだからだ。
いまの「原則4」の書き方だと,東北の被災地域の復興と並行して,自然エネルギー活用型地域の建設を(東北地方で)試みるという風にさえ読める。
大変麗しい「原則7」で原則一覧表を〆るのがよいとして,自然エネルギー活用型地域創生については,別立てで(「原則6.5」くらいで)述べるほうがすっきりしたろう。
原則5については,「被災地域の復興なくして日本経済の再生はない」と「日本経済の再生なくして被災地域の 真 の 復興はない」(強調引用者)との二文の強調の度合いの差がコワいです。たぶん,文学的表現に過ぎないのだと思いますが―対比的な二つの文章の,あとの方をちょっと強調してみただけなんだと思いますが,後者のみ切り取ってみたり,後者にのみ「真の」と強調が入っているところを深読みしたりすれば…
…「真に」日本経済を牽引しているのは東北地方ではないぞ,その「真に」日本経済の再生を担う地域の復活こそ,「真に」被災地域を救うことになるのだぞ,と言うように読めなくはない。なぜなら:
「原則3:被災した東北の再生のため、潜在力を活かし、技術革新を伴う復旧・復興を目指す。この地に、来たるべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」
…東北には「潜在力」はあるが,しかし現にこの時代をリードする経済社会は存在してはいないのだ。だから「この地に、来たるべき時代をリードする経済社会の可能性を追求する」―そんな可能性があるわけだ。
―まーそんな具合に読めもしますな。
なお名簿
読売新聞 「くらま」衝突、コンテナ船側に直接の原因 2011年6月24日14時22分
「海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船が2009年10月、関門海峡で衝突した事故で、運輸安全委員会は24日、調査報告書を公表した」
「報告書では、コンテナ船は前方約70メートルまで迫った貨物船を追い越すため左に急旋回したが、潮流などの影響で旋回が大きくなり護衛艦の進路上にはみ出て衝突したと認定した。現場は狭い海峡部で、港則法で定めた安全な追い越しができる状況ではなかったとし、コンテナ船の操船が直接の事故原因だったと指摘した」
陸上で例えれば,片道一車線の道路で対向車来てるのに追い越しかけるあほがいたらどうなるか,とゆー話に過ぎないが。
読売新聞 仏像を立体データ化 盗難多発で和工高協力 県教委 被害品特定や修復に活用 2011年6月24日14時22分(和歌山版)
「無人の寺やほこらから仏像や工芸品が盗まれる事件が相次いでいることから、県教委は、工業用立体スキャナーを授業で使っている県立和歌山工業高校(和歌山市)の協力を得て、仏像などの形を立体データ化する取り組みを始める。文化財指定を受けていない仏像などは、記録が十分に残されていないため、盗難後に捜したり復元したりすることが難しいが、最先端のスキャナーを使って立体データを残すことで、被害品の特定や破損時の修復、復元が可能になる」
「県教委によると、県内の仏像の盗難被害は2009年は13体だったが、10年には109体となり、今年も既に50体以上が盗まれている。仏像ブームにつけこんだ売却目的とみられ、古物商などに持ち込まれて見つかることが少なくないが、被害品の記録がなければ特定に至らず、返還されないこともある」
これは結構,興味深い話題ですね。
朝日新聞「松本復興相、岩手・宮城両知事にきわどい発言連発」(http://www.asahi.com/politics/update/0703/TKY201107030246.html)
>松本龍復興担当相は3日、東日本大震災の被災地である岩手・宮城両県を訪ね、両県知事と会談した
>仮設住宅での孤独死対策などの国の施策を挙げ、「国は進んだことをやっている。(被災自治体は)そこに追いついてこないといけない。知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないやつは助けない。そのくらいの気持ちを持って」と述べた
>被災した漁港を集約するという県独自の計画に対しては「県でコンセンサスをとれよ。そうしないと、我々は何もしないぞ」
大臣さんからのソース来ましたー
あんまりぶっちゃけまくるひとは表に出しちゃいけないとおもうけどなー僕はー
いや麗しいポエムかかないとダメな部分もあるだろうけど,そうでないところはちゃんと〆なさいな学者陣…。