8月8日
空はすっきり晴れ渡り、この日は百名山だけでも16座は見えました。
剱岳はいくら見ても見飽きませんね、ドキドキします、惚れちゃいます。
雲海の向こう、うっすら八ヶ岳と富士山らしい影がみえます
仕度を整えて出発です。
白馬山荘の標高2832m、ゴールの山小屋祖母谷(ババダニ)温泉の標高は780m
その差2052mを一日で下って、温泉でジャブンを楽しみにさていきますか!
しつこいけれど剱岳に見惚れながら残雪の道、岩場、稜線を歩きます。
清水岳(ショウズ岳)の登山道は花がすごいと聞いていましたが
道を進むたびに現れる違ったお花畑には、感激のし通しです。
ハクサンイチゲとシナノキンバイ、ハクサンフウロにミヤマキンバイ、イブキジャコウソウ
もちろんチングルマにミヤマキンポウゲの花畑、ガラ場にはコマクサ。
池の周りにはハクサンコザクラとイワイチョウが咲き乱れ・・・語りつくせません。
2000mの標高の差で植生も高山から里山のものまで
前日の白馬岳への登山道を含めて
この時期北アルプスで見られるほとんどの花が見られたのではないでしょうか。
雄大な北アルプスの展望と花と、いつまでもこの稜線に留まって居たいけど
先を急がなくてはいけなくて、眼と心にしっかり焼き付けて進みます。
正面のなだらかな山が清水岳です
色の濃いタカネマツムシソウ
清水岳の山頂下にはミヤマアズマギクが点在しています。
これがまたかわいい
清水岳山頂下、
「お花畑で体調リフレッシュ、
名にしおう
黒部峡谷へのダウンヒル、スリップ注意」と
ありがたい言葉がプレートに書かれていました。
清水岳の山頂(2603m)は少し登ったところで標識はありませんでしたが
雪倉岳、朝日岳が手に取るように見えます。
左に見える谷が祖母谷らしい、あの谷底まで慎重に下ります。
唐松岳、五竜岳、鹿島槍
白馬岳の喧騒がうそのような静かな登山道です
この日、この道を歩いたのは早朝祖母谷温泉を立って来た
15人ほどの高校生の一行を含めて30人ほどでした。
不帰岳避難小屋・標高1940mです、ここまで約4時間
ここからはひたすら下るのみ
百貫の大下りといわれる道は踏み跡はしっかりあります
歩く人が少ないせいか道が細かったり、荒れている場所もありますが
道に掛かる草を刈り払いしてあり
少しでも歩きよいように整備をされているようで、本当にありがたいです。
終盤に梯子や鎖が現われて、ロープで終わる、最後まで気の抜けない道ですが
それでもなんとか取り付き地点に辿り着きました。
さあ温泉が待っています。
避難小屋から約5時間、スタートから9時間あまりしっかり歩きました。
昨日を含めて15時間以上歩いて辿り着いた祖母谷温泉は
まったりとして、肌にまとわりつくような、それでいて長く入っていても
湯あたりしない極上のお湯です。
無事歩きとおしたお祝いに岩魚のコツ酒で乾杯です、これがまた美味しい。
夜は川の音を子守唄に、あっという間に寝てしまいました。
佐々成政のサラサラ越えは知ってたけど、
ばばあにじじいは知らなかったな~
まぁ到底無理だから、知らなかった事にしておこう。
健脚とは忘れ去る事って教わった記憶があるし…
下りは上りより大変かもしれませんが
同じコースを4泊5日で歩く方もいますよ
辛かった歩きも、温泉で吹き飛びました。