会計検査院は、毎年恒例の国費の流れの点検、国や自治体の会計の適否などを調査、報告している。今年は先日、11月3日に公表された。
全体像は11月4日ブログでまとめておいた。
⇒ ◆多さ過去2番目 税金無駄遣い5296億円/会計検査院報告
今日は、自治体の不正な使途、一部の国機関、民間団体などの不正をいくつか見てみた。
「補助金を得るためにに書類を偽造」とか、
「業者の見積書で示した金額で契約をしたが、実はそれは標準価格の10倍の額だった」とか
役所や公金に頼る民間団体における不正。
いつまでも改まらないのは理解しがたい。
それが国民、納税者の実感だ。
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●県が補助金で偽造書類…会計検査院11年度指摘
(2012年11月3日 読売新聞)
問題の「甲斐の家モデル普及事業」で建設されたモデル住宅(2日、北杜市武川町三吹で)
県が2008~09年度に実施した県産材を使ったモデル住宅事業を巡り、県の担当者が書類を偽造し、国から約1228万円の補助金が支出されていたことが2日、会計検査院の11年度検査報告で分かった。
県は、補助金全額を国に返還する一方、補助対象の事業者にも返還を求める方針。
しかし、事業者側は「県の担当者を信じて手続きをした。返還請求には応じられない」と反発している。
同日発表された検査院の報告を巡り、県の担当課が記者会見した後、事業者側が反論の記者会見をする異例の事態となり、県は来週にも、弁護士などが加わった第三者委員会をつくり、経緯の調査に乗り出す。
県林業振興課などの会見によると、問題となったのは「甲斐の家モデル普及事業」。林業関係者や大工らがメンバーの「八ヶ岳家造りの会 木(こ)の香(か)」(北杜市)などが展示住宅の建設を受注した。「木の香」は県産材の消費を増やすため、伝統工法の保存・普及などに取り組む任意団体。
「木の香」は09年11月までに、北杜市武川町三吹に木造平屋住宅(39・6平方メートル)を作る計画だったが、木材の乾燥などが間に合わず、事業期間を延期。延期後の事業終了予定とされた10年3月時点では、工事に着手すらできない状態だったという。
補助金を受けるには、県が同月末までに工事完了の実績報告書を同会から受け取る必要があった。当時担当だった同課の男性主任は、建物が完成していないと知りながら報告書を偽造し、「木の香」から提出を受けたように装った。報告書には当時の「木の香」代表だった松田俊介氏の印鑑が押され、「完成写真」も添付されていた。
国から補助金を受けた県は10年5月、「木の香」に全額を交付。展示住宅は同10月に完成したという。
県側の会見を受け、「木の香」の松田俊介・前代表も県庁で記者会見。「報告書の存在は知らなかった。署名した覚えもなく、印鑑も身に覚えがない」と主張した。
さらに、11年度の会計検査院の調査で不審点が見つかり、12年1月に会計検査院の実地検査が始まる直前のこととして、「県から日付や金額を指定した大量の領収証の提出を求められた。出さないと補助金の返還が求められると言われた」と証言した。
これに対し同課は、「こちらから何らかの働きかけがあったとみられる」とだけ説明した。
横内知事は検査院の報告を受け、「県民の皆様に深くおわびします」とのコメントを発表した。
●会計検査院11年度報告 不適切経理、東北1億円超
2012年11月03日土曜日
会計検査院が2日に公表した2011年度決算検査報告で、東北各県の自治体や公的団体が指摘された国の支出金の不適切経理額は計1億169万円に上った。
このうち約8割に当たる7030万円を医療費関連が占めた。不適切とされた額は国に返還する。
医療費で国の負担が「不当」と判断されたのは岩手、山形、福島3県の各市町村や全国健康保険協会県支部などへの支払い分。
福島は5563万円で、同様の指摘を受けた28都道府県の中で静岡県(5632万円)に次いで2番目に多かった。
主な事例は、福島県内の薬局が、要介護被保険者の患者のうち在宅者が対象の「訪問薬剤管理指導料」を、老人福祉施設の入所者にも適用。調剤報酬に算定して市町村に請求した。市町村はミスを見逃し、報酬を支払った。報酬の一部は国が負担している。
同県の担当者は「レセプト(診療報酬明細書)点検が不十分なまま報酬を支払った。点検を徹底するよう市町村への指導を強めたい」(国民健康保険課)と話した。
大曲仙北広域市町村圏組合は06~08年度、介護保険法に基づく地域支援事業で実施した配食サービスで、本来利用者負担とすべき食材費と調理費を補助の対象として請求。669万円が不適切と指摘された。
同組合によると、低所得者分の負担を「国の補助対象」と理解していたが、配食サービスの要綱に低所得者の定義を明文化しておらず、「対象外」と判断された。同組合は「納得のいかない部分もあるが、今後は要綱に明記してサービスを続ける」としている。
農業者戸別所得補償制度の関連では、黒石市農業再生協議会が、水田を活用した畑作物の所得補償交付金を算定する際、面積を誤り158万円を過大に受給した。
●会計検査院:小田川可動堰新設工事の一部「補助金支出は不当」 /岡山
毎日新聞 2012年11月03日 地方版
会計検査院は2日発表した11年度決算検査報告で、県が矢掛町里山田の小田川で進めている可動堰(かどうぜき)新設工事について、「国の安全基準を満たしていない」として本体と擁壁の一部工事費1億7695万円のうち国庫補助金8844万円の支出を不当と判断した。
県によると、堰は幅100メートル、長さ15メートル、高さ3メートルの鉄筋コンクリート製。09年に着工し、来年度完成予定だった。堰の上流側は川底の地下3メートル、下流は同1・5メートルまで基礎工事を行う設計だった。
会計検査院は「下流の川底が水流で掘り下げられると基礎を支える力が弱まる」と指摘。地震時にずれる可能性があり、県は地盤に杭を打つ追加工事を施す方針。
また、備前市は09年度に介護保険費用1621万円を過大に国庫に請求していたと指摘された。高齢者の介護費用の一部を国が市町村に交付する普通調整交付金で、同市は誤って高所得者の一部を低所得者として算定した。【井上元宏】
●会計検査院:決算検査報告 県や大交は返還を 国補助活用が不当と指摘 /大分
毎日新聞 2012年11月03日 地方版
会計検査院10+件は2日、国の雇用創出基金を活用した県と豊後大野市の事業に不当性があると指摘した。
県シルバー人材センター連合会への県委託事業で、労働者との一括契約が必要なのに09〜11年度に単年契約を繰り返し、10、11年度の約230万円が不当と指摘。豊後大野市の事業は労働時間基準を満たさず、10、11年度の約352万円が問題視された。
国民健康保険では入力ミスなどで中津、豊後高田、由布、別府市が計1億2489万円を国に過大請求したと判明。返還させる。
大分交通など5社実施の10年度二酸化炭素排出抑制対策事業費も宣伝広告費などが国補助対象外と認定。大分バス、亀の井バス、大分ICカード開発、ニモカの4社と共に計525万円を返還させる。
また大分労働局管内15事業所で197万円の保険料徴収不足、2事業所で16万円の過徴収が指摘され、同局が全額徴収、還付した。同局の調査確認不足が原因という。【佐野優、土本匡孝】
●会計検査院:11年度報告 県内、医療費過大請求 保険料の徴収不足も /福井
毎日新聞 2012年11月03日 地方版
2日公表された会計検査院の11年度決算検査報告によると、県内でも、医療機関による医療費の過大請求や、労働局の保険料の徴収不足などがあった。
医療費の過大請求は、県内の4医療機関で計3576万円。うち1331万円が不当な国の負担額に当たるとされた。診療報酬の入院基本料について、低い点数区分の患者を高い点数区分で算定したり、本来は保険が適用されない患者のリハビリテーション料を請求したりし、医療費を過大に受け取ったという。
また、福井、鯖江、あわら3市は、国が医療費の一部を負担する療養給付費負担金計789万円を余分に受け取った。
交付対象外の退職被保険者に支払ったにもかかわらず、さかのぼって医療給付費を控除しなかった。
福井労働局は、労災保険と雇用保険の保険料について、6事業主で計199万円の徴収不足があったと指摘された。
保険加入が必要なパートやアルバイトなどの短時間就労者を除いて保険料申告書を提出した事業主に対して、調査確認を十分にしなかったとしている。
また、県内の8事業主が国の雇用調整助成金計308万円を不正に受給していたことも判明した。【佐藤慶】
●会計検査院:決算報告 県4事業「不当な支出」 国の交付金3730万円 /新潟
毎日新聞 2012年11月03日 地方版
会計検査院10+件の11年度決算報告で、県農林水産部が実施した4事業に国が05〜10年度に支出した交付金計約3730万円が「不当な支出」だったと指摘を受けていたことが2日、分かった。県は今春、既に補助金の一部を返還している。
県によると、指摘を受けた事業は、農業生産推進や農業経営者の育成などを目的に、05年ごろから実施。県職員が県内14カ所を拠点に公用車で農家を訪れて相談に応じるなどし、国から事業運営費の補助を受けていた。
同検査院は、事業に使用した公用車の故障修理代や車検代などの維持管理費が「事業目的に直接必要のない経費で補助対象外」とした。県は「補助金支出について解釈が甘かった。直すべきところは改めたい」と話す。
また三条市では、介護給付費で、08年度の国からの交付金のうち計約1412万円が「不当な支出」と指摘された。交付額の算定に必要な75歳以上の高齢者数を実際より5000人多い1万7761人と誤って申告していた。同市は「再発防止に努めたい」としている。【山本愛】
●契約額は10倍・見積書うのみ…甘いコスト意識
(2012年11月3日13時52分 読売新聞)
会計検査院が2日、野田首相に提出した2011年度決算検査報告書では、中央省庁の入札などを巡って、甘いコスト意識が依然はびこっている実態などが次々と判明した。
◆1者応札ばかり
防衛省のシステムなどの賃貸借契約でNECが2007~11年度に受注した101件(支払額103億円)を調べたところ、一般競争入札が行われた29件のうち、28件は入札参加がNECだけの「1者応札」だった。
ある契約では、NECがパソコン周辺機器を1台60万円と算定し、同省もこれに基づいて予定価格を決めたが、機器の標準価格は約10分の1の6万9800円。
標準価格で契約すれば101件で計3億5692万円を節減できた。
◆予定価格定めず
独立行政法人日本スポーツ振興センターは05年、スポーツ振興くじ(toto)のシステム開発などについて日本ユニシス(東京)と基本契約を締結。
関連する100件、計330億円の業務を同社に発注したが、規則で定めなければならない予定価格を一度も策定せず、同社が見積書で示した金額で契約を続けていた。
◆政権交代の余波?
健康保険証、介護保険証、年金手帳の役割を1枚にまとめる「社会保障カード」構想。国は09年度、システム開発などに41億円を投じたが、政権交代後の「事業仕分け」で事業はストップした。
この影響で、全国47の国民健康保険団体連合会に整備したシステムや、サーバー140台、端末37台がまったく使われず、整備費13億5593万円がムダになっていた。
●会計検査院:決算検査報告 5自治体が不当処理 1医療機関、大学でも /島根
毎日新聞 2012年11月03日 地方版
会計検査院が2日に公表した23年度の決算検査報告。
県内関係分では、地籍調査に絡む国の補助金約1億円を不正に受け取っていた奥出雲町を含め5自治体と1医療機関、1大学で交付金の過大交付や不当な会計処理が指摘された。いずれも今後、国への返還作業を進めるという。
松江市では、路線バスとコミュニティーバスの赤字を補填(ほてん)する運行維持のための補助金約1214万円を余分に受け取っていた。同市は「補助適用外の路線を請求するなどのミスがあった」と説明。安来市でもバス事業に関連して約6259万円が過大交付されていた。また1医療機関では、入院基本料23件で約90万円を国が余分に支出していた。
出雲市では国民健康保険料で一部控除ミスがあり、約461万円を余計に国が負担していたことを指摘された。
海士町では、定住体験者用の住宅建設に関連して受けた国土交通省の補助金の一部約465万円が、対象外との指摘を受けた。
また、島根大(本部・松江市)では、教員ら5人の個人宛ての寄付金計約756万円が、規定に反し、大学会計に繰り入れられず、個人口座などで管理されていた。同大学は「寄付が研究費として適切に使用されていたことは確認した。今後、このようなことがないようにしたい」とコメントした。【曽根田和久】
●活動実態ないコーチに報酬 馬術など2団体でも還流
スポニチ 2012年11月2日 17:58
会計検査院は2日に公表した報告書で、日本近代五種協会、日本バドミントン協会、日本自転車競技連盟の計3人の専任コーチに対し、活動実態がないにもかかわらず報酬として国庫補助金から計約1446万円が支払われていたと指摘した。
検査院は2006~10年度について34競技団体の専任コーチを調査。3人のコーチは規定の活動日数を満たしていなかったり、他のコーチの活動を自分の活動として報告したりしていた。
日本オリンピック委員会(JOC)が認定した専任コーチは、報酬の3分の2を文部科学省が補助し、残りの3分の1を所属団体が負担する。団体の自己負担を回避する目的での寄付による不適切な還流は、3月にJOCの調査で発覚した10団体に加え、日本馬術連盟と日本フェンシング協会で新たに判明した。
問題の発端となった全日本テコンドー協会の会計では、07~10年度の専任コーチ報酬から会長が約2785万円を徴収し、これを簿外で管理しており「専任コーチの対象事業費とは認められない」と問題視した。
日本スポーツ振興センターの助成金では日本サッカー協会、全日本スキー連盟、日本自転車競技連盟、日本トライアスロン連合の4団体が、海外遠征や強化合宿に絡み計約1023万円を過大受給していたと指摘した。
検査院はJOCなどの調査結果と合わせ、06~10年度に補助金、助成金から計約1億3760万円が過大に交付されたと報告した。
▼竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)会長の話 会計検査院の指摘を真摯に受け止め、改善すべきところは改善したい。全容を精査した上で対応し、各競技団体にも指導していきたい。
●テコンドー協会などが5600万円を過大受給 会計検査院
産経 2012.11.2 21:49
テコンドー選任コーチをめぐる補助金の主な流れ
トップ選手の指導に当たる専任コーチらに対し、国庫補助金で支払われていた報酬の一部が寄付の形で所属するスポーツ競技団体に還流されていた問題で、会計検査院は2日、全日本テコンドー協会などが2006~10年度の5年間に、補助金や助成金計約5600万円を過大に受け取っていたとする報告書を公表した。
検査院は、5競技団体で約1600万円の専任コーチらによる還流があり、補助金1055万円を不適切に受給していたとも指摘。
日本オリンピック委員会(JOC)の調査で判明した分を合わせ、競技団体の負担回避を目的とした還流は約1億2600万円となり、スポーツ界は補助金約8400万円を不適切受給したことになる。
不正な会計処理の可能性が指摘されていたテコンドー協会については、07~10年度の間に、JOCが専任コーチ4人に支払った報酬約4300万円のうち約2800万円が4人から協会会長に渡っていた。これらの金銭は会長が簿外処理しており、使途が不明という。このため、検査院は補助金の対象事業と認めず、国庫補助金約1850万円を過大に受け取っていたとした。
専任コーチらからの還流が新たに指摘されたのは、日本馬術連盟や日本フェンシング協会など5団体。馬術とフェンシングは、JOCが今年1月に設置した特別調査委員会の調べでは、還流の実態が明らかになっていなかった。
これらとは別に、日本近代五種協会、日本自転車競技連盟、日本バドミントン協会の3団体が07~10年度の専任コーチの活動実態がないまま、補助金1445万円を不適切に受け取っていたと指摘した。
●会計検査院報告 不適切な予算執行に猛省を
読売(11月6日付・読売社説)
中央省庁には、財政が危機的な状況にあるという認識が欠如しているのではないか。
会計検査院がまとめた2011年度の決算検査報告書には、そう思うしかない不適切な予算執行が列挙されている。指摘された無駄遣いの総額は、過去2番目に多い5296億円に上った。
国土交通省からの補助を受けて自治体が整備する下水処理場で、稼働実績の乏しい施設が全国で89か所あった。人口予測を誤り、施設を造り過ぎたためで、国費257億円が無駄になった。
特許庁は、審査システム開発事業の失敗で、請負業者に支払った開発費54億円が損失となる。業者の技術力不足に加え、特許庁の管理態勢が不十分だったことが原因と、報告書は指摘する。
民主党政権が目玉政策の一つとする農家への戸別所得補償制度でも、農林水産省は肥料の管理が劣悪で補償対象にならない農家にまで交付金を支払っていた。
各省庁は検査院の指摘を重く受けとめ、適切な予算執行に努めなければならない。
東日本大震災の復興事業では、被災地に支援が十分行き渡らない実態も改めて浮かび上がった。
11年度に計上された約14兆9000億円の復興予算のうち、使われたのは54%にとどまった。
緊急に予算を確保する必要があったとはいえ、被災地のニーズと対処する能力を把握しないまま、予算を組んだケースも少なくない。その典型例が農業施設復旧事業だ。原状復旧だけを対象としたため、申し込みが低調だった。
検査院が復興庁などに対し、被災自治体の状況を踏まえた支援を求めたのは当然と言えよう。
被災した58市町村を対象に検査院が実施したアンケートでは、土木・建築分野の専門職員の派遣や長期的な人材支援、さらに、煩雑な事務手続きの簡略化などを求める声が寄せられている。
自治体職員の不足に伴う負担の増大が、復興の足かせになっていることは間違いない。政府はこうした現地の要望に応える支援態勢を整える必要がある。
復興予算を巡っては、各省庁が被災地支援に直接結びつかない事業に「転用」した問題も判明している。検査院に当初、転用を疑問とする視点がなく、指摘に至らなかったのは物足りない。
予算の内容精査とともに、被災地で使われた国費が復興に有効活用されたかどうかも、検査院はしっかりチェックしてほしい。
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