橋下維新を評価させてきた一つは原発に対する姿勢。
しかし、今年の夏前の大飯原発の再稼働をめぐる動きの中で、後退した姿勢=再稼働容認が批判された橋下氏。
それが今回の石原との合流で、橋下氏が掲げていた「2030年代原発ゼロ」の旗すら降してしまった。
その急変に、民主党以下か自民と変わらないと映る。
一応、そのあたりを、本当かどうか、検証しておく。
ブログ末にとどめる毎日新聞はわかりやすい。
橋下氏は「年代を明記していないが、新エネルギー体制のルール作りをすることになった」と引き続き脱原発を掲げる考えを強調したが、
石原氏は「何年か前、電気料金が上がった時は日本のアルミ産業が全滅した」と語るなど、ちぐはぐさは隠しようもない。
脱原発は民主党が争点化をもくろんでおり、今後の選挙戦で維新のアキレスけんとなる可能性も出てきた。
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●維新、消費税「11%目安」を基本政策に明記 脱原発は大幅後退
産経 2012.11.17 23:14
日本維新の会は17日、太陽の党との合流に際し8項目の基本政策で合意した。「強くてしたたかな日本をつくる」と題し、衆院選公約の柱となる。
中央集権体制の打破を目指し、橋下徹大阪市長が主張した消費税の地方税化と「税率11%目安」、地方交付税の廃止を明記した。
脱原発依存の主張は大幅に後退した。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加と農業の競争力強化策を掲げた。
エネルギー政策では、原発の廃止時期は明示せず、安全基準などのルール構築と、電力市場の自由化を盛り込んだ。
日本維新の会は合流前の衆院選公約素案に、2030年代までの既存の原発全廃を掲げていたが、合流に向け「政策一致」を優先した。
企業・団体献金は、政党、議員個人共に禁止したが、経過措置を設けるとしている。
●維新記者会見要旨
産経 2012.11.17 21:42
日本維新の会の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行の記者会見要旨は次の通り。
★石原代表
【野合批判】「野合」とは、違う意見を持つ人間を一つの組織にすることだが、民主党だって自民党だってそうだ。人のこと言えたものではない。
【減税日本の合流】河村たかし代表(名古屋市長)は「一緒にやりたい」と言っているし、やろうと思う。「減税日本」というネーミングが粗雑だと彼に言った。
【みんなの党の合流】一緒にやることになるだろう。必ずなると思う。それぞれの政党が候補者の擁立を考えてきたから、バッティングが一番怖い。その辺の話し合いをこれから短期間で急いでやらなければいけない。
【橋下代表代行】僕は個人的には共同代表が一番良かった。橋下氏と年齢は違うが、いろんな共通項を抱えている。この人は源義経、牛若丸だ。私も若いころから同じような目に遭ってきて、彼にほれた武蔵坊弁慶みたいなものだ。ただ、橋下氏を義経のままに終わらせてはいけない。源頼朝にしないといけない。安宅の関で義経を殴るようなこともしないといけないかもしれない。橋下氏は我慢してください。
【橋下氏の国政転身】あえて知事から市長になって大阪を救おうとしている中で、国政に出るわけにはいかない。大阪市民、府民の期待を裏切ることになる。彼は非常に苦しい選択をしたと思う。
★橋下代表代行
【石原新代表】代表就任は僕がお願いした。われわれは「決める政治」をずっと掲げてきたので、決める政治を考えれば決定権者は一人の方がいい。石原氏は最強の党のリーダーだ。誰がどうみても石原氏以上の代表はいない。
【太陽と維新の合併】政党はいろんな考え方の人が集まるのは当然だ。考え方の幅はわれわれが一番狭い。太陽の党と日本維新の会で一番見解の隔たりがある事柄、一番重要な問題だった消費税は、地方税化で合意した。党綱領もひとつにまとめることができる。自民党、民主党に比べればはるかにまとまりのいいグループだ。
【選挙態勢】全国遊説は石原代表とできる限り一緒に回りたい。衆院選が1カ月後なので、大幅な組織変更はできない。
【「脱原発」】「2030年代に原発ゼロ」という表記はしない。太陽側に譲ったというよりも、協議の中でそうなった。
●太陽、維新に合流 減税と協議の含みも
中日 2012年11月17日 21時41分
日本維新の会(代表・橋下徹大阪市長)は17日、所属議員が参加する全体会議を市内で開き、太陽の党(共同代表・石原慎太郎前東京都知事)との合流を正式に決定した。太陽は解党する。石原氏が代表となり、橋下氏は代表代行に就く。石原氏は、太陽との合流が白紙となった河村たかし名古屋市長の減税日本に対し「一緒にやろうと思っている」と含みを持たせたが、協議日程などは決まっていない。
維新と太陽が一致させた主要政策は、消費税の地方税化や道州制実現への協議など。TPP(環太平洋連携協定)では、維新の主張を受け入れて交渉するとしたが、協議によっては脱退する道も残した。原発政策は、橋下氏が掲げていた「2030年代原発ゼロ」を明記せず、「新エネルギー需給体制の構築」で合意した。
石原氏は維新の所属議員に向かい「第三極では困る。第二極だ。ちっちゃなことはこれから議論したらいい。小異を捨てて大同に団結し戦おう」と呼び掛けた。橋下氏も「石原総大将がリーダーになった。魂を込めて1カ月、死に物狂いで戦う」と表明した。
会議後の記者会見で、減税日本について石原氏は「彼(河村氏)が言う減税は消費税反対ではない」と、河村氏の減税政策が維新の消費増税路線と対立しないことを強調。だが、幹事長の松井一郎大阪府知事は同日夜、「残された時間ではもう厳しい」との見方を示した。
(中日新聞)
●「原発、消費税は小異ではない」=第三極結集をけん制―自民幹事長
ウォールストリードジャーナル 2012年 11月 4日 自民党の石破茂幹事長は4日、都内の早稲田大学で講演し、石原慎太郎前東京都知事が「小異を捨てて大同に就く」として第三極勢力の結集を目指していることについて、「原発、消費税(での見解の違い)が小異だと思わない。かなり大きな相違点だ」とけん制した。
また、日本維新の会代表の橋下徹大阪市長が石原新党の母体となるたちあがれ日本と距離を置き、石原氏個人と連携する姿勢を示していることに関し、「それはないのではないか。格好いい石原氏は必要だが、シニアな人はいらない(と言っているようなものだ)」と批判。「たちあがれ日本は政策的にわが党と似ている。本来なら自民党に帰ってきてもらいたい」とも語った。[時事通信社]
●橋下市長の「脱原発」はかけ声だけだった――ブレーンが小沢氏に急接近
金曜日 2012 年 11 月 7 日
橋下徹大阪市長は経済産業官僚に“洗脳”されてしまったのだろうか……。(撮影/横田一)
“脱原発”を掲げている橋下徹大阪市長のブレーンで「脱原発弁護団全国連絡会」代表の河合弘之弁護士が、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表に急接近している。
一〇月一六日から二一日までの“脱原発ドイツ視察”に同行。小沢代表も「河合弁護士から脱原発派の市民団体の意見を聞きたい」として二人三脚を組み始めたのだ。
脱原発連立政権の誕生を目指す両者の戦略はぴったり一致している。小沢代表が脱原発などを旗印にした「オリーブの木」構想を打ち出しているのに対し、河合弁護士も二〇二五年三月末の原発ゼロを盛り込んだ「脱原発基本法」への賛否を次期総選挙での投票基準にするべきだと訴えているからだ。
M&A(企業の合併や買収)訴訟の草分け的存在として活躍する辣腕ビジネス弁護士でもある河合弁護士は、大飯原発の再稼働反対など脱原発をリードしてきた「大阪府市エネルギー戦略会議」のメンバー。元改革派経済産業官僚の古賀茂明氏や環境エネルギー政策研究所の飯田哲也所長らとともに、関西電力株主総会での提案や再稼働なしでの今夏の電力需給計画作りなどに取り組み、再稼働ありきの野田佳彦政権の打倒を訴えた橋下市長を理論面で支えてきた。
しかし、府市エネルギー戦略会議は訴訟リスクを理由に休止に追い込まれ、橋下市長の脱原発への意欲も明らかに低下した。「大飯原発再稼働なしでも今夏の電力需要はしのげた」というのが河合弁護士や飯田氏、古賀氏らブレーンの一致した結論だが、橋下市長は「節電が定着したのか分からない」(一一日の大阪市役所での会見)として、来年以降に原発再稼働が必要となる可能性を指摘している。「何でいまさら、そんなことを言っているのか」「官僚の“注射”(説明)が効いているのか」と飯田氏が首を傾げたのはこのためだ。
それに比べ小沢代表は「今夏は歴史的猛暑だったが、原発再稼働なしで電気は足りた」と一五日の会見で言い切っている。また青森県の「大間原発」建設に対し、対岸の工藤寿樹・函館市長が差し止め訴訟を準備しているが、橋下市長は「行政は与えられた権限と政治の力を使うべきだ。訴訟は本筋でない」(一一日の会見)と否定的だ。自らのブレーンである河合弁護士が大間原発の差し止め訴訟を担当しているのに、である。
ちなみに橋下市長が容認したのは夏季限定の大飯原発再稼働である。電力需要のピークをすぎた秋になっても大飯原発は止まらないのだから、原発事故が起きた場合に“被害地元”となる大阪市が、同じ地理的状況にある函館市と足並みを揃えて差し止め請求をすれば、「原発の建設や稼働を立地県の同意だけで進めていいのか。被害地元の同意も必要とするべきだ」という問題提起となったはずだ。
いまや経産官僚に“洗脳”されたかのような橋下市長と、自らが抜擢した脱原発派のブレーンとのギャップは開くばかりだ。
これでは、かつての再稼働反対の姿勢を評価した脱原発派や無党派が離反、日本維新の会の支持低下に拍車をかけるのは確実だろう。
「国民の生活が第一は『三つの緊急課題』の一番目に『原発ゼロへ』と銘打って、一〇年後を目途に全ての原発を廃止すると明記している。
その手段として、省エネ技術と再生可能エネルギーの普及、効率の良い天然ガスコンバインドサイクル火力発電やエネルギーの推進も掲げています」(「国民の生活」のはたともこ参議院議員)
今後、脱原発に本気な小沢氏の周りに河合弁護士のような脱原発のエキスパートが結集、意欲低下の橋下市長と入れ替わるように、脱原発実現の牽引車役として注目を集める可能性が高いだろう。
(横田一・フリージャーナリスト、10月26日号)
●橋下徹「有力支援者・ミキハウス創業社長」にも見限られた!「あの男は裸の王様」
j-cast 2012/11/ 9 17:19
「私は大阪を良くするためにと思って『維新の会』を支援し、橋下徹市長らを選挙に通すためにずいぶんカネも使ってきました。彼らは何にもせんでも選挙に通ったと勘違いしているようですが、大阪の地場の人々が手弁当で支援したからこそ、『維新』は圧倒的な支持を得たんです。
しかし、彼らは人気にのぼせあがり、国政進出すると息巻いている。諌める人を次々に切り捨て、周囲にはモノをハッキリ言える人間が一人もいなくなった。
橋下市長と松井一郎府知事、いまや二人は裸の王様です」
こう「週刊文春」で語るのは木村皓一(67)。子供服のメーカー「ミキハウス」創業社長だ。これまで橋下徹大阪市長と「日本維新の会」を支え続けてきたのに、橋下に松井に怒っている。
「橋下の頭にあるのは票だけ。国民の幸せのことなど一つも考えてへん」
ここへきて橋下市長を支援してきた人間たちの中から離反する者が出てきている。離合集散は世の習いだとはいうものの、望月のようにわが世を謳歌してきた橋下たちに、何かが起きているようである。
木村はこうも語っている。
「橋下も松井も、経済については何も知らない。関電の株が紙クズになるようなこと言うんやから。関電の個人株主は、国債なみに安定してるからと買ってるお年寄りがほとんどでっせ。老後の安心がパーや。彼らも自分の株だったら、そんな無茶しないでしょう。市の株やから言うんです。経済を舐めとるわ。
つい先日も、米国育ちのベンチャー起業家の講演会を催し、橋下にも聴きにくるよう言うたのに、『木村とは原発問題で意見が合わないから行かない』と断られた。まるで子供。僕に怒られるのが嫌なんやろな。
知人の国会議員が何人も『橋下に会わせてくれ』と頼みにきたけど、僕は『何でそんなに橋下に会いたいねん。あんたの値打ち下げるだけや。利用されるだけやで』と遠ざけてきた。結局はそれが正しかった。
それにしても橋下という男は運がいい。今回の石原新党にしても、うまいこと利用しよる。政策が一致せんから言うて自分だけいい子になって、完全に石原さんの負けやんか。
でも橋下の頭にあるのは票だけ。国民の幸せのことなど一つも考えてへん。国際社会に通じる人脈もビジョンもない。さらに言うなら、自分がない。風に流されてきただけの人物です。(中略)あんな男を国政に通したら絶対アカン。日本のためになりません」
あれだけ面倒見たのに自分のいうことを聞かないという恨み節にも聞こえるが、支持者からこうした声が出てくるのは、綻び始めた証左かもしれない。(続く)
●維新の会と太陽の党合流 「脱原発」の文字消える
東京 2012年11月18日 07時07分
「日本維新の会」代表の橋下徹大阪市長と、「太陽の党」共同代表の石原慎太郎前東京都知事は十七日、大阪市内で記者会見し、太陽の党が解党して維新の会に合流することを正式発表した。
代表に石原氏、代表代行に橋下氏が就任。第三極の結集を目指した東と西の雄が手を結び、知名度と発信力で活路を見いだそうとした形だが、政策の違いに目をつぶっての合流は、野合との批判が高まるのは避けられない。 (生島章弘)
石原氏 小異を捨てて大同団結し、最初の一戦を戦う。後は橋下氏にバトンタッチする。
橋下氏 心強い新代表を迎えた。燃え尽きるまで戦い抜く。
両氏は同日、大阪市で開かれた維新の全体会議で、エールを交換しあった。
両党は合流に先立ち、八項目の政策で合意した。内容は石原氏が否定的だった消費税の地方税化が盛り込まれ、エネルギー政策では橋下氏がこだわっていた「脱原発」という文字が消えた。
橋下氏は「一番見解の隔たりがある事柄については合意ができた」と胸を張ったが、選挙が近づき、慌てて持論を捨てて歩み寄っただけの印象だ。
この日、維新と、みんなの党(渡辺喜美代表)、減税日本(河村たかし代表)は、合流しない見通しとなった。だが橋下氏の政策は、石原氏よりも渡辺、河村両氏の方が近い。「小異」の二人を“捨て”て「大異」の石原氏と組んだことになる。
合流は、人間関係の不安材料もある。維新は、小泉改革を主導した竹中平蔵元総務相がブレーン。
一方、維新の国会議員団の代表となった平沼赳夫・太陽の党共同代表は、竹中氏が主導する郵政民営化に反対して自民党を離党した。天敵ともいえる二人が合流により「呉越同舟」することになった。
平沼氏は同日の記者会見で「竹中氏の主義主張が日本の国是にあうかという問題もある。今後、考えをぶつけていかなくてはならないと思う」と語り、依然としてしこりが残っていることをうかがわせた。
急ごしらえで手を結んだ連携からは、早くも亀裂の芽が見える。
(東京新聞)
●クローズアップ2012:維新、太陽と合流 「大同団結」政策骨抜き 石原氏の「顔」頼み
毎日新聞 2012年11月18日
日本維新の会が太陽の党と合流、1次公認候補も発表して衆院選に向けた態勢を整えた。しかし、太陽とは原発など主要政策で隔たりが大きく、石原慎太郎新代表の知名度が目当ての野合という批判は避けられない。一方で全国での候補者擁立は遅れている。連携するみんなの党とは都市部中心の支持層が重なるため、選挙区調整は難航も予想される。前途多難な船出になりそうだ。
「民主党にも自民党にも政党を7回も変えた人がいる。人のことを野合と言えるのか」。石原氏は野田佳彦首相が第三極を「野合」と批判したことに色をなして反論した。橋下徹代表代行も「民主党や自民党は消費税や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)、エネルギーは僕ら以上にまとまっていない。僕らははるかに一致している」と強調した。2人は、もともと脱原発などで隔たりがあり、他党の批判に神経をとがらせている。
しかし、主要政策での差異は容易には埋めがたい。17日に石原、橋下両氏が合意した基本政策は合流を優先し、国民の関心が高い政策で骨抜きやあいまいさが目立つ。
橋下氏は大阪市長として「2030年までの原発ゼロ」を表明、みんなの党との政策合意にも脱原発が盛り込まれた。ところが、基本政策には安全基準など「ルールの構築」とあるのみだ。
橋下氏は「年代を明記していないが、新エネルギー体制のルール作りをすることになった」と引き続き脱原発を掲げる考えを強調したが、石原氏は「何年か前、電気料金が上がった時は日本のアルミ産業が全滅した」と語るなど、ちぐはぐさは隠しようもない。脱原発は民主党が争点化をもくろんでおり、今後の選挙戦で維新のアキレスけんとなる可能性も出てきた。
維新八策に盛り込んだ企業・団体献金の廃止も、経過措置として一定額以下は認めるなど「玉虫色」の決着となった。
一方で、道州制や消費税の地方税化など、橋下氏の持論の「統治機構改革」に関わるテーマは維持された。太陽幹部が「将来の大まかな方向性として示すのは構わない」と語るなど、「大同団結」のため黙認した形だ。
両者が食い違いを棚上げにしてまで合流を急いだのはやはり衆院選対策だ。
維新が17日に発表した第1次公認候補は47人にとどまる。選挙準備の遅れは地盤の近畿以外で特に目立つ。東京を中心に高い知名度を持ち、都知事選で圧勝した石原氏は魅力だ。橋下氏は「全国遊説は石原氏と回りたい」と強調した。代表ポストを石原氏としたのも、大阪中心の支持を全国に広げるきっかけとしたいという狙いがある。
一方、手勢を欠く石原氏にとってもアピール力の高い橋下氏との連携は欠かせない。橋下氏への距離感が違う太陽の平沼赳夫氏らの了解できる範囲で、「中央集権打破」のイメージを優先した。
石原氏は全体会議のあいさつで「小さなことはこれから議論すればいい。国を変えるため大きな眼目二つか三つ掲げて力を合わせよう」と語り、政策の棚上げを正当化した。【坂口裕彦、熊谷豪】
◇みんなに配慮、競合は2区
維新は当初、80人以上を1次公認する方針だったが、17日発表されたのは47人で、擁立作業の遅れが目立っている。「第三極」として連携を目指すみんなの党と競合する選挙区は2区にとどまり、一定の配慮がうかがえる。ただ、同党から維新に乗り換えた候補もおり、連携の行方を懸念する声も上がる。
「燃え尽きるまで戦いましょう」。橋下氏はこの日の全体会議でメンバーを激励。候補を会場に招き、石原10+件氏とともに一人ずつ握手を交わした。
維新の松井一郎幹事長は今月5日、「1区を中心に候補者を割り振りたい。象徴的な選挙区になる」と語り、各都道府県の小選挙区の1区に優先して候補者を擁立する方針を示していた。都市部の多い1区は無党派層を取り込みやすく、比例票の上積みにもつながるとの計算だった。
しかし、結局、1区擁立が決まったのは、北海道や群馬、大阪、熊本など8道府県。維新幹部は「候補者が海外にいたり、会社の退職手続きが間に合わなかった。辞退者も多い」と焦りを募らせる。
地域の偏りも大きい。比例代表のブロック別では47人のうち21人が近畿。北陸信越はゼロで中国と四国は1人。26府県では候補者が決まっていない。一方でみんなの党への配慮も目立った。同党と候補者が重複したのは北海道2区と東京23区のみ。維新関係者によると、みんなの候補がいる兵庫7区にも擁立する予定だったが、急きょ10区に変更した。
みんなの幹部は「それなりに気を使ったということではないか。連携の芽は残った」と評する。ただ、みんなの党の支部長だった候補も5人おり、「愉快ではない」と複雑な心境ものぞかせた。
今後は両党の選挙区調整が焦点となる。みんなの江田憲司幹事長は17日の読売テレビの番組で「われわれも消費税の地方税化を掲げており(維新と)一緒だ」と引き続き協力を続ける考えを示した。【林田七恵、原田啓之】
◇既成政党は批判
日本維新の会と太陽の党の合流が決まった17日、既成政党側からは第三極をけん制する発言が相次いだ。
野田佳彦首相は東京都内で記者団に「小異を捨てて大同につくという言葉を安易に使うが、税金、TPP含めての経済、外交・安保をどうするのかなど大事なものも捨ててくっつくというのは野合になる」と批判。自民党の石破茂幹事長は広島市の講演で「橋下(徹)さんと石原(慎太郎)さんという人気者がいることは分かるが、なんで一緒になるのかよく分からない」と疑問を呈した。公明党の山口那津男代表も東京・池袋駅前の街頭演説で「人気ばかりで責任感も乏しい。淡い期待に日本を委ねる時間的余裕はない」と語った。【飼手勇介、念佛明奈】
◇都知事選で維新、猪瀬氏を支援
日本維新の会は17日、東京都知事選に出馬を検討している猪瀬直樹副知事を支援する方針を決めた。
猪瀬氏を後継指名した前東京都知事の石原慎太郎氏が17日、維新代表に就任し、幹事長の松井一郎大阪府知事も「石原10+件代表の意思を尊重する」と述べた。
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