●日銀がマイナス金利導入を決定、日本で史上初
TBS 1月29日
年明けから世界経済への不安が続いている中、日銀は29日、日本で史上初のマイナス金利の導入という追加の金融緩和策を決めました。お金を預けても、金利を逆に払わなくてはならないというマイナス金利。黒田バズーカ第3弾の狙いはどこにあるのでしょうか。
午後0時半すぎ、市場が大きく揺れました。平均株価は、その出来事が伝わると一気に600円近く値上がり、また下落に転じるなど、乱高下しました。
「マイナス(金利)ですか」(投資家)
日銀が日本史上初めてのマイナス金利導入を決めたからです。
「デフレマインドからの脱却に対して、マイナスの影響を及ぼすおそれが高まっている」(日本銀行 黒田東彦総裁)
マイナス金利、どういうことなのでしょうか。銀行は通常、一定量のお金を日銀に預けています。日銀は、一定額を超えた部分には銀行に利子を0.1%分払っていますが、この利子の一部をマイナス0.1%にするというのです。すると、銀行は、日銀にお金を預けるだけで損をしてしまうため、お金を預けることを控え、個人や企業に積極的に貸し出すようになり、個人は住宅や株式に投資し、企業は設備投資を増やすだろうという目論見です。
デフレ脱却の目的で、日銀はこれまで、国債を大量に買い入れ、市場へのお金の増やす量的緩和で物価の上昇を図ってきましたが、29日で物価上昇の目標を達成する時期を3回後ろ倒ししました。これまでの金融政策の限界を指摘する声もある中で・・・
「量・質・金利といった3つの次元で緩和手段を駆使することで金融緩和を進める。従来の量的・質的金融緩和の限界を示すものではない」(日本銀行 黒田東彦総裁)
一方で、銀行の預金の金利が下がるため、消費を冷やす可能性もあると専門家は指摘します。
「預金の利息収入が入らないので、銀行に預ける部分をやめて、タンス預金で(収入が)減る部分を抑えようとしないか、そこが最大のリスク」(ニッセイ基礎研究所 矢嶋康次チーフエコノミスト)
黒田バズーカ第3弾、デフレ脱却の出口は、いつ見えてくるのでしょうか。
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