昨日2021年9月6日のブログとして
★≪◆遺伝子変異の検査を早期に/【BRCA遺伝子変異を持つ「去勢抵抗性前立腺がん」患者を早期に検査で同定すべき = 日本泌尿器科学会】が改訂版を出した 2021年8月26日
というテーマで書いた。そしたら、コメント的な質問があったので、今日、このブログで意見を書いてみる。
昨日の投稿の要点は次。
この8月26日に、日本泌尿器科学会が 【前立腺癌における PARP 阻害剤のコンパニオン診断を実施する際の考え方(見解書)改訂第2版 】という方針を表した。
≪少なくとも mCRPC となった時点では、積極的にBRCA 遺伝子検査を実施すべき(少なくとも1剤の新規ホルモン剤を使用)組織採取が困難な場合、組織検体の品質が十分でない場合、早急な検査結果の確認が必要な場合等)、あるいは最初に提出した組織検体の F1CDx による検査が不成立だった場合等は、全血検体を用いた検査の実施を検討すべきである≫
癌の組織の採取ができない人でも、「新規ホルモン剤を使い始めたら、『遺伝子変異の検査』をすることができる」と読み取れる。
多分、現場の医師らには不明確だったことだろうけど、それが明確になった。
困った、治療がない・・そんな思いの人を少しでも減らすために、早期の癌の段階で、積極的に遺伝検査を進めてほしい。
その利益は、
1. BRCA変異のある人にとっては、「変異があることが検査で判明することで、適切な治療がより早く受けられる具体的なメリットがあること」
2. BRCA変異のない人にとっては、「変異がないことが検査で判明することで、治療の方向がより絞り込めること」
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そしたら、次のような主旨のコメントがあった。
●2021-09-07 15:47:02
A. 遠隔転移のある去勢抵抗性前立腺ガンになったら即、遺伝子検査をすべきである。そうする事によって今後の治療の選択をする際に大いに役立つ。という理解でよろしいでしょうか?
B. それとも、私の様に遠隔転移のある前立腺ガン(去勢抵抗性ではない)になった時点で、遺伝子検査をする事が今後の治療の選択において大いに役立つという事なのでしょうか?
C. もし、後者ならば、私も該当しますので、是非遺伝子検査を(自費でも)受けたいと思っています。 |
まず、言葉の意味を確認してから、考えを書きます。
◆「CRPC」とは「去勢抵抗性前立腺がん」とは、男性ホルモンを抑える治療を行っているにもかかわらず、進行してしまった「前立腺がん」。
◆「mCRPC」とは、「『転移を有する』去勢抵抗性前立腺がん」。
1. Aに対して
A. 遠隔転移のある去勢抵抗性前立腺ガンになったら即、遺伝子検査をすべきである。そうする事によって今後の治療の選択をする際に大いに役立つ。という理解でよろしいでしょうか?
私の意見 ⇒ (引用した学会の見解は)・・・≪以上から、BRCA 遺伝子変異陽性症例へのオラパリブの適応の可否を早い段階で判断するため、CRPC の段階からコンパニオン診断を検討し、少なくとも mCRPC となった時点では、積極的にBRCA 遺伝子検査を実施すべきである。≫
額面の通りに考えれば、「去勢抵抗性前立腺がん」と判断した段階でコンパニオン診断をすることを念頭に置くこと、そして少なくとも「転移」が確認されたら、BRCA 遺伝子検査を実施すべき、ということですね。
「転移」が、「転移」か「遠隔転移」であるか否かは、深く気にせずに「転移」であるとして私は考えます。
なお、「今後の治療の選択をする際に大いに役立つ」とは、
BRCA 遺伝子の結果が「陽性なら、リムパーザ治療を始める」、陰性なら、「BRCA 遺伝子の心配をすることは必要なかろうちということで、他の治療に専念する」。
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2. B.に対して
B. それとも、私の様に遠隔転移のある前立腺ガン(去勢抵抗性ではない)になった時点で、遺伝子検査をする事が今後の治療の選択において大いに役立つという事なのでしょうか?
私の意見 ⇒ 「前立腺ガン」が「去勢抵抗性前立腺がん」になる可能性は個人差があるとはいえ、「自分の癌は、いずれは去勢抵抗性前立腺がんになるかもしれない」と考えるのが、患者の基本だろうと思います。
だって、どっちで居るかは、「ならない。前立腺がんから進行しない」とう保証は誰もできないわけであり、かつ、将来の結果論でしかないから。
見解の例 : ホルモン療法開始からCRPCになるまでの期間は、個人差はありますが2~10年程度
もっというなら、昨日も (引用した学会の見解は)の抜粋の冒頭に残したように、
(引用した学会の見解は)・・・ ≪はじめに・・・(略)・・・前立腺癌では、病勢が進行する CRPC になる行程で、とくに転移組織細胞で出現する特徴がある。つまり、CRPC 状態では germline 変異だけではなく somatic 変異も高頻度に発現していることが分かっている。≫
という通り、特にいったん「転移」したところでは、当初と違い、「もっとまずいことがどんどん進んでいる」、ということが分かっている。
なのに、保証は誰もできない、将来も前立腺がんから進行していないという立場を採用する理由はないでしょう。
「転移のない前立腺がん」でも、「遠隔転移のある前立腺がん」でも、いずれは去勢抵抗性前立腺がんになりうるはずですから、
今、去勢抵抗性ではないことに安住するのは、治療困難者であることが分かった私としては、決してお勧めしません。
だから、ご質問設定の「・・・なった時点で、遺伝子検査をする」というより、少しでも早くしたい、です。患者側としては。
ただし、日本の保険適用になる時期が「mCRPC となった時点」プラス「少なくとも1剤の新規ホルモン剤を使用」という学会の見解なんでしょう。
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3. Cに対して
C. もし、後者ならば、私も該当しますので、是非遺伝子検査を(自費でも)受けたいと思っています。
前記の通りですから、「自費でも」という気持ちが明確なら、今すぐに検査の話を進めることがベターだと私は思います。
医者がなんと言おうと。それが、「自費」の時の強み。
もちろん、病気が進んで初めてできる保険適用の検査は(有資格)医師のOKがいる。
そして、私は、治療困難度が極めて高い「BRCA2変異」がないという結果を祈ります・・・
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いずれにしても、BRCA2遺伝子変異の検査はいつがいいかは主治医に聞いてみることがまず必要だと思う、それは当然の答え。
なお、
「C. もし、後者ならば、私も該当しますので、是非遺伝子検査を(自費でも)受けたい」というご自分の答えをちゃんと用意されて、コメントされたというのは、実は、「背中を押して」ということだと推測するのは私です。
なお、昨日9月6日の私のブログへのアクセスは「閲覧数1,606 訪問者数1,018」。
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