モスクワからの乗継便は出発が30分遅れ。ベニス(ヴェネツィア)に着いた飛行機は、機内に拍手が巻き起こるほどのあざやかなランディングを披露してくれたが、到着は23時に近い時刻だった。
イミグレーション、つまり入国審査。パスポートコントロールは、官僚的なロシアのそれと比べるとあっけないくらい簡単だった。EU圏内以外の窓口に並びパスポートを提示する。
普通なら渡航目的などの質問があるのだが、なぜか1つも質問されることなく通過。まあ、夜も遅いし・・・。
さて、宿はネット(budgetplaces.com)で予約したホテル。6泊で245.54?。1泊5,000円ぐらい。
宿のHPでダウンロードした地図は非常に簡単だ。Padanaという広い通り沿いにある。空港から直線距離で10.1km。
空港を出て、さて、どうしたものかと迷っていると、タクシーの運転手が声をかけてくる。
ホテルの地図を見せて道を聞くと、ブスで”なんとかローマ”に行って、そこからまたブスとのこと。
この親切さはさすがにイタリア人だ。なつかしいなあ。「ブス」の発音を聞くのは・・・。
さて、”なんとかローマ”って、ローマ広場のことだろう。空港から“ヴェネツィア・エア・ターミナル”のシャトルブスで20分ほどでローマ広場へ。
ローマ広場からブスの乗り換えは簡単だった。チケット売り場に行ってホテルの地図に書いてある地名を言い、乗ったブスでは運転手にその地名のバス停で降ろしてもらう。もう、深夜を回って1時に近い時間だ。それでも、終バスに近いブスは何本か走っていた。
バス停で降り、地図に従って広い通りを歩いていく。深夜の人通りのほとんどない道を歩いていく。
深夜のひっそりとした住宅街を歩いていく。・・・歩いていくにつれ、どんどんさびれた雰囲気になっていく。・・・ん?迷子になった?
途中にあったBarで道を聞いたのが間違いだった。地図を見せるとあれこれひっくり返しては、酔っ払いどもがあーでもないこーでもないと議論している。
地図をひっくりかえしちゃだめでしょ。
・・・女性って、地図を読むのが苦手っていうけど、芸術に理解が深い右脳が発達したイタリア人も地図をひっくり返してみるんだ!
方向音痴にありがちなのが「勘」での行動。ダリの不思議な時計がまた、頭の中を泳ぎ始める。
「たしか、こっちの方向にホテルがあったはず」
Barで飲んでいた十人ぐらいのイタリア人たちの支援を受け、紙ナプキンに手書きしてもらった新しい地図を片手に、再度、深夜の道に足を踏み出したのだが、どうにも方向が違う。っつうか、描いてもらったフジテレビのマークのような地図は、かなりいい加減。
生存をかけた人間の動物的な勘だ。・・・酔っ払いたちの言うことは間違っている。。
今夜はどこかで野宿となかば覚悟しつつ、たまたまバスから降りて歩いていく通行人に確認すると、反対方向にまっすぐ30分ぐらい歩いた先にホテルがあるとのこと。
ヨーロッパではタクシーは決まった場所にしかいないし、タクシーを呼ぶという習慣はない。そして、30分ぐらい歩いた先というのは、彼らからしてみればごく当たり前の歩行距離。
バゲージが肩から下げるダイビング用のボストンバッグで良かった。キャスター付きのスーツケースなら、とっくの昔に歩くのを放棄していただろう。
その後、通行人の若いお兄ちゃん、道すがらの小さなホテルのお兄さん、ストリートガールなのか人気のない深夜の交差点で歌を歌っていた黒人のお姉さん、ここだろうと思って入った奥深く隠されていたホテルの支配人のおばちゃん、それぞれにホテルまでの道を教えてもらって、ようやく、ホテルにゴールした時は涙が出そうになった。
1時を回って到着した言葉が通じない日本人ゲストを、家族経営のホテルの主人はやさしく迎えてくれた。
翌日わかったことだが、降りるべきバス停は、降りたバス停よりもずっと先のブス停:fermata dell'autobus(フェルマータ デッラウトブス)だった。。・・・orz
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