tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

年明け@モロッコ・フェズ

2019-01-16 22:50:56 | プチ放浪 都会編



「May I have a glass of Campari soda?」
フェズ新市街にあるホテルのバー。時刻は新年を迎えたばかりだった。
*********
旧市街からホテルのある新市街まで、大晦日の夜の通りは大渋滞。途中にあるスーパーのカルフールでは、ぎっしりと車が並びどこから湧き出てくるのだろうと思える人の波が、みんな年越しの大きなケーキの箱を抱えて歩いていた。
夜10時にもなれば家に帰って食事して新年のお祝いをするらしい。

ホテルの部屋のテレビをつけると、各国の新年カウントダウンの実況が流れてる。台湾は相変わらず派手な花火。お台場もまけず劣らず。ニューヨークでも大歓声。
これだよね。大晦日の夜の賑わいを求めてホテルのドアを出る。でがけにホテルのバーを通りすがると大音量のPOPSが聞こえてきた。

しかし、大通りにでたら街中はひっそりしてた。冷たい風に吹かれて野良ネコが寝場所を探しているぐらい。時計を見るとちょうど12時。はっぴーにゅーいやーだ。でも空に花火はなし。
・・・なんで?
しかたなく先ほどのホテルのバーへ。中はプライベートのパーティーで盛り上がってるらしい。奥のテーブル席を占領して10人ほどの家族が、パーティー用の三角帽子をかぶりバースデイ・ソングとか歌ってる。
カウンターの端っこに案内されたぼくは、とりあえずカウンターの棚で目についたカンパリのソーダ割を注文。映画ツーリストでジョニー・ディップが飲んでいた酒だ。モロッコの赤い国旗によく似合うお酒。

騒がしいパーティも、新年早々に終了。いつも間にかカウンターの列の反対の端には、おそらくはバーテンダーから呼ばれたであろう赤いミニスカート(下にタイツ)の派手目な女性が待機。イスに腰を掛け、体はこちら向き。髪を隠すベールなんてかぶっていない。
彼女に完全にロック・オンされているとわかった瞬間、ぼくはバーを出た。
なんせ、明朝はサハラ砂漠目指して早朝出発。その前に年明けのフェズの街並みも撮りたい。面倒を起してる暇はない。
ということで、今年も花火なしの寂しい年明けっす。。

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ムスリムの国

2019-01-15 22:31:56 | プチ放浪 都会編

ビデオ用の照明を煌々と浴び、ぼくは何かが違うと必死にもがいていた。
・・・ニホンゴ゛じゃだめだ。とっさにインタビュアーへの回答を英語に切り替えた。
そもそもムスリムは写真を撮られることを嫌う。報道ビデオなどもってものほかだ。。

昨年の12月31日のことだ。場所はモロッコ王国北部の内陸都市。フェズ。過去のイスラム王朝の多くが首都に定めていた都市。
ユダヤ人街から始まってインディ・ジョーンズの世界に飛び込んだような旧市街フェズ・エル・バリへ。
ヨーダのようなジュラバを着た人々が行きかう町。
丘の上からメディナ(旧市街)を眺めると、密集度合いがすごすぎて何がなんだかわからない。
メディナには30万人の人が住んでいる。フェズの迷路といわれるとおり、8000もの通りがある。言ってみれば「世界最大のモール」。
そのふもとから、1913年にフランス政府が建立した門まで。
坂道になったケビラー通リとセギーラ通リの2本のメイン通リを、写真を撮りながらツアーガイドを見失わない様に付いていく。
迷子になったら最後、言葉が通じない町だ。2度とモロッコからは出られなくなる・・・かも。

夕食に再度メディナに。ジモピーで賑わうお店。トルコのケバブ風、焼いた串刺しの大きな肉を切って挟んだシャワマとよばれるサンドイッチ。
その店を出てブー・ジュルード門へ戻ると、強いライトの元、3台の白バイを取り囲んだ人だかりがあった。
モロッコの主要ネット放送の取材中らしい。インタビュアーが取材に応じる人を物色中だ。

「取材受ける?」
ガイド氏の言葉に二つ返事で承諾。
なんでも、モロッコ警察の活動とフェズ市内の安全性についてのインタビューらしい。
でもなんか変???
大晦日でしょ。「はっぴーにゅーいやー! いえーい!!」
が普通の反応のはず。どうも雰囲気が違う。

・・・そういえば、大晦日だというのに、フェズに至るまでの道のあちこちで検問やスピード違反の取締りがあった。
日本同様に飛ばしていると対向車が取締りをパッシングで教えてくれたから、検挙されることはなかったが。
ムスリムの国はよくわからない。1月1日からもう仕事だという。
トルコで江頭 2:50が公衆の面前でふんどしを外して全裸パフォーマンスをして「罰金75円」取られた事件を思い出した。
ここはムスリムの国だ。敬虔なイスラム教の人たちの常識にあわせなくちゃ。。

よくわからないが、中東のように秘密警察とか幅をきかせてるんだろうか。町中で道行く女性の写真を撮ったりしているとカメラごと没収されるかも。
モロッコへ来る前、ドローンで空撮をしようと準備してたけど、空港の検閲で没収と聞いて諦めた経緯がある。
そうした警察の努力もあってイスラム過激派によるテロ事件もほとんど起きていない。観光客が安心して旅行できる国であることは確かだ。

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モロッコ・シェフシャウエン(シャウエン)

2019-01-14 21:48:58 | プチ放浪 都会編



北アフリカ、スペインと隣接する国モロッコの中でも、「青い街」として有名な観光地。ベルベル語で「角」の意味である角のような2つの山に挟まれた町だ。
ぼくの記憶が正しければ、山は東西に並んでいる。その中腹に造られた町のメインストリートも東西に延び、メインストリートに繋がる小さな脇道は南北を結ぶ。
したがって青く塗られた脇道は、太陽が頭上にある時間帯だけ光がさすことになる。

当然ながら時間とともに光は変化する。道に光があふれる時間帯に写真を撮る時には、思いっきり性格の明るい女性を絞りを開放しハイキー調で撮るのもいい。夢を見るような幻想的な写真が撮れる。一方、道に光が回らない時間帯はそのフラットな光を利用してローキー調で。しっとりとした女性らしい写真が撮れる。
なお、日没後から日の出までは、白色の強いLEDが道を照らす。思わぬ光の反射でこれもまた幻想的な写真になると思われ。。

町がなぜ青でぬられているか・・・いろいろと調べたがよくわかっていない。ただ、アラビアンナイトにあった賢い女性の話を思い出す。盗賊に後をつけられて、家のドアにチョークでマークを記された男の妻は、そこらじゅうの家のドアに同じマークを記す。あとで盗賊が押し入ろうとしてもそこら中に同じマークがあって家を特定できなかったという話。
8世紀から15世紀にかけて、イベリア半島でのレコンキスタ(国土回復運動)によって大勢のユダヤ教徒が故郷を追われこの地へやってきた。ムスリムの世界はよくわからないが、互いに同じであることを確認すれば安心できるのかもしれない。

どこまでも続く美しい青い迷路。同じ入口から入っても、違う場所に出てしまう。迷うことが幸せに感じられる場所。

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カサブランカ

2019-01-13 22:58:24 | プチ放浪 都会編



スペイン語で「白い家」の意味のカサブランカ。
アーチ下の小さなグランドピアノ。天井まで伸びたヤシの木やランタンが灯る店内。この店が有名なのは、もちろんハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマンの1942年の映画「カサブランカ」による。

実は、映画「カサブランカ」はモロッコで撮られたシーンは一つもなく、米国のスタジオで撮影された。リックス・カフェのセットも、ハリウッドのスタジオにあったもの。
学生時代に噂で聞くモロッコは、たくさんのハエで真っ黒に見えた料理とか、ヨーロッパを旅してたぼくにはあまりいい噂は聞こえてこなかった。
・・・行かなくてもいいかなとか思ってたけど、日本の若い女性に人気という。インスタ映えする国であるらしい。時代は変わった。。

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「リックス・カフェ」カサブランカ

2019-01-12 23:35:23 | cafe

1912年、モロッコのフランスの保護領時代、鉄道が敷設され、カサブランカには広い並木道が作られた。建造物にはアール・デコ様式の建物が交じる。そういった建物群に取り囲まれる旧市街は迷宮のよう。
当時のヨーロッパはドイツ軍に占領され、フランス領だったカサブランカは、米国を目指すヨーロッパの難民たちであふれていた。パリで恋に落ちたリックとイルザはこの地で再会、かなわぬ夢に心を焦がす。リックは自分を犠牲にして、イルザと反ナチ活動家の夫ラズロに通行査証を渡し米国に向かわせる。
今のアメリカにはその陰すらない男のダンディズム。・・・ 軟弱ものとしてちょっと理解しがたい部分もあるが。。

「カサブランカ」の映画化は1941(昭和16)年12月27日。日本の真珠湾攻撃の20日後。原作は舞台劇「みんながリックの店にやってくる」。
モロッコはイスラム教徒の国。アルコールはご法度だ。それでも地ビールがあるのは、モロッコを植民地としていたフランスの影響。モロッコ産のビールには「Flag」や「Stork」など定番のビールがいくつかあるなか、人気は「Casablanca」。苦みもしっかりと残しつつ、フルーティーで後味サッパリのビール。
リックス・カフェでの注文は「サハリ」。こちらもフランスの植民地時代、フランス人が持ち込んだワイン。モロッコ・アトラス山麓の北部、標高600mにある銘醸ワイナリー。メートル・ド・テルが自信をもって持ってきたのはドメーヌ サハリ ルージュ。
・・・40℃を超える夏ならいざしらず、冬だからね。暖房の効いたフロアでは、冷たいロゼじゃなくても十分おいしいです。果実味の凝縮感、ややスパイシーなニュアンスに、密度感のあるタンニン。

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