金沢市尾山町に鎮座される「尾山(おやま)神社」。御祭神は『藩祖:前田利家公・正室松の方』。
由緒「慶長4年(1599)『前田利家』が没すると『前田利長』は、その霊を祀ろうとしたが、外様大名の立場で幕府の許可なく公然と祀るには憚る処があった。そこで守護神としていた越中国射水郡(富山県高岡)の「物部八幡宮」「榊葉神明宮」を遷座する名目で、卯辰山麓に社殿を建立し、利家公の神霊を合祀。廃藩置県後の明治6年、旧金谷御殿の跡地である現在の社地に社殿を新築し社号を「尾山神社」とした。1998年に正室「お松の方」を合祀」。公式HPより
木々の間からわずかに垣間見る三間社流造の御本殿。本殿に向かって右側面の玉垣は、金沢ではここが最初と言われる珍しいレンガ造りで、剣梅鉢のご紋すかしとなっています。
一の鳥居を潜って石段参道の先より参拝者を迎えてくれるのは、国重要文化財指定の神門。
オランダ人ホルトマンの設計、棟梁『津田吉之助』の施工により、明治8年(1875)11月に完成。洋風建築を模した擬洋風建築の中に中国風も混入させた数少ない例の一つで、一階を木骨煉瓦造石貼付の3連アーチとし、二~三階は、木造漆喰塗り仕上げ。三層目には四面五彩のギヤマンがはめ込まれ、頂上には日本最古の避雷針が設置されています。
煉瓦造り三連アーチ、注連縄の向こうに見える拝殿・・何とも不思議な、それでいて美しい景色。
参道真っ直ぐに入母屋造瓦葺の拝殿。画像はありませんが中央格天井は旧金谷御殿から移築したもので、各間毎に岩絵具による極彩色のうどんげの花が美しく描かれています。
拝殿下、左右より神域を守護されるのは護国タイプのブロンズ製の狛犬さん一対。無駄な肉を全て削ぎ落した体は、厳しく・・けれど美しいものにも見えます。
赤母衣(ほろ)を背に戦に赴く「藩祖前田利家:騎馬像」
「正室:お松の方」碑
雅楽の楽器を模したとされる県指定名勝の神苑は「旧金谷御殿」からの移築。池にはそれぞれに楽器の名前がついた石橋が架けられています。
池に架かるレンガ積みアーチ橋「図月(とげつ)橋」
左手奥の滝石組は「響音瀑(きょうおんばく)」。聞くところによると水流が音をたてて池泉へ流入するそうですが・・二度参拝して一度も見た事が有りません。
神苑に水を引く為に使われていた「辰巳用水の石管」
拝殿横の並べられているのは「旧藩主前田家よりの拝領石:さし石(力石)。一般に「番持ち石」とも呼ばれ、古くより若衆たちがこの石を担いで力と技を競った。これにちなんでこの石に触ると健康になると言われている」・・健康で居られますように(^▽^)/
登録有形文化財の東神門はもと金沢城二ノ丸唐門。明治3年以来旧卯辰山招魂社前にあったもので、昭和38年に尾山神社境内地に移築されました。
本殿玉垣の近くに昭和56年(1981)、彫刻家『平野富山』と「日本不老協会」によって造られたブロンズの「母子順風の像」。
ステンドグラスの神門が描かれた絵馬。上は2011年、下は2015年当時のものです。
『前田利家』着用と伝える「鯰尾兜(長烏帽子形兜とも)」をデザインした勝兜絵馬と「鯰尾兜像」。
参拝日:2009年8月14日&2015年5月25日
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