車泊で「ご当地マンホール」

北は山形から南は大分まで、10年間の車泊旅はマンホールに名所・旧跡・寺社・狛犬・・思い出の旅、ご一緒しませんか。

本覚寺(ほんかくじ) in 大阪府枚方市田口山

2022年11月12日 08時00分00秒 | 神社仏閣・名所・観光・大阪府

大阪と言えば太閤秀吉さん、有名過ぎるくらい有名な名前ですが、彼の甥であった『豊臣秀次』の存在を意外に知らない人が多く、ちょっと驚きでした。戦国時代の歴史に興味があれば、秀次の非業の死はとても有名な話なのですが・・。ちなみに秀次公の墓は和歌山県高野町の「光臺院」と、京都市の「瑞泉寺」にあります。ところが秀次公ゆかりの寺がここ枚方市にもあったのです。

枚方市田口山にある、本門法華宗寺院「眞如山:本覚寺」。案内に秀次公の名前を見た時はちょっと吃驚でしたが、その名前に誘われて参詣しました。桜の綺麗なお寺として評判だとか、私たちが初めて訪れた日も、空を覆う満開の桜に出迎えられました。

「永禄五年、京都妙蓮寺の僧日守大徳が布教の場として大阪上町に開山。文禄四年七月十四日 豊臣秀次公は謀反を理由に秀吉より切腹を命じられ、高野山青巌寺にて自刃、その一族四十人も京都三条河原で処刑された。のちに秀吉は、秀次と一族の刑死に心を痛め秀次の菩提を弔うため、日守上人を招き大阪唐物町北端に堂宇を建立し菩提寺とする。昭和四十七年七月、大阪市より枚方市に移転し堂塔伽藍等の整備を行い今に至る。」公式HPより

「秀次公菩提之塔」

旧暦7月15日、高野山で切腹した秀次公の首は京都三条河原にさらされ、8月2日にはその首の前で、秀次公の妻妾と子供たち三十九人が次々と処刑されたといいます。信頼し、心から忠義を尽くした秀吉から切腹を命じられた秀次公。むろん一族郎党に至るまで処刑されることも分っていたでしょう。その心情を思う時、何とも切なくやり切れなく・・胸の痛みが抑えられませんでした。

【 磯かげの 松のあらしや友ちどり いきてなくねの すみにしの浦 】

年老いて出来た我が子の可愛さに目がくらんでしまった秀吉。その結果、大事な我が子を護る事が出来た重要な人物を、自ら殺してしまった・・・・わが身の才覚だけで天下人にまで登りつめた秀吉。あれほどの器量を持つ人物でも、我執からは逃れられなかったという事でしょうか。

「秀次公菩提之塔」の右手には『有賀長因(歌人)』『並木宗輔(大阪浄瑠璃・歌舞伎・狂言の作者)』の墓。この二基が秀次公の菩提の塔と同じ場所に建立されている理由はわかりません。

境内の一画に建立されている「鬼子母神堂」。一般的に、鬼子母神は法華経の守護神として、法華宗・日蓮宗の寺院に多く祀られています。

500人(千人とも)の子の母であった鬼子母神は、自らの糧として人間の子を捕り食らっていました。我が子を奪われた幾人もの親の悲しみを見かねた釈迦は、ある時、彼女の末の子を隠してしまいました。半狂乱となって世界中を探し回るも愛しい子は見つからず、釈迦に縋り助けを求めます。釈迦は「500人の子を持つお前がたった一人の子を失っただけで、狂うほど嘆き悲しんでいる。ただ一人の子をお前に食い殺された親の苦しみはお前の比ではない。」と諭したのです。悔い改めた彼女は仏法の守護神となり、子供と安産の守り神となりました。

紋幕の紋は「柘榴(ざくろ)」。これは、どうしても人間の子が食べたくなったらこれを食せよと釈迦が鬼子母神に与えた果実が「柘榴」であった事に由来すると云われます。

本堂の前に奉納されていた釈迦像の・・これは香炉台でしょうか?

山門入って左手、境内の中に作庭されていた滝と池

人の気配を感じて近寄ってくる鯉。12年前に参拝した時と何も変わることなく、境内は穏やかで静かです。

参拝日:2009年4月12日&2021年10月19日

 


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4 コメント

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Unknown (まかろん)
2022-11-13 05:55:31
tibinekoさん、お早うございます。
歴史に詳しいのですね😊

秀次・・、誰だっけ?と思ってしまいました😅


>年老いて出来た我が子の可愛さに目がくらんでしまった秀吉。その結果、大事な我が子を護る事が出来た重要な人物を、自ら殺してしまった・・・・

そう聞くと哀しいですね。
tibinekoさんは敬虔な方だから、こんな感想言って良いか分かりませんが、

そういうことを聞くたびに、血をつなぐことへの執着を虚しく感じます。


お坊さまのツイッターやYoutubeを幾人かフォローしていますが、
仏教では霊魂を信じていないそうですね。
忙くてそれ以上の説明は聞いていないのですが。

日蓮宗に至っては(最近、信仰されている人から説明があったのです)神社を認めていないとかで、

仏教って・・😓と思っていたのですが、
tibinekoさんのこの記事を見て、仏さまの優しい手を感じました。

秀吉さんも秀次さんも、一族すべての方々も、
すべての執着を払って、いまは常世のどこかで憩っておいでだといいなと思います。


歴史はあまり覚えていないですが、
またの記事を楽しみにしていますね😊
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Unknown (tibineko)
2022-11-13 12:53:31
神仏に対する捉え方は宗派によってきっと様々なんだろうと思います。

特定の宗派に属した事が無いので、内実は分かりませんが・・
宗派に関係なく、各地に旅した際にお寺さんへ参拝したささやかな経験から言えば・・
たとえば葬儀を執り行う事そのものが、霊魂と言う存在に対してのものだという事。
故に、古くから受け継がれてきた既存の宗派は、いずれも何らかの形で霊魂と繋がっていると思います。

>日蓮宗に至っては(最近、信仰されている人から説明があったのです)神社を認めていない・・

日蓮宗にもいろんな宗派があって、特に日蓮正宗では神社を否定しているようですね。

私の数少ない経験からですが、2019年の春に千葉の日蓮宗の某寺に参拝した事が有ります。
目的は元禄地震の津波による犠牲者供養碑への参拝だったのですが、その時ご挨拶させて頂いたお坊様とお話をさせて頂いたんですね。
その中で、日蓮宗のすべての宗派が神社に対して否定しているわけではない。
また日蓮上人は、決して八百万の神々を否定していないとも・・・

ご自身が僧侶になられた逸話も含めて、本当に穏やかな優しい時間を過ごさせて頂きました。
その時点で「日蓮宗」に対する見方が180度変わった気がします。

とはいえ、本当に日蓮上人を祖とする宗派も多岐に渡っているので、よほどの事が無い限り、基本的には「敬して遠ざける」です。

>秀吉さんも秀次さんも、一族すべての方々も、
すべての執着を払って、いまは常世のどこかで憩っておいでだといいなと思います

爛漫の桜の下で・・・私も、心からそう思います。
返信する
Unknown (まかろん)
2022-11-14 05:41:59
tibinekoさん、千葉の日蓮宗のお寺のお話、
ありがとうございます。

宗教に関してはほんと、聞きかじりの知識しかないです。

本職の方からのお話をお聞かせくださいまして、
ありがとうございました🙏

tibinekoさんはいろんなことをご存じですね。
いまの私は精一杯日々をすごして
作品を書くしか余裕がないお恥ずかしい私です。

物知らずなことをこれからも申すかと思いますが、
良ければこれからもよろしくお付き合いください😊
返信する
Unknown (tibineko)
2022-11-14 09:49:45
好奇心が服を着て歩いているような私、
その上、さらに重ねた年の功と合わせて・・(((((^_^;)

まかろんさんの作品を読んでいると
本当に沢山の「事」「心」「想い」が籠められていて
本当に素晴らしい才能をお持ちの方なんだなと思います。
そんな方とネットの中とは言え出会えたこと
ある意味これも、目に見えない何かの力のお陰だと思っています。

それを神と呼ぶのもまた有りだと。

改めて、これからもどうぞよろしくお願いします!!
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