路傍の神様として、北は青森県から南は島根県まで分布する「道祖神」。それは寄り添いあう男女の姿が彫られた「双体道祖神」であったり、文字のみの「文字道祖神」であったりと様々で、特に長野県には約4000弱の道祖神が存在し日本一の多さを誇っています。中でも安曇野市には約400体以上の道祖神があり「道祖神の宝庫」ともいわれています。
万水川の畔、せせらぎに耳を傾け、互いに手を取り肩を抱く「抱擁・握手双体道祖神」。左右に並ぶのは馬頭観音かな?
互いの頬の近さが涙ぐましいほど睦まじく、ああ、私たちもこうでありたいと思うのです。
酒器を持ちひざまずく女神、左手に盃を持ち、右手をそっと肩に添える男神の姿を刻んだ「祝言双体道祖神」
「抱き寄せ・握手双体道祖神」
珍しい「念仏双体道祖神」。文字通り、男女神共に、合掌の姿勢をとっています。
提(ひさげ)を持つ女神、男神は盃を持ち、互いに軽く触れ合う手が何とも優し気な「祝言双体道祖神」
少女漫画に登場しそうな整った顔立ちの「祝言・抱き寄せ双体道祖神」。男神は盃を持ち、右手を女神の肩に、女神は瓢(ふくべ)を持ち体を斜めに優しく寄り添っています。
土産物売り場の前に置かれた、「握手・抱き寄せ双体道祖神」新しい時代のものらしく、デザインも今風に綺麗です。
こちらは2016年の再訪の際に初めて見かけた「抱擁・握手双体道祖神」
大王わさび農場には双体道祖神以外にも沢山の神仏像が祀られています。例えば大王窟の隣にある「開運洞」。
洞窟の奥には宝船に乗った「開運七福神」。そして・・何故か大量の小石がぎっしり。
大王さまの見張り台へと至る道は木漏れ日の中、手入れされた木々と緑のコントラストが美しく、ちょっとした森林浴気分。
見張り台の上に設置された「太陽の石」、そしてやっぱり大量の小石。
「大王農場の先駆者(開拓者)である初代深澤勇布(1886~1941)は運命のすべてを魏石鬼 八面大王に委ねたが、これを継いだ二代深澤勇布は大王農場の精神の拠りどころ「農場の心」を、まさしく太陽に求めた。二代勇布は晩年に「八面大王の見張り台」と称する石積みの頂上に球状の白御影石を荒彫りしたものを置いた。それは文字通り「太陽」を表している。崇拝した道元禅師像(細川宗英作青銅製)をこの見張り台の西側向かいの「アルプス展望の小径」の一角に安置したが、その際、道元大師の視線をこの「太陽の石」と結んでいる。二代勇布の心からなる着想であった。」由緒より
「アルプス展望の小径」より、太陽の石を見つめる『道元大師像』
左は「千手観世音菩薩像」、右は「・・・・」わかりません。
結跏趺坐の姿勢で白象に乗る「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」
美しい風景と、清らかな水と、神仏に見守られた大王わさび農場の「わさび」。これだけの条件下で育てられた「わさび」、食べなければ絶対に後悔する!!と言う御亭主殿たっての希望で、お土産用に生わさびをお買い上げ。クーラーボックス占領されちゃう・・・😅
訪問日:2010年10月16日&2016年4月19日
すっかり「双体道祖神」に魅せられた私。それから6年の歳月を経て、安曇野市はむろん、可能な限りの辻々を訪ね、双体道祖神を堪能してきました。その感動は、又いずれ折を見て紹介できればと思います。
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