チマチマ毎日

木工屋と陶器屋の夫婦が作るセルフビルドの家と、まいにちの生活、道具のあれやこれや。

いなくなって、また、きた

2016年06月22日 | 愛しいねこたち

 

 去年のいまごろは、タマが死んでしまって

家の中ががらーんとして、しーんとして、ぱさぱさしてしまっていた。

 

春くらいから、調子が悪くなってきてたから

いつか近いうちにこの心臓の動きと、呼吸がとまるんだ、とまるんだ

ってそう思いながら、まだ生きてるタマをなぜていたっけ。

覚悟をしながら、接してたとおもう。

でも覚悟をしていても、そのときがくるとやっぱりダメなもんなんだな。

 

      

 

タマの最期を書いておきたかった。

一年経ったから書けるようになったし、忘れないようにしたためておく。

 

6月15日、わたしは午後から外出する予定があって午前中から準備していたんだけど

朝さんぽに行ったタマがなぜかなかなか帰って来ない。

いつもなら家の周辺で寝てるから、すぐに目につくはずなのに姿が見えない。

3時間くらいたったころ、全身ぐっしょり濡れたタマがヨロヨロと歩いて帰ってきた。

呼吸はあらく、苦しそうで、テラスに横たわったまま動かない。

どこへ行ってて濡れたのか?どうしてこんなに急に体調が悪くなるのか?

朝はまだちゃんと歩いていたのに。アタマの中で想像してみるもさっぱりわからない。

 

時間になったので、タマが気にはなるけど出かけた。

しばらくすると、帰ってきた息子がわたしの携帯に電話をかけてきた。泣いている。

タマが、タマの様子がおかしい、死ぬんじゃないだろうか、どうしよう。

だいじょうぶだから、いいから、すぐに帰るから待ってて。

いそいで帰宅するとタマはさっきと同じでぐったりしており、立ち上がりもしない。

昨日まで、昨日まではヨタヨタはしてたけど、歩いてたし階段も上がってたし一緒に寝たのに。

覚悟をしなきゃいけないのか、って思った。

 

突然階段に横たわっていたタマが動いた。

なぜだか外に出たがる。でも出すわけにはいかない。帰ってこれなくなっちゃうよ。

 

帰宅した父ちゃんが「前に実家で犬を飼ってたとき、死期が近づくと外に出たがるんだよ。

そしてなぜだか川とか水辺にいく。なんでだろう」

そんなことを言うから、よけい出せない。

でもタマは必死になってグラグラの足下をひきずって外に出ようとする。

しょうがないから玄関にタオルをひいてそこで寝かした。

 

一晩みんなタマの息づかいに耳をすましながら、寝た。

 

朝、暗いうちに目が覚めて、タマのようすを見に行こうかどうかすごくまよった。

もう息をしていないかもしれない。どうしようどうしよう。

5時になったら起きようか。

まよって5時半に起きた。

タマは息をしていた。

そしてわたしを見上げてないた。大きい声だった。

居間につれていき、なぜた。

手に水を少しつけて、口から飲ませた。

タマは水を口にふくんで、息をとめた。

 

二階で寝る息子に「タマがしんだよ」と言った。

息子の泣く声が聞こえてきた。

 

タマはわたしが起きるのを待っていた。

それはとてもよくわかった。

 

わたしが病気になれば、必ず「どうしたの?」と寄り添ってくれたし

息子が叱られれば、なぐさめに部屋に入っていき、眠りに落ちた息子を見届けて

部屋から出てきた。

子どもたちが保育園や学校に行く朝、見送ってくれた。

 

 

今ね、タマがいなくなった家に、あたらしく三人もネコがいるんだよ。

すこしずつタマに似ているところを持ってる。

あなたが寝てた椅子に寝て、あなたが残したノミとりの薬をつかって

トイレも一緒のを使ってるよ。

 

長い時間、ほんとうにありがとう。

いま近くにいるのかな?見てるかな、この家を。

また会おうね。タマ。

 

 

 

 

 

 

 

 



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4 コメント

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Unknown (jun)
2016-06-30 21:52:20
いるさ、タマさんもちいさんも。

私、全うした命を見送ってないから、すごく怖いんだよね。
でも今いる4匹は、病気にならない限り命の終わりを見送る事になる。
なんか想像できなかったけど、これ読んだら想像できるかもしれない。
しかしどうしてこうも愛しいのでしょうね?ねこってやつは。
膝に乗ってるチビコの頭を眺めながら、涙が出てしょうがないよぅ~


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junさん (ちま)
2016-07-01 09:47:37
コメントありがとう。

18年も生きてくれたタマはみごとなしめ方を見せてくれたと思いました。
でももし若くして病気になったり、事故にあったりしたら、どうだったか。
それでもやっぱりまっとうしたと、今は思うんです。

うちに来てくれて、メンドーなこともあっただろうけど、楽しくておいしいこともあったよね。
それだけでもういいかなって。時間の長さはあまり気にならなくなった、そんな気持ちです。

とかいって、あいもかわらず「クロの足が腫れてるよ〜病院どうしよう」「タビが下痢してるー大丈夫かな」とヨッチャンがうるさいよっ!て叫ぶほど心配なんだけど。。。(ニンゲンの心配しないくせに)

junちゃん多頭になってないかい?フフフ。
毛の生えた家族はほんと愛しいねえ〜
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Unknown (jun)
2016-07-01 23:39:18
そうだよ多頭だよ・・・
私独りだったらあと1匹くらいはイケる・・・と思うけどね。
さすがにこの家だと4匹でぎゅうぎゅうだよ。
チッチもチビコも歳だけはお婆さんになってきたけど、
まだまだ可愛いよ~。
ねこの為に生きてるかも、私。
ハハハ!
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junさん (ちま)
2016-07-03 20:48:22
4匹、でもきっとそれぞれが愛しくて
どの子が一番てこと、ないんだろうね。

うちは3匹。ここで歯止めをかけねば、というカンジです、経済的に。
でもこの時期、仔猫捨て猫多いんだよね。

うちのお隣の「猫駆け込み寺」のおばさんちは20匹ゆうに超えてる。でもおばさんもみんな大事にしてるの。なくなるとやっぱり落ち込んでしまうって。

「ねこのために生きる」これでいいのだー!
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