若松孝二監督と寺島しのぶさんが舞台挨拶、映画「キャタピラー」特別試写会
今日は、8月6日。広島は今日、65回目の原爆忌を迎えている。この日から、広島では若松孝二監督作品の映画「キャタピラー」が公開された。この公開日は、若松監督の強い希望からだそうだ。
「今年2月に、第60回ベルリン国際映画祭銀熊賞(最優秀主演女優賞)を受賞した際に、『3月から公開を』との強い声もあった。しかし、沖縄はひめゆり部隊が解散し、翌日に自害したのが6月19日、その日からの公開。そして、広島は8月6日からと心に決めていた」と、若松孝二監督は語られた。
昨日のシネマクレールでの「キャタピラー」特別試写会に登場されたのは、若松監督と主演の寺島しのぶさん、そしてその夫役の大西信満さんの三人。会場には、たくさんの立ち見があった。
私の受け付け番号は、チケット販売日に並んだかいもあり8番目。私より先に入場された方は、最前列に行かれた。映画は観にくいが、生で寺島さんなどを見るのには最適だ。この日は撮影禁止なので、私は映画を見るに最適な席を確保した。
若松監督は、「一銭五厘で命を奪った戦争。この映画を見て、『戦争はむごい』と思ってくれたらいい。アメリカと戦争をしたことすら知らない今の大学生がいる」と語られた。映画のパンフレットには、半藤一利氏の特別寄稿「昭和の世界大戦を読み解く 年表・データつき」等に大きな誌面を割いている。またパンブレットの最後のページには、若松監督の手書きであろう「忘れるな これが戦争だ」と大書されている。
さて、この映画のパンフレットは1,000円だが、私はこの特別試写会のチケットを購入する際に買っていた。ところが昨日は上映終了後に、ゲストで登場した三人のサイン入りで販売された。ミーハーの私は、やはり買い求めた。限定100部の98人目だった。パンフレットは、全部売り切れた。その映画の感動を、みんな残しておきたいと思ったのだろう。
ところで、今朝のスポーツ報知には、特別に大きく寺島しのぶさんのインタヴュー記事が掲載されていた。昨日、映画を観て、寺島さんのトークを聞いた直後だけに、とても印象深くその記事を読んだ。また、今日の広島での「平和記念式典」に、昨日登壇された三人の方々が参加されている。何だか世界・日本が狭く感じる。
わずか12日間で撮影された小品だが、私に訴えかけてきたものはとても多く大きいい。今誰もが観て、そして考えて欲しい映画だ。シネマクレールを含めて全国公開は、8月14日(土)からだ(シネマクレールは、特別料金の1,300円)。見逃すことのないように。