想田和弘監督の最新作『PEACE』が、韓国の映画祭のオープニング作品に
「記録映画作家」の想田和弘監督には、私の公民館時代に、館に来ていただいて講演をしていただいたことがある。想田監督のような高い評価を得ている方に、地方の一地区公民館での講演とは、まさに無謀なお願いをしたものだと申し訳なく思っているし、感謝の気持ちでいっぱいだ。その時は、観察記録映画第一作の「選挙」の上映前だった。
さて、その想田和弘監督の観察記録映画第二作は、地元岡山が舞台の「精神」であり、たくさんの賞を受賞している。このご縁で、映画の舞台となった「コラール岡山」の牛乳配達をする作業所である「パステル」に、今牛乳の配達をしていただいている。
想田和弘監督は「台本のない」ドキュメンタリー映画を自主制作し、製作・監督・撮影・録音・編集と一人ですべてをこなしている。また作品は、ナレーションも音楽も一切挿入せずモザイクもしない、想田監督自ら「観察映画」と呼ぶドキュメンタリー映画を制作し、世界的に話題を呼んでいる。
その想田和弘監督からのメールで、「新作ドキュメンタリー映画『PEACE』(観察映画番外編、75分)が、DMZ韓国・非武装地帯国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング作品に選ばれました。9月9日20時から、ワールド・プレミア上映されます」との嬉しい知らせが届いた。
メールは、続けてこの最新作「『PEACE』の舞台は、前作『精神』に引き続き、岡山県岡山市。そこで暮らす人々や猫たちの淡々とした日常をつぶさに描き出しながら、平和とは、共存とは、そしてそれらの条件とは何か、哲学的に問いかけるエッセイ風の観察ドキュメンタリーです」とある。
まだ日本での公開日程などは書かれていないが、早く観たいとワクワクしている。また、想田監督の「ドキュメンタリー映画(観察映画)第3弾『演劇』(仮題)は、劇作家で演出家の平田オリザと青年団を対象として、撮影を完了し編集作業を実施中」とのことだ。当分、想田和弘監督から目が離せない。楽しみな日々だ。