NHKテレビ「吉永小百合 被爆65年の広島・長崎」、様々な記憶が蘇った
もう恒例となったが、NHKが吉永小百合の原爆詩の朗読会とその周辺を取り上げて、何年かに一度番組を制作し放映している。今年は8月6日に、「吉永小百合 被爆65年の広島・長崎」と題して放映された。その夜、私はビアガーデンを楽しんだので、録画しておいて昨日観た。
この吉永小百合の原爆詩の朗読を、岡山で開催された「会」で生で聞いたことがある。岡山コープを中心とした実行委員会主催の「県民平和のつどい」、会場は農業会館だった。
その企画の中心に、自らが被爆者であったKさんがいた。熱心な彼女の誘いで、その企画は実現した。そして、そのことはNHKテレビの一昨日と同じ企画の番組の中で、取り上げられた。Kさんの吉永さんへの手紙や吉永さんがKさんを訪ねるシーン等が番組で流れた。
「朗読会」の当日、私はご縁をいただいて、農業会館の楽屋に吉永さんを訪ねてご挨拶する機会を得た。しかし、その記念写真をお願いするのを緊張のあまりに失念した。我が生涯で、幾つかある残念なことの一つだ。
それにしても、番組の朗読を含めて、吉永小百合はとても生き生きとして輝いていた。今でこそ「原爆の悲惨さ」を取り上げた詩を朗読することを誰も非難したりもしないだろうが、彼女が原爆詩の朗読を始めた20数年前には、「アイドルの吉永小百合がなんてことを、許されない」等の批判や困難に直面したであろうことは、想像に難くない。
しかし、今貫き通している人間・吉永小百合に拍手する。彼女も番組の中で、「俳優である前に、人間である」と語っている。録画した番組を観た後、今度は「第二楽章」のCDで、また改めて彼女の原爆詩の朗読を聞いた。岡山での朗読の様子が、私の脳裏に様々な記憶が蘇った。もう一度、生で聞きたいと思った。