昨日の夕方民放各局でニュース放映は2局のみ、「一億総白痴化」を思い出す
正月のテレビを見ていて、何でこんな番組ばかりが並ぶのかと不思議に思う。バラエティ番組のオンパレードだ。世の中、何の悩みもないみたいだ。
そしてまた私自身納得がいかないのが、ニュース番組すらないことだ。昨日の17時台から19時台まででニューを放映したのは、NHKを除くと岡山では山陽放送と瀬戸内海放送のみだ。どちらも18時から30分だ。他の民放3局は24時前にわずかに「N」があるのみだ。
こんな状況のテレビ欄を見ていて、評論家・大宅壮一(1970年没)が言った「一億総白痴化」という言葉を思い出した。
この言葉の初出は、「テレビに至っては、紙芝居同様、否、紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと列んでいる。ラジオ、テレビという最も進歩したマスコミ機関によって、『一億総白痴化』運動が展開されていると言って好い」(「週刊東京」957年2月2日号)だそうだ。
毒舌の評論家・大宅壮一の「テレビというメディアは非常に低俗なものであり、テレビばかり見ていると、人間の想像力や思考力を低下させてしまう」という指摘・警告は今日まさしく生きており、私たちは心しなければと考える。
お正月→家族団らん→バラエティ、という構図なのかも知れないが、もう少しい工夫はないものかと思う。最大公約数を考えてしまうのだろうが、現実社会を取り上げたドキュメンタリー等を、私的には見たいと思う。今年一年を展望するような番組作りも期待する。
元旦の新聞6紙で提起された現実社会の状況や今日的な課題と、テレビが放映する娯楽番組との落差は余りに激しい。それはテレビと新聞というメディアの差だけなのだろうか。