オークスの枠順を見ると、桜花賞馬スターズオンアースが大外18番、2着のウォーターナビレラが最内1番と見事に分かれた。巻き返しを狙う2歳チャンプのサークルオブライフは絶好の6番、桜花賞は大外枠で泣いたナミュールも8番といいところを引いた。当日の馬場は内外どちらに味方するのか、いよいよ目が離せなくなった。
枠順の妙もさることながら、今年のオークスで面白いのは明らかにオークス仕様の馬がコマを進めてきたことだ。
アートハウスはわずかキャリア3戦で大舞台に立つが、昨年10月にデビューしてから、狙いすましたように芝2000mだけを使ってきた。明かに先々を意識した余裕のあるローテで、予定通り1カ月前の前走を勝ち、本番に向けて準備万端だ。注目すべきは、デビュー戦、2戦目と男馬に混じって競馬をしてきた点で、3戦目がリステット忘れな草賞で初の牝馬限定戦、そこで期待通り圧勝してみせた。いかにもオークスに向けて臨戦態勢を整えてきたと言わんばかりではないか。父スクリーンヒーロー、母父ヴィクトワールピサ、明らかに長距離血統だ。一発あるとすれば、この馬だろう。
オークス仕様2頭目は、シーグラスだ。こちらは10月に東京芝1800mでデビューした。そこから、10月東京芝2000m、11月同1800mと立て続けに使われたもの着外が続いた。父ゴールドシップといえば、昨年の覇者ユーバーレーベンが思い浮かぶが、陣営の狙いもまさにオークスだったに違いない。しかし、結果が出ない。そこで、陣営が取った策は年明けの小倉遠征だった。10月デビューで3戦使われ、明け3歳で小倉遠征、かなりハードな挑戦だ。しかも牝馬である。ところが無謀ともいえた執念の小倉遠征で、芝2000m戦を2着、1着、1着、見事に結果を出した。さすがに前走は疲労回復中の最中だけに6着と、完敗だったが、タフさは折り紙付き、しっかり充電が完了していれば、、あわやのシーンがあってもおかしくない。
かたやキャリア3戦、かたやキャリア7戦、両極端ともいえるオークス仕様の2頭に期待したい。