ロシアのウクライナ侵攻に始まった戦争への助走がにわかに加速している。中国の挑発、北朝鮮のミサイル、大戦前夜を予感せずにはいられない。
救いはこの国の国民が政治に無関心すぎて、緊張が高まらず国防意識が思いのほか膨張しないことだ。しかし、世界のどこかが引き金を引けば世界に散らばる火薬庫は火を噴くだろう。そうなれば、ダルダルだった国民の意識は、雪崩のように国防に傾き、戦争を厭わない世界の潮流に一気に流されるのだろう。
今の日本の政治家のほとんどが、戦争どころか、戦後の記憶すらない、平和ボケ世代であり、いざ、事が起これば戦争ドンとこいのアメリカに追従するしかない。国民も同じようなもので、過去と向き合うことを怠ってきただけに、流れに逆らう術を知らない。
これは怖い。戦争の愚かさをかろうじて感じてきた戦後生まれの昭和育ちにとっては、本当に怖い。
かっては自民党にも戦中派がいて、軍拡に歯止めをかけていたが、今や自民どころか野党ですら反戦意識は遠のいている。いったいどうすりゃいいのだ。
岸田政権は、明らかに内向きで、安倍政権のように過剰な危機感を煽ることななさそうだが、問題は次の政権だ。これ以上、やばい兆候が続けば、いつか来た道に逆戻りしかねない。