弥生賞は、本番への執念を垣間見たレースだった。思い切ってハナを取りに行ったシリウスコルト。スローを想定した三浦皇成の思いきった戦法が実った。本番の舞台になんとしても立ちたい、まさに執念の騎乗だった。
一方、勝ったコスモキュランダも、デムーロの大胆な騎乗が光った。ゲートが悪いのは想定内、ペースが上がらなければ、思い切って捲りに出る。終いの脚を確信した神騎乗だった。
つまり、ジョッキーの思い切りが明暗を分けた結果といえる。
そんな中、強さを見せつけたのはシンエンペラーだ。スタート、位置取りは完璧で明らかに成長ぶりがうかがえた。ただ、最後に後手を踏んで前を捉え切れなかった。八分の仕上げを考えれば、止むをえな結果といえる。それでも、余裕で2着に入ったのは強さの証明だった。本番は期待できる。