tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

バランスシート(貸借対照表)の原理

2014年08月18日 10時02分55秒 | 経営
バランスシート(貸借対照表)の原理 <2008年3月16日付のリメイク版>
 もう疾うにお馴染みの方には、初歩的なことを書いて申し訳ありません。最近政府もNISAなどで、株式投資を勧めていますから、多少でも何か参考になればと思って、改めて取り上げてみました。

 バランスシート(B/Sと略されます)は、今その企業が財務の面で、どんな状態にあるかを解り易く示したものです。

 個人でも、財産と言えば、現金、銀行や郵便局の貯金、株式、国債といった現金化しやすいものと、持ち家などのすぐには現金にならないものがあります。前者は流動資産、後者は固定資産です。
 通常はこの合計が自分の財産ですが、他方、住宅ローンなど借金が残っていれば、それは負債です。前述の財産から借金の残高を差引いたものが「正味の財産」になります。

 企業でも基本は同じです。B/Sを見ると、左側に「借方」(資産の部)というのがあって、右側に「貸方」(負債および資本の部)があります。
 これらも、あなた個人の財産を考えた場合と同じで、原理はきわめて単純。「資産の部」は、現金にしやすい「流動資産」と、工場や本社ビルといった「固定資産」の合計です。
 負債の方は、個人の場合の借金・ローン残高に当たり、仕入れ先への買掛金や銀行からの短期・長期の借入金などです。資産総額から負債を引いたものがその会社の正味の資産(自己資本)で、個人の正味の財産に当たります。

 こんな風にも言えます。現実に活用しているものが「資産」で、そのために調達して寝かせているお金が「負債および資本」です。だから左側の借り方と右側の貸し方の金額は必ず同じです。資産は目に見えますが、資本は目に見えないとも言われます。

 少し中身に入りますと、企業はお金を使って(運用して)仕事をしています。そのお金をどんな形にして使っているかが「資産の部」(借方)に示されています。現金や預金で持っていたり、売掛金になっていたり、材料や仕掛品や製品在庫になっていたり(流動資産)、工場や機械、本社ビルになっていたり、関係会社の株だったりします(固定資産)。

 ではそのお金をどこから調達してきたのか。それを示すのが「負債および資本の部」(貸方)です。買掛金や銀行からの借金、社債などの外から調達した分が他人の金、つまり「負債」(他人資本)です。自前で出している金が「資本の部」(自己資本=資本金+これまで蓄積してきた積立金)です。自己資本と他人資本を合わせて総資本です。
 
 余談ですが、バランスシートを発明したのは、イタリアの学者・修道僧で、レオナルド・ダ・ヴィンチとも親交があったといわれる、ルカ・パチョリという人で、この貸借のバランスは神の摂理と考え、スンマ(算術・幾何・比及び比例全書)という大著(1494年)を書き上げています。

 次回は、このB/Sから何が解るかを見てみましょう。