優良企業のバランスシート
財務の専門家が、企業のバランスシートを開いて、最初に見るのは右側、貸方の総合計(総資本)とその下半分にある資本の部(自己資本)でしょう。
もちろん見るだけではなくて、その両者の関係、割合を見るわけです。具体的に言えば、総資本の中で、自己資本が何パーセントを占めているかです。
この比率が財務比率の要である「自己資本比率」です。数式で書けば、
自己資本比率(%)=自己資本/総資本×100
という事になるわけですが、この意味するところは、会社の活動のために使っている金のうち、自前の金は何パーセントかという事です。残りは「負債」、借金、他人の金です。
借金の多い会社は、財務的には経営が不安定です。自己資本が多いほど経営は安定しています。
私もB/Sを見ると、先ず総資本と自己資本を比べて、自己資本が総資本の半分近くか、半分を超えていれば(自己資本比率50パーセントか、それ以上)、これは割合良い会社だなと判断します。
さらに昨年のB/Sがあれば、昨年の自己資本比率と今年の自己資本比率を比べてみて、今年の方が高くなっていれば、経営状態も順調だなと判断します。
株式市場でも、自己資本比率の高い会社は、通常、株価も高く、配当率も高く、一般的には配当利回りもいい場合が多いと言えるでしょう。
自己資本比率が高くて有名な企業としてよく例に挙げられるファナックは、何時も自己資本比率が90パーセント前後で、ほとんどすべて自前の金で仕事をしているわけですから、最優良企業の代表格で、絶対安心できる会社などといわれます。
一方資産の部(借方)の中身でもいろいろなことが解ります。
・JRやコンビニのような掛け売りのない会社は「売掛債権」(売掛金・受取手形)が少ない。売掛債権の多い会社は、運転資金が多く必要になるし、販売先の経営不振の影響を受けやすい、
・棚卸資産が多い会社は、その分運転資金が多く必要で、また不良在庫などがある可能性があるので、棚卸資産はスリムの方がいい。JIT(ジャストインタイム=トヨタ方式)は在庫のスリム化の教科書で、世界中で真似されている、
などなど。
こうした資産の中身の構成は、業種や業態によって大きく異なりますから、比較するときは同じ業種・業態どうしで比べるか、同じ会社で、年々改善が進んでいるか(時系列比較)どうかを見ることが大切です。
これ以上の分析は、売上高や付加価値といった「損益計算書」の数字との関連で分析しなければなりません。
ここでは、先ずは「バランスシートを見たら自己資本比率確認」だけでも、会社の 基本的な状態は見当がつくという事をご理解いただけたらと思います。
財務の専門家が、企業のバランスシートを開いて、最初に見るのは右側、貸方の総合計(総資本)とその下半分にある資本の部(自己資本)でしょう。
もちろん見るだけではなくて、その両者の関係、割合を見るわけです。具体的に言えば、総資本の中で、自己資本が何パーセントを占めているかです。
この比率が財務比率の要である「自己資本比率」です。数式で書けば、
自己資本比率(%)=自己資本/総資本×100
という事になるわけですが、この意味するところは、会社の活動のために使っている金のうち、自前の金は何パーセントかという事です。残りは「負債」、借金、他人の金です。
借金の多い会社は、財務的には経営が不安定です。自己資本が多いほど経営は安定しています。
私もB/Sを見ると、先ず総資本と自己資本を比べて、自己資本が総資本の半分近くか、半分を超えていれば(自己資本比率50パーセントか、それ以上)、これは割合良い会社だなと判断します。
さらに昨年のB/Sがあれば、昨年の自己資本比率と今年の自己資本比率を比べてみて、今年の方が高くなっていれば、経営状態も順調だなと判断します。
株式市場でも、自己資本比率の高い会社は、通常、株価も高く、配当率も高く、一般的には配当利回りもいい場合が多いと言えるでしょう。
自己資本比率が高くて有名な企業としてよく例に挙げられるファナックは、何時も自己資本比率が90パーセント前後で、ほとんどすべて自前の金で仕事をしているわけですから、最優良企業の代表格で、絶対安心できる会社などといわれます。
一方資産の部(借方)の中身でもいろいろなことが解ります。
・JRやコンビニのような掛け売りのない会社は「売掛債権」(売掛金・受取手形)が少ない。売掛債権の多い会社は、運転資金が多く必要になるし、販売先の経営不振の影響を受けやすい、
・棚卸資産が多い会社は、その分運転資金が多く必要で、また不良在庫などがある可能性があるので、棚卸資産はスリムの方がいい。JIT(ジャストインタイム=トヨタ方式)は在庫のスリム化の教科書で、世界中で真似されている、
などなど。
こうした資産の中身の構成は、業種や業態によって大きく異なりますから、比較するときは同じ業種・業態どうしで比べるか、同じ会社で、年々改善が進んでいるか(時系列比較)どうかを見ることが大切です。
これ以上の分析は、売上高や付加価値といった「損益計算書」の数字との関連で分析しなければなりません。
ここでは、先ずは「バランスシートを見たら自己資本比率確認」だけでも、会社の 基本的な状態は見当がつくという事をご理解いただけたらと思います。