tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2種類の「金融」の峻別を 1~2<2011年10月26・28日付のリメイク版>

2014年08月01日 09時29分01秒 | 経済
2種類の「金融」の峻別を 1~2<2011年10月26・28日付のリメイク版>
 先日TVで、ある地方の信用金庫が地域の元気な企業を発掘し、そうした企業への積極的な融資を中心に企業と共に発展しようと活動しているのを取材し報道していました。
 見ていて、何か懐かしい感じを強く持ちました。

 もともと銀行というのは企業に融資して支援するのが仕事だったのです。広く個人や企業から預金を集め、その資金を活用して、資金不足の企業に融資し、その企業の発展の成果(付加価値増)の中から金利を受け取り、企業と共存共栄をしてきたのです。
 過日、銀行員の友人が「今じゃ銀行員も企業に金を貸すんじゃなくて、投資信託を売り歩いて手数料稼ぎさ」など自嘲的に言っていたのを思い出します。

 Q何故こんなことになったのでしょうか。(QC流に「何故」を繰り返してみます)
 A直接の原因は、預金金利と貸出金利の差が小さくなりすぎ、本来の業務が成立たなくなったことです。
 Q何故金利差がなくなったのでしょうか。
 A日本経済がデフレになり、ゼロ金利政策がとられたからです。
 Qゼロ金利でも企業は金を借りないのでしょうか。
 Aデフレで企業は消極的になり、事業をするより、資金を貯めて倒産を回避するという防衛的な経営になったからです。
 Q何故日本経済がデフレになったのですか
 Aプラザ合意やリーマンショックで、大変な円高になったからです。
 Q何故そんなに円高になったのですか。
 A日本経済が真面目に借金などせずに、頑張っていて、ドルなどほかの通貨に比べて価値が下がらない「安全通貨」と見られているからです。
 Q日本は借金しないのに、何故外国は借金などするのですか。
 Aアメリカが典型で、自分で作り出したGDP以上の生活をするから、経常収支が赤字になり、借金しなければならなくなるからです。
 Q何故アメリカは稼ぎ以上の生活をするのですか。
 Aそれはアメリカに聞いてください

 というようなことになってきます。ベトナム戦争で体力をすり減らしたアメリカは、その後40年以上、経常赤字を続けています。その分は外国から借金しなければなりません。
 そのために開発したのがマネー資本主義、金融工学です。そこに新しい金融機関の役割が生まれました。

 経常赤字を資本収支で埋めるためのマネーゲームです。リーマンショックとして名を遺したリーマンブラザーズのような「投資銀行」からヘッジファンドまで、こうした金融機関の仕事は、カネでカネを儲けるという「富の移転作業」です。

 富の移転作業ですから富の創造(付加価値生産)ではありません。悪く言えばギャンブルの範疇に入るものでしょう。

 万年経常赤字で、常に外国からのファイナンスを必要とするアメリカが、覇権国・基軸通貨国の権威によって作り上げた「金融(マネー)資本主義」を支える金融機関です。
 
 今や世界では金融の世界は「付加価値創造に貢献する金融機関」と、「他人が作った付加価値を自分の所に移転させる金融機関」の2種類に分かれるようです。(以下次回)