tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

資源獲得競争か 省資源・材料転換か

2018年09月12日 14時28分22秒 | 科学技術
資源獲得競争か 省資源・材料転換か
 科学技術の発展は、このところ加速の一途のように感じられます。その中でますます必要の度が増していくのは多様な資源でしょう。

 最も基本的のものはエネルギー、さらには水資源。 そして多様な鉱物資源の必要度もますます強まっていくように感じられます。
 しかし、地球上の資源の賦存はかなり偏ったものですから、当然、資源獲得競争につながり、それが国際紛争につながることも多くなるわけです。

 石油資源を抑えた国が覇権を握る時代も長く続きました、イギリス、アメリカ、そしていま中国が資源獲得競争に本腰を入れていることは明らかでしょう。

 ところで日本はどうかと言いますと、石油資源獲得を目指して太平洋戦争の突入しましたが、それが大失敗だったことに気づき、資源獲得競争からは離脱という所でしょう。
 日本の選んだ道は、資源国は資源を売らなければならない、ならば買えるだけの原資を稼げば問題ない、という路線でした。
 オイルショックなど大変なこともありましたが、これは正しい選択だったようです。

 さらにもう一つ、日本がやってきたことがあります。それは省資源・材料転換です。ヨーロッパ諸国でもこの活動は盛んです。
 石油価格が1割上がったら、燃費の1割良い車を作る、石油の代わりに太陽光、風力、地熱などでエネルギー(電力)を活用しようという発想です。

 鉱物資源では好例は強力磁石に必要なネオジムでしょう。中国がネオジムを値上げすれば、 ネオジム使用量10分の1で同じ磁力のでる磁石を開発するといった取り組みです。
 今、特に開発競争がし烈な蓄電池などの分野では、触媒や電解質などで多様な安価な新材料の開発が盛んです。

 日本はアメリカや中国のうに超大国ではありませんし、戦争をしないという憲法を持った国ですから、資源獲得競争などには不向きでしょう。だから仕方なく省資源や材料転換などでしのぐしかないという見方もあるでしょう。

 しかし本当はそうではないようです。太陽エネルギーは別ですが、地球の資源は有限です。資源の消費の方は限りがないでしょう。『成長の限界』はとうに論じられています。ブレイクスルーは省資源化材料転換しかないのです。

 結局そこに行き着くのであれば、最初からそれをやっていることが大変大事になってきます。
 偶々日本は、資源獲得競争に敗れて、「資源は人間だけ」と言われる4つの島に住む事になりました。そして、人間の能力開発にすべてを賭けることになりました。そしてそれが究極の勝利を握る手段だという事に気が付いてきました。

 アメリカは資源獲得競争に勝った挙句に、この所は行き詰まりつつあるようです。南沙諸島などで頑張る中国の将来はどうでしょうか。
 いつかは世界中が、省資源、材料転換しかないことを知るのでしょう。日本は経済政策、技術立国の道をそこに賭け続けるべきでしょう。
 それがいつかは世界の平和につながることも確り視野に入れながら。