tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「新しい生活様式」は国民が創るもの

2020年05月18日 16時17分55秒 | 文化社会
「新しい生活様式」は国民が創るもの
 この所、政府の言葉の使い方に違和感を感じることが多くなりました。
 格好良い言葉を使っていますが、実体とはかけ離れた言葉を、なぜか無理して使い、それで何とか国民に立派な政策をやっているように見せようというのでしょうか。

 過日も、緊急事態宣言について、「「解除」ではなく「一部緩和」が国民の理解のようです」と書きましたが、実態はどう考えても「解除」ではなさそうです。

 解除というのは「解く」と「除く」ですから「もう緊急事態は終わりました」、普通の生活に戻って結構です」でないと「解除」ではないでしょう。
 「解除」の実態は、3密ダメ、クラスターは作らない、なるべくstay home、・・・などの条件を満たして、一部のお店の開業も可・・・、これで「解除」でしょうか?

 そして今度は「新しい生活様式」です。
 中國が、少し前に「 新常態」という言葉で国民を指導しました。巧い言葉を考えるものだと感心しましたが、一党独裁の中央集権国家だからそれでいいのでしょうが、日本は、自由主義、民主主義の国です。国民生活の在り方を政府に指導してもらう国ではありません。

 それでも、国民が何とか納得して政府の作る事細かな実践例などを素直に受け止めて、努力しようというのは、新型コロナウィルスの猛威が収まるまでは、出来るだけ皆さんにご迷惑をおかけしないように心がけようという気持ちが強いからでしょう。

 という事は、政府の「新しい生活様式」の実態は、対新型コロナの規制をある程度緩めますが、油断はしないでください、という事です。
 それで「再発があったらすぐ引き締めます」、「巧く行ったら、もう少し緩めます」という事ですから、特に成算や自信があるわけではなく、感染も減って来たし、外国もやっているから日本もという事でしょう。

 「新生活様式」というのは、「当面少し緩めてみます」というだけ事で、この生活様式が、今後の日本社会のスタンダードということではないのです。
 それなら「第1段階の緩和」とでもいった方がずっと正直で解り易いでしょう。

 本気で政府が国民のために「新しい生活様式」を示すなどという事は、日本の社会では無用なことで、コロナ後の新しい社会構造、国民生活の姿は、国民全体、企業や種々の組織などなどが、新型コロナの経験にも学び、おのがじし多様な工夫をし、5Gや新しい自然や社会環境によりよく適合するように時間をかけて創り上げていくものでしょう。

 最近の政府は「真摯に丁寧に」というように、言葉で格好をつけ、現実にやっていることは、マスク2枚が忘れたころに届くとか、1人10万円も、折角のマイナンバーを使ったら、却って手間がかかるとか、どさくさに紛れてまた国会で強行採決をしようとか「国民のため」などは置き忘れ、政権の維持に汲々とするポピュリストの様相が見え見えという感じが強くなってしまっています。(太平洋の向こうでもそんな具合ですが)

 にも拘らず、国としてのパフォーマンスが、それなりの水準を維持しているとすれば、それは、国民が己を律し、立派な行動をしているからという事に尽きるでしょう。
 政府には、真面目に努力する国民の態度を見習ってほしいと思うばかりです。