先週金曜日4月19日に、総務省統計局から3月の消費者物価が発表になりました。少し遅くなりましたが、例月通りご報告をしたいと思います。
先ず下のグラフの様に、原指数の動きとしては、先月までほとんど横這いになって来たかと思われた赤、青、緑の線が、3月ははっきりと上がっていることが解ります。
消費者物価原指数主要3指標の動き
グラフに数字が入らなくて申し訳ありませんが、前2月に比べて総合の赤が0.3ポイント、生鮮食品を除く青も0.3ポイント、生鮮とエネルギーを除く緑が0.2ポイントの上昇です。
3月から4月にかけて、エネルギー関連や生鮮食品、一部の加工食品などの値上がりが見られていますが、毎月0.3ポイント上がれば1年では3.6%の上昇になりますから2%のインフレ目標にはとても届きません。
生鮮とエネルギーを除く総合が0.2%の上昇にとどまっていてくれることが、消費者物価の基幹部分のいわゆるコアコアは何とか落ち着いて来ている事を示していると見れば、物価は沈静基調という事になるのですが、些か心配です。
消費者物価の動きを対前年同月で見ますと下の図です。
エネルギー関係の補助金の影響を受ける赤と青の線も下げていますし、コアコアを示す緑の線も順調に下げてきているので、大変結構に見えますが、これも昨年3月の上昇が急激だったことを受けているという面がありますので、昨年の上昇基調に較べれば沈静という面もあり判断は微妙です。
何とか沈静基調を保ってほしいと思う消費者物価ですが、インバウンドの盛況という事で下がらない、典型的には宿泊料のようなものもありますし、これから、春闘の結果の賃上げの価格転嫁もあるでしょう。理論的にはそんなに大きなものとはならないとも考えられますが、そう簡単ではないようです。
端的に言って、23カ月連続の実質賃金の対前年マイナスといった現象が何処で止まるかといったことで、「これで経済も生活も気分が変わる」といった状態になって欲しいというのがみんなの願いでしょう。
そうなることを願いつつ、もう少し観察を続けて行こうと思っています。