tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

岸田首相国賓待遇で訪米、日米関係は何処へ

2024年04月09日 13時23分21秒 | 国際関係

支持率が23%(NHK調査)まで下がった岸田内閣ですが、自民党崩壊の危機などと言われ、混乱を極める自民党の党首の岸田さんをアメリカが国賓待遇で呼んだのです。

今迄に国賓待遇でアメリカに招かれた日本の首相は小渕恵三、小泉純一郎、安倍晋三そして今回の岸田文雄という事だそうですが、アメリカは、世界中の情報を最も多く、最も確り掴んでいる国で、日本の事などは、我々よりずっと良く知っているはずですから、岸田さんを今、国賓待遇で招待するについてはそれなりの理由があるのでしょう。

細かいことは解りませんが、アメリカの欲している事は、今迄の日米関係からほぼ想像がつきます。

1つは、日本が万年経常黒字国で、アメリカは万年経常赤字国だという事から来る問題です。アメリカは赤字をファイナンスしなければならない立場ですから金策をしやすい相手が欲しいでしょう。その点では日本は合格という事でしょうか。

2つは、戦後アメリカは日本を戦争をしない国にしようと徹底努力しましたが、今は違って日本を戦争の出来る国にしたいようです。理由は、敵国だと思っていた日本が、味方だという事が解ったからでしょう。

その外いろいろあるかもしれませんが、大きくはこの2つでしょう。

そしてアメリカにとって日本の長期政権党である自民党が、政党として最も相互理解が進み、安心してお付き合いできる、いわば信頼関係のある、少し俗な言葉でいえば、最も与しやすい相手だと確り研究し分析していると考えているのではないでしょうか。

勿論、国民の中には色々なことを言う人もいますし、いろいろな立場の政党もありますが、選挙をすれば、殆ど自民党が勝ち、時に自民党が野に下っても、少し経つとまた自民党が政権党に復帰しているというのが今までの実態だという事もアメリカはよく知っているのでしょう。

そんなふうに考えますと、やっぱり日本は、アメリカにとって、いろいろな意味で、大変役に立つ国だという事なりそうです。

だから、国内ではどうにも人気の出ない岸田さんでも、アメリカにとっては日本の政権党の党首で、現職の総理大臣ですから、国賓待遇で招待してもそれだけの価値のある人なのだという事になるのでしょう。

そして、出来得るならば、アメリカが岸田さんを評価しバックアップする事で、岸田さんの力の回復が出来れば、それはアメリカにとっても、岸田自民党にとっても、大変望ましい事ではないかと考えても、それも1つの考え方という事にもなるでしょう。

岸田さんにとっては、これはまたとないチャンスで、これを十分に活用して、今の混乱を収め、国民の信頼を取り戻す強気を取り戻すための大きな自信(過信?)にもなるのではないかと考えられます。

岸田さんの今回の訪米は、現在の複雑な諸事情を、こんな形で日米同盟の強化をさらに確実にするアメリカにとっても重要な動きの一環とも感じられてしまうところです。

ところで、これが日本の将来にとって、いかなる結果を齎すか、日本人は、それぞれに日本という独立国の一国民としての立場で、他人の意見などに頼ることなく、自分自身の意見を確り持たなければならないのではないかという気がするところです。