自社型賃金決定に回帰する不況下の春闘
今日は、春闘のいわゆる集中回答日でした。
結果を見れば、各社の回答はバラバラで結局はその産業・企業の業績を反映したものになりました。
先行企業がある程度の水準を獲得し、後続の企業がそれを目指すという春闘のパターンは昔の話という事になるようです。
昔も、「先行疲れ」などという言葉もあって、先行企業の労組として役割を果たすおは結構疲れるので、先行になりたくないといった事もあったようですが、当時なら当然先行企業の役割を果たしたトヨタでさえ、先行企業、パターンセッターという意識は持っていないでしょう。
トヨタの回答は9200円、一時金も年間6ヶ月の満額回答ですが、一時金は昨年の6.5か月より低く9200円の中身も定昇・ベアの区分は示していません。
確かに労働サイドとしては、賃上げは高い方いいという意見はあるでしょうが、先の見えないコロナ不況のような環境の中では、労使双方にとって企業防衛は必須で、賃金より雇用優先というのはいつの世でも変わらない現実なのです。
その意味では、逆境の中では結局自社型賃金決定にならざるを得ません。日航や全日空がどんなに頑張っても賃上げは無理というのが産業不況期の企業の現実なのです。
必要な事はわが社を、賃上げが労使の積極的な合意で出来るようにするためには何が必要か、労使で徹底的に話し合う事でしょう。現状では、コロナの克服の早い事が最も重要でしょう。しかし、世界的にそれが出来なければならない産業も少なくありません。現状、政府の政策はそれには殆ど成功も貢献もしていません。これも賃上げに、もともと不況の長期化という意味で、深刻な影を落としています。
労使は、GDP(付加価値)の生産の担い手として、そうした点についても十分に議論し、政治に反映させる力も義務も権利も持っているはずです。加えて、産業における多様な新機軸イノベーションは企業の(労使協力で達成する)専門分野であり、同時に、賃金原資を生み出す原動力でもありましょう。
端的に言って、コロナワクチンの開発などはその分野の喫緊な問題でしょう。遅れに遅れる政府の対策の尻を叩くのは企業労使でなければなりません。
大げさなことを言うようですが、政府が国民に本当のことを岩に様なことになった今日、春闘は、単なる賃金決定用の行事ではなく、賃金という国民経済と家計を繋ぐこの重要な「リンク」を中心に置くことで、日本経済・社会、それを統括するべき政治について、 積極的に発言 するための議論を重ね、社会と政府に提言する役割を担っているのではないでしょうか。
春闘を賃金決定に矮小化するよりも、日本経済に役立つような年に一度の「労使の研究学習集会」に大きく育てることが必要な世の中になているような気がします。
今日は、春闘のいわゆる集中回答日でした。
結果を見れば、各社の回答はバラバラで結局はその産業・企業の業績を反映したものになりました。
先行企業がある程度の水準を獲得し、後続の企業がそれを目指すという春闘のパターンは昔の話という事になるようです。
昔も、「先行疲れ」などという言葉もあって、先行企業の労組として役割を果たすおは結構疲れるので、先行になりたくないといった事もあったようですが、当時なら当然先行企業の役割を果たしたトヨタでさえ、先行企業、パターンセッターという意識は持っていないでしょう。
トヨタの回答は9200円、一時金も年間6ヶ月の満額回答ですが、一時金は昨年の6.5か月より低く9200円の中身も定昇・ベアの区分は示していません。
確かに労働サイドとしては、賃上げは高い方いいという意見はあるでしょうが、先の見えないコロナ不況のような環境の中では、労使双方にとって企業防衛は必須で、賃金より雇用優先というのはいつの世でも変わらない現実なのです。
その意味では、逆境の中では結局自社型賃金決定にならざるを得ません。日航や全日空がどんなに頑張っても賃上げは無理というのが産業不況期の企業の現実なのです。
必要な事はわが社を、賃上げが労使の積極的な合意で出来るようにするためには何が必要か、労使で徹底的に話し合う事でしょう。現状では、コロナの克服の早い事が最も重要でしょう。しかし、世界的にそれが出来なければならない産業も少なくありません。現状、政府の政策はそれには殆ど成功も貢献もしていません。これも賃上げに、もともと不況の長期化という意味で、深刻な影を落としています。
労使は、GDP(付加価値)の生産の担い手として、そうした点についても十分に議論し、政治に反映させる力も義務も権利も持っているはずです。加えて、産業における多様な新機軸イノベーションは企業の(労使協力で達成する)専門分野であり、同時に、賃金原資を生み出す原動力でもありましょう。
端的に言って、コロナワクチンの開発などはその分野の喫緊な問題でしょう。遅れに遅れる政府の対策の尻を叩くのは企業労使でなければなりません。
大げさなことを言うようですが、政府が国民に本当のことを岩に様なことになった今日、春闘は、単なる賃金決定用の行事ではなく、賃金という国民経済と家計を繋ぐこの重要な「リンク」を中心に置くことで、日本経済・社会、それを統括するべき政治について、 積極的に発言 するための議論を重ね、社会と政府に提言する役割を担っているのではないでしょうか。
春闘を賃金決定に矮小化するよりも、日本経済に役立つような年に一度の「労使の研究学習集会」に大きく育てることが必要な世の中になているような気がします。