公私ともにいろいろお世話になり、ご迷惑もおかけした小沼杏坪先生が亡くなられてはや2週間が経ちました。元気になられるだろうとご様子もおうかがいしなままに失礼してしまいました。
小沼先生とお会いするようになったのは10年余前、そんなに偉い先生だとは存じ上げずにいつものように言いたいことを申し上げたのでした。「河合さんさあ、そんなことを言ってもだね、民間病院が広島の精神医療を支えてきたって面もあるんだよ、ちゃんと見なきゃ!」
周りにいる我々にはとても厳しいときもありましたが、患者には本当に優しい医師でした。「病院の中にだけいたらさ、回復してる人を見れないんだもん、医者も元気になれないよ…街でよくなっている人をみなきゃあ…」口癖のように言われていました。患者とも正面からやりあって…若いワーカーの勉強会や時には事務作業の日にもいつも一番に参加され、黙ってノリ貼りもしてくださいました。
「広島にもきちんとした治療共同体をさ…」
熱っぽく語られていた、先生を想いながらご冥福をお祈りします。