降って来るもの

写真と散文とぽえむ

虚実の端境で

2018-04-25 06:34:57 | 詩15

                         虚実の端境で

 

行き先の分かっている行き先など

たった一つもない

瞬間こそが唯一の現実の

 何時でも

そんな剣が峰を

亘ってゆく身なのだHITOは

 それゆえ

目的は掲げているにしても

それは大方は幻にしか過ぎず

鮮明に描ける明日など

 誰にも

たった一行の確たる記述さえ

我がものにはできない

 

HITOはそんな虚実の端境で

イノチを繋ぐ日々を生きる

 何を起動力に

 何を原動力に

 何を推進力に

イノチを運んでゆくのかが

それぞれの一生のthemeになるのだ

 

何を糧に?

僕にももちろん

明確な十戒は無いのだが

そのことを自覚する精神が

 先ずは

明日から掴み取れる

今日の一歩を印すだろう

04/25 06:34 万甫

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どうしてもっと本を

2018-04-25 06:08:58 | 詩15

                       どうしてもっと本を

 

どうしてもっと

本を読まなかったのだろうと

痛切な後悔がある

どうしてもっと

多種多様な人生や

森羅万象のもの想いを

己が感情にstockしなかったのかと

苦く切ない反省がある

 

僕はきっと

小説家に成れたのだ

essayistや脚本家にだって

本物のpoetにも成れたのだ

きっと

 

どうしてもっと

貪らなかったのだろう

時間は有り余って有ったのに

どうして

浮世の泡に現を抜かしていたのだろう

何も孕まない砂の時間を

ただ虚しさだけを道連れに

さらさらと落ちる無機質の・・

 

今頃になって

イノチの最後の直線に入って

読みたくても読めない

諸般の状況に

雁字搦めになってから

こんなにも

哀切な想いを纏うとは

 

最早jikanは余り無い

僅かな熟成の滴を舐めながら

そのエキスを表白してゆくだけで

時計の砂の残量は減り続ける

 

どうしてもっと本を読まなかったのか?

凡人が残せる

唯一の意味ある遺言のように

そのquestionをひとつ置いてゆく

04/25 06:08 万甫

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