降って来るもの

写真と散文とぽえむ

雨の朝は長靴を履いて

2018-04-17 06:20:34 | 詩15

                      雨の朝は長靴を履いて

 

ほんとうに好きな者しか出歩かない

 その時間や空間や状況やを

ほんとうに必要な者しか動かない

ほんとうに無心になれると

 感じる者しか繰り出さない

日曜日の雨の朝は長靴を履いて

未来に楽しみごとだけがある

 赤子のように

浮き浮きとココロ弾ませて野辺に出る

 

獣たちさえ

息を潜めて木陰に寄り添い

騒めきはすべて雨音が持ち去る

視界は不透明に広がり

 現実は半分にも満たない

寒気がシャツの襟もとを掻き合わせる

否応なしの雨粒に覆われた朝は

長靴を履いて大きな傘に姿を隠し

 僅かな隙間で

左手のmemo帳に右手の四色ball penで

-クロとアオはインク切れしてしまった・・

ミドリの文字を書き付ける

 

こんなに居心地のいい天然の書斎では

書くことが次々に降って来るので

pen先を滑らすのに忙しい

 

邪魔だてする要素の何もない

 ごく稀に訪れるトキの間に間を

僕は長靴を履いて大きな傘をさし

紙とペンを持って

軽やかにヒトトキを浮遊する

04/17 06:20:06 万甫

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