雨の朝は長靴を履いて
ほんとうに好きな者しか出歩かない
その時間や空間や状況やを
ほんとうに必要な者しか動かない
ほんとうに無心になれると
感じる者しか繰り出さない
日曜日の雨の朝は長靴を履いて
未来に楽しみごとだけがある
赤子のように
浮き浮きとココロ弾ませて野辺に出る
獣たちさえ
息を潜めて木陰に寄り添い
騒めきはすべて雨音が持ち去る
視界は不透明に広がり
現実は半分にも満たない
寒気がシャツの襟もとを掻き合わせる
否応なしの雨粒に覆われた朝は
長靴を履いて大きな傘に姿を隠し
僅かな隙間で
左手のmemo帳に右手の四色ball penで
-クロとアオはインク切れしてしまった・・
ミドリの文字を書き付ける
こんなに居心地のいい天然の書斎では
書くことが次々に降って来るので
pen先を滑らすのに忙しい
邪魔だてする要素の何もない
ごく稀に訪れるトキの間に間を
僕は長靴を履いて大きな傘をさし
紙とペンを持って
軽やかにヒトトキを浮遊する
04/17 06:20:06 万甫