囲碁きちの独り言 Ⅱ

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高齢になると言うこと・・・

2024-12-22 15:40:53 | 囲碁きちのつぶやき

今日の東京新聞の社説、「週のはじめに考える」を読んで改めて知ったことがあります。

文中、89歳の若宮正子さんの言葉を引用していますが、その内容がとても興味深かったからです。

「深刻な問題は難聴。特に80歳代後半の男性の場合、まともに聞こえていない人の方が多い」

「確定申告、調書の字が小さくて読めない」

「要介護の人は選択できない人が意外に多い」

「スマートフォンは、80歳以上の人は家族同伴でないと契約できない」

などの事実を列挙しています。

私も、最初の2項は当てはまります。

興味をお持ちの方は、全文を読んでください。

 

<社説>週のはじめに考える 透明人間にさせぬよう

2024年12月22日 07時02分
 
 「もう少しすると89歳になります」。こんなあいさつから始まった話は、高齢者について知らないことばかりでした。
 今年2月、高齢者が住みやすい社会づくりを考える政府の有識者会議「高齢社会対策大綱検討会」で、メンバーの若宮正子さんが高齢者の当事者として、生活上の課題や思いを切々と語りました。

◆当事者の意見聴かぬ社会

 若宮さんはシニアになってからパソコンを学び、開発したゲームアプリが話題となりました。米アップル社の世界開発者会議にも招かれる活動的なシニアです。
 「わが国は経済大国やものづくり大国でもないし、介護、医療、年金の水準を維持することも困難です。高齢者も極力心身ともに自立しなければいけないということに納得しております」
 若宮さんはこう前置きした上で高齢者が置かれているさまざまな状況を話し始めました。
 「深刻な問題は難聴。特に80代後半の男性の場合、まともに聞こえていない人の方が多い。音として聞こえているけれども、それを解析して受け取る力がない」
 確定申告でe-Tax(電子申告)を使おうとしても「それ以前の問題として、支払い調書の字が(小さくて)読めない」
 「要介護の人は洗濯ができない人が意外に多い。洗濯物を洗濯機に入れることはできても、取り出すには、手をかなり深く(洗濯槽に)突っ込まないとできない」
 「スマートフォンを持ちなさいと言われますけれども、実は80歳以上の人は家族の同伴がないと契約ができません」
 こうした事情を理解した上で高齢者が住みやすくなる対策を、と若宮さんは訴えました。
 私たちの社会は、さまざまな分野の当事者から意見を聴く姿勢を欠いているように思います。
 政策を検討する政府の審議会でも不十分で、高齢者、障害者、患者、子どもたちなど立場の弱い人は積極的に参加できません。
 幅広く支持を集める国民政党を自任してきた自民党が先の衆院選で惨敗したのも、さまざまな当事者の声を誠実に聴く力が衰えてしまったからではないでしょうか。それは自民党以外の既成政党やメディアも同じかもしれません。
 こども家庭庁の「2023年度我が国と諸外国のこどもと若者の意識調査」によると、「社会においてこどもが自分の意見や気持ちを聞いてもらえると感じるか」との質問に「感じている」「やや感じている」と答えた人はスウェーデンやドイツでは7割を超えますが、日本は約4割でした=グラフ。
 スウェーデンは若者たちを「社会の資源」と考えて尊重しています。国や地域に対して表明した意見を、行政に反映させる仕組みもあります。それ故に政治への関心も高く、若者の国政選挙の投票率は8割を超えています。
 今の社会をともに生きる当事者の意見を聴く姿勢は、安心できる社会づくりに不可欠です。自分の意見を聴いてもらえない社会には疎外感を感じ、いずれ人の意見を聴かなくなるかもしれません。
 当事者の意見を聴かない背景には、他者に対する無関心があるように思えてなりません。
 都市化が進み、地域や家族のつながりは希薄になりました。社会学者の宮台真司さんは若者たちの行動調査から、人との交流範囲が縮小する現象を「仲間以外はみな風景」と表現しました。そんな社会では生身の人間として生きる他者は見えていないのです。
 非正規雇用の増大や景気低迷が格差を拡大し、人々の分断をあおっています。分断修復を阻害している要因の一つが「自己責任」論です。自己責任の押しつけは、他者を排除することにつながり、無関心を助長するからです。
 自立を目指すことは必要でも、人は誰かの助けなく生きていけないことも事実です。それが「支え合い」の仕組みであり、社会保障制度なのです。

◆支え合い生きるために

 冒頭の若宮さんの意見は、学校での高齢者理解教育や、高齢者がデジタル技術を学ぶ機会の拡大、難聴対策などとして高齢社会対策大綱に盛り込まれ、9月に閣議決定されました。
 人は何らかの当事者です。誰かを助けたり、誰かに助けてもらうには周囲への無関心をなくさねばなりません。まずは、眼前の見知らぬ人の話に耳を傾けることから始めてみませんか。「透明人間」のように、隣人をいないことにしないためにも。
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