今年は小・中学校の教科書の採択の年だそうです。中学校の教科書採択があり、「つくる会」系の育鵬社(歴史・公民)・自由社(公民のみ)の教科書も採択対象となっているとのことです。
所沢での教科書の展示会が行われていることを知り、見に行きました。
会場は、所沢教育会館でした。
広い会場の部屋の周りに、教科書が並べられ、真ん中に閲覧席が用意されていました。
入室の際にはスタッフにサーモグラフで体温の測定をされました。
閲覧席には感想を書く、アンケート用紙が用意されていました。
記入の鉛筆は、使用と未使用が区別されてされていました。
沢山の教科書ですので、2時間ではとても見切れないので、拾い読みです。
とにかく、今、学校でどんな教科書が使われているのかを見てみたいと思いました。
教科書の多さに驚くと共に、こんなに勉強しなければならない生徒さんも大変だと思いました。
中学の国語では、東京書籍の「新しい国語」の「碑」と言うページと、それに続く、「本で世界を広げよう 戦争と平和」が印象に残りました。
そこには、読んでおいて欲しい本の紹介がありました。
中学校の社会科の教科書では、育鵬社の教科書よりさらに悪いのが自由社版のような気がしました。
近隣諸国が脅威だとあおり、愛国心を強調し、憲法改悪へと子どもたちを誘導するような姿勢に思えました。
その一方で、こんな教科書もありました。
奥付に「憲法26条」をあげ、子どもたちの学ぶ権利と義務教育の無償を明記していました。
「ともに学ぶ人間の歴史」 学び舎 の教科書でした。
學校の先生方の意見も取り入れながら編纂されているようです。
文部省の副読本「新しい憲法のはなし」も取り上げられていました。
こんな教科書がすべての学校で採択されるといいな と思いました。
新しい保険体育 では、感染症についてどの教科書も2ページ位しか記述がありませんでした。
コロナ前のものですからやむを得ませんが、今後はもっと詳しい勉強が必要になると思います。
小・中学校で行われている「道徳」の教科書を初めて見ました。「規則を守る」ことの大切さを教えていますが、憲法を守らない人たちが国の政治を動かしていることが、一番の問題だと思いました。また、「日本人らしさ」を求めている記述もありましたが、「日本人らしさ」を強調する意味がよくわかりません。「○○らしさ」を互いに強調したら、国や民族の争いにつながりかねません。「道徳」の教科の危うさを実感しました。
小学校の英語の教科書も初めて見ました。「道徳」も「英語」も私の頃にはなかった教科でした。
これだけの勉強をする子どもたちは本当に大変だと思いました。反面、戦後で勉強よりも、「食べて生きて行くのがやっと」だった私は、改めて立派な教科書で勉強しなおしたいと思いました。
午前中、2時間閲覧しましたが来場者は私も含めて3人だけでした。広い会場で三密とはほど遠い状態でした。
アンケートに簡単に感想を書きました。
育鵬社版も自由社版の教科書に対する弁護士の意見は、自由法曹団 が意見発表をしています。
下記にアクセスして見てください。
https://www.jlaf.jp/04iken/2020/0617_585.html