守田です。(20110813 21:30)
みなさま。僕はこの8月19日から21日まで岩手県大槌町を訪問し、京都
からの自転車配りのお手伝いをしてきますが、その前日、18日に茨城
県笠間市を訪れます。ことの発端は、京都・ママ・パパの会の集まりに
呼んでいただいたときに、茨城から避難してきているお母さんに出会い、
地元で話をしてくれないかと頼んでいただいたことです。
昨日も述べましたが、放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会の
方たちが、これを聞いて、僕を茨城に送り込むカンパ活動をしてくださ
り、交通費を集めてくださいました。これで僕は茨城県までいけるよう
になったし、さらに資金を継ぎ足して、岩手県大槌町から海岸線の町ま
で行くことができるようになったわけです。
その後、このお母さんや、他の茨城出身で京都に住んでいるお母さんも
参加して、京都から原発事故被災地に避難や放射線から身を守ることを
訴える「ほっこり通信」という素敵なペーパーが発刊されました。その
巻頭に載せられた文章が大変、素晴らしく、深く胸を打たれたので、こ
こに転載させていただくことにしました。
笠間市への訪問、とても大事なことで、重い役割だなと思っていますが、
こういうときに重い役割を担えるのは嬉しいものです。ぜひ茨城と京都
を結ぶ、架け橋となりたいと思います。いやそうやって点と点を結びつ
けながら、ネットワークを広げて面に発展し、相互の助け合いを作り出
すことが今は一番大切なことだと思います。
その意味で僕の中で、茨城への訪問と、その後の岩手県での展開、気仙
沼への再訪問は一つの糸でつながっています。みんなで直面する危機、
苦しみ、悲しみを分かち合い、未来の喜び、楽しみを一緒に紡ぎだして
いきたいものです。どうかみなさま。お力をお貸しください。行動中は
再び、連日、現場から報告を発信します。
以下、茨城県北部出身のAさんの文章をお読みください。末尾にほっこり
通信発刊に寄せてのメッセージと僕の講演会の案内もも貼り付けておき
ます。
************************
子どもの白血病を乗り越えてきたお母さんから
私の故郷は茨城県北部です.福島県はすぐお隣,言葉も近いし,
父方の祖父は郡山生まれということもあり,
私にとって福島県はとても親しみのあるところです.
その福島,そして私の生まれ育った茨城や近県が,原発の事故により
放射線という見えない敵に冒され,そこに住む人々の暮らしが
おびやかされているということに深い悲しみを覚えます.
そしてこの事故の責任者たちの無責任な対応に憤りを感じます.
事故発生から4ヶ月以上がたって,お母さんの疲れもピークでは
ないでしょうか?子どもたちを守ることに精一杯で,ご自身の疲れにも
気づかず奮闘しているのではないかと案じています.
私には6歳になる小学生の息子がいます.
2歳の時に白血病を発症し,3年間の治療を受けました.
小児がんを経験したこどもの母として,今一番気がかりなのは
そう遠くない将来,福島県とその周辺で放射線の影響による小児がんが
増えるのではないかということです
(白血病の場合,大量の放射線被曝やウィルス感染が原因のものもありますが,
多くの小児がんでははっきりとした原因は特定されていないそうです).
それでもわが子ががんにかかったと知った時,多くのお母さんは何か自分に
原因があったのではないかと思ってしまうものだと思います.
私自身もそうでした.「食べ物がいけなかった?」,「あんなことをしたから?」,
「私の行いが悪かったから天罰?」,「もっと早く気づいていたら…」と,
それまでの生活を振り返って後悔したり,自分を責めたりしてしまいます.
手術や抗ガン剤治療を受けてぐったりとベッドに横たわるわが子を見つめる時,
点滴や治療の痛みに泣き叫ぶ声を聞く時,
薬の副作用で髪の毛も,眉毛も,まつげさえもが抜け落ちたわが子に触れる時,
それでも無邪気に笑う子どもに微笑み返す時,
「いつお家に帰れるの?」と尋ねる子どもの問いに答えを探す時…
何もしてやれない自分を責め,無力さを嘆いてしまいます.
ましてこの事故では!
いろいろな事情で避難を迷った末,万が一にも将来わが子が
発病するようなことになったら….
その時の母親の悲しみと後悔はいかばかりでしょうか.
「どうしてあの時避難しなかったんだろう…」と,
悔やんでも悔やみきれないと思います.
発病を知らされた時の全身が燃えるような,それでいて凍りつくような感覚,
病室で泣き崩れるお母さんの姿,
子どもに泣き顔を見られないように廊下の隅で涙を流すお母さんの姿・・・.
かつて私も経験し,何度も目にした光景が繰り返されるのではないかと思うと
胸が張り裂けそうになります.
そんなお母さんの姿は見たくないし,
病に苦しむ子ども達の姿はもっと見たくない,そう思います.
だから避難してほしいと思います.
今、不安を抱いているお母さんに向かって,遠く離れた土地で暮らす私が
こんなことを言っていいのかどうか何度も自問自答しました.
でもやっぱり言わせてください.避難してほしい.
いろんな事情があると思います.お父さんの仕事,住み慣れた土地への愛着,
人とのつながり,そしてお金の問題….将来起こるかどうかわからない
危険のためにそれらを捨てることは本当に大変な決断だと思います.
でも子どもが元気でいてくれて初めてその他の幸せがある,そう思います.
私自身は,子どもに病を得たことで子どもの命以上に大切なものはない
ということを痛感しました.
子どもが元気でいてくれて初めてその他の幸せがある.
命があって初めてその他の悩みもあるのだと思います.
でもそんなことわかっていてもそう簡単にはいかないこと,どうにも
ならないこともあると思います.
ならばせめて子どもたちだけでも,あるいは夏休みの家族旅行にでも,
京都へいらっしゃいませんか.
京都には常時いろんな楽しい催しものがあるし、私たちも講演会や茶話会、
その他を企画しています.もし都合がつけばお母さんも,そしてお父さんも
京都にいらして,しばしこころと身体を休めていただきたいと思います.
子どもたちが元気に遊ぶ姿を見るだけでお母さんも,そしてお父さんも
パワーがわいてくると思います.
私の妹も小学生の息子,娘,0歳児を連れて茨城から避難しています.
私が避難を勧めても,当初は「こんなこと(大地震)が起こってみると,
この先何が起ころうとも家族一緒がいいと思ってしまう」と言っていました.
それでも子どもたちの健康を考えて避難を決意.
直後は自分たちだけ避難してきたという後ろめたさや,何も持たずに出て来て
居候する居心地の悪さ,十分な説明もせずに連れてきてしまった子どもたちへの
申し訳ないという思いから,自分の決断を後悔しているようにも見えました.
ところが子どもたちの学校の問題が解決し,元気に,そして楽しそうに
登校する姿を見た途端,妹にも笑顔が戻ってきました.
京都には福島や近県のみなさんの健康を案じている人がたくさんいます.
みんな何かしたいけれど何をしていいかわからない.でも直接みなさんと会って
何が必要か,何ができるかがわかれば,もっとたくさんの人が行動を
起こしてくれるきっかけにもなると思います.
私自身も,何かしたいという思いでつながりを持った人たちと
この「ほっこり通信」を作っています.
ついこの間までまったく知らなかった人たちです.
出会いが新たな一歩を踏み出すきっかけになるとそう信じています.
治療を終えて元気に小学校に通う息子と共に,みなさんと出会えることを
願っています.
****************************
ほっこり通信発刊によせて
3月11日の大震災から4ヶ月半が経ちました.多くの人が地震・津波による被害
から復興を目指している中,福島県とその近県では福島第一原発の事故による
放射能の影響で深刻な事態が続いています.
福島県では現在,計画的避難区域に指定され,家を捨てて避難を余儀なくされ
ている人々がいる一方,放射線量が高いにもかかわらず避難区域に指定されず,
避難したくてもできない,あるいは迷っている方が大勢います.福島県の県庁
所在地,福島市でもチェルノブイリ原発事故の時に強制避難区域に指定された
地域よりも高い放射線量が検出されているそうです.
子どもは大人の3~10倍も放射線の感受性が高いと言われます.小さければ小さ
いほどその影響は大きく,このまま子どもたちが放射線量の高い環境下に暮ら
し続ければ,近い将来福島とその近県では小児甲状腺がんなどのがんが激増す
ることが予想されます.
何とかして子どもたちを助けたい…でも自分ひとりで何ができるというの?個人
に出来る事なんて限られているじゃない….私たちも初めは自問自答を繰り返し
ながらも何もできずにいました.そしてただ政府と電力会社の無責任さと無策
に腹を立てる毎日でした.でも次第に,同じ日本で,半日もあれば行ける場所
で,手を差し出せば届くところに,命の危険にさらされている子どもたちが大勢
いて,それを心配するお母さんたちも大勢いるというのに何もしないなんて,
ひょっとしたら自分自身も政府や電力会社と大して変わらないのではないか?
そう思えてきました.そんな時に同じ思いのお母さんたちと出会い,小さな事
でも何もしないよりはいいんだ,できることから始めればいいんだ!と思い立ち
行動することにしました.
早速,子どもたちへの放射能の影響を心配する福島や茨城のお母さんたちと連絡
を取り,私たちにでもできることはないかを尋ねました.お母さんたちからの
要望は「避難先の情報が欲しい,現地のくらしの情報が欲しい,そして現地の方
からの待っているという言葉が欲しい.みんな避難先で孤立することを一番恐れ
ている.そして情報は紙媒体がいい.インターネットでは使える人が限られて
くるし,紙ならどこにでも持ち運べて情報交換がしやすい」というものでした.
そこでこうした情報をまとめたフリーペーパー「ほっこり通信from Kyoto」を
発行することになりました.
子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの方が「自分たちを受け入れて
くれるという励ましのメッセージは避難への一歩を踏み出す勇気をくれる」と
おっしゃっていたのが印象的でした.私たちも小さくても支援の一歩を踏み出
したいと思います.そしてこれを読んでくださった方が私たちと一緒に一歩を
踏み出してくれることを願っています.
今回は夏休みに間に合うように緊急発行したため反省点も多いのですが,お読
みいただいたご感想をお寄せいただければ嬉しく思います.福島や茨城のお母
さんたちへのメッセージも随時募集しています.
どうぞよろしくお願いします.
ほっこり通信編集部
ご協力のお願い
私たちは放射能から子どもたちを守るママ・パパの会 京都という交流会で出会っ
たばかりの京都の母親のグループです.何とかして福島・茨城の子どもたちを守
りたいと思っていますができることは限られています.
みなさんのお力を貸していただければ大変心強く,うれしく思います.
現在,講演会,助産師による授乳相談,乳房ケア,カメラマンによる写真撮影
サービス,リンパマッサージ等を計画中です.
・ほっこり通信の編集・発行に協力できる
・住居を提供できる
・何かを教えられる (子ども向け,大人向けどちらも歓迎します)
・一緒に何かできる
・サービスを提供できる
・ 専門知識がある
どんなことでもかまいません.ご協力いただける方はご連絡ください.
メッセージ大募集
また福島や茨城のお母さんたちへのメッセージを募集しています.
メッセージをお寄せいただける方は下記のアドレスまで送ってください.
カンパのお願い
ほっこり通信の発行にかかる経費,福島とその近県から来てくれた方へのイベント
運営費などが必要ですが,私たちのポケットマネー以外の資金がありません.
ご協力いただければ大変ありがたく思います.
当面の間,すべてのご連絡は以下のアドレスまでお願いいたします.
a.plus.mina2@gmail.com
*********************************
『放射能って何!?どうしたらいいの!?』 一緒に学ぼう
~守田 敏也さん講演会~
シーベルト、ベクレル…ヨウ素、セシウム、ストロンチウム……3.11福島
原発事故後、初めて聞く言葉が飛び交っています。
子どもへの影響が大きいといわれる放射能。今注目されている内部被曝…。
どんな影響?食べ物は?防護策はあるの!? かけがえのない子どもたちを
守るため、一緒に学び、正しくこわがりましょう。
日時:8月18日(木曜日)
場所:友部公民館2F和室
14時~16時
13:30~ 開場
14時~15時 講演
15時~16時 質疑応答
入場:無料
*予約不要
*お子様連れOK
問い合わせ:www.nacchin@docomo.ne.jp
主催: 明日の子供を守る会笠間
http://asu-kasa.jugem.jp/?pid=1
放射能から子どもを守る 京都・ママ・パパの会
http://kodomo-kyoto.sakura.ne.jp/
(京都のママたちからカンパをいただき、今回の茨城での講演会が実現
しました!つながろう!日本!!)
守田敏也(もりたとしや)さん プロフィール
1959年生まれ。京都市在住。同志社大学社会的共通資本研センター客員
フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、
社会的共通資本に関する研究を進めている 。原子力政策についても独自の
研究を続けている。震災後のデーター収集と鋭い分析力により、震災後、
講演会などに駆け回り、多忙な毎日を送られています。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
岩波書店『世界』9月号(発売中)に、守田さんが、6000人の被爆者を診察
してこられ、内部被曝に詳しい臨床医師:肥田舜太郎先生をインタビューした
記事が載っています。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/09/142.htmlぜひご覧ください。
守田さんのお話は新しい情報が満載です。わかりやすくお話してくださり、
疑問・質問に何でも答えて下さいます。
この機会にわからないこと、知りたいことをぜひ!聞いてみましょう!!
みなさま。僕はこの8月19日から21日まで岩手県大槌町を訪問し、京都
からの自転車配りのお手伝いをしてきますが、その前日、18日に茨城
県笠間市を訪れます。ことの発端は、京都・ママ・パパの会の集まりに
呼んでいただいたときに、茨城から避難してきているお母さんに出会い、
地元で話をしてくれないかと頼んでいただいたことです。
昨日も述べましたが、放射能から子どもを守る京都・ママ・パパの会の
方たちが、これを聞いて、僕を茨城に送り込むカンパ活動をしてくださ
り、交通費を集めてくださいました。これで僕は茨城県までいけるよう
になったし、さらに資金を継ぎ足して、岩手県大槌町から海岸線の町ま
で行くことができるようになったわけです。
その後、このお母さんや、他の茨城出身で京都に住んでいるお母さんも
参加して、京都から原発事故被災地に避難や放射線から身を守ることを
訴える「ほっこり通信」という素敵なペーパーが発刊されました。その
巻頭に載せられた文章が大変、素晴らしく、深く胸を打たれたので、こ
こに転載させていただくことにしました。
笠間市への訪問、とても大事なことで、重い役割だなと思っていますが、
こういうときに重い役割を担えるのは嬉しいものです。ぜひ茨城と京都
を結ぶ、架け橋となりたいと思います。いやそうやって点と点を結びつ
けながら、ネットワークを広げて面に発展し、相互の助け合いを作り出
すことが今は一番大切なことだと思います。
その意味で僕の中で、茨城への訪問と、その後の岩手県での展開、気仙
沼への再訪問は一つの糸でつながっています。みんなで直面する危機、
苦しみ、悲しみを分かち合い、未来の喜び、楽しみを一緒に紡ぎだして
いきたいものです。どうかみなさま。お力をお貸しください。行動中は
再び、連日、現場から報告を発信します。
以下、茨城県北部出身のAさんの文章をお読みください。末尾にほっこり
通信発刊に寄せてのメッセージと僕の講演会の案内もも貼り付けておき
ます。
************************
子どもの白血病を乗り越えてきたお母さんから
私の故郷は茨城県北部です.福島県はすぐお隣,言葉も近いし,
父方の祖父は郡山生まれということもあり,
私にとって福島県はとても親しみのあるところです.
その福島,そして私の生まれ育った茨城や近県が,原発の事故により
放射線という見えない敵に冒され,そこに住む人々の暮らしが
おびやかされているということに深い悲しみを覚えます.
そしてこの事故の責任者たちの無責任な対応に憤りを感じます.
事故発生から4ヶ月以上がたって,お母さんの疲れもピークでは
ないでしょうか?子どもたちを守ることに精一杯で,ご自身の疲れにも
気づかず奮闘しているのではないかと案じています.
私には6歳になる小学生の息子がいます.
2歳の時に白血病を発症し,3年間の治療を受けました.
小児がんを経験したこどもの母として,今一番気がかりなのは
そう遠くない将来,福島県とその周辺で放射線の影響による小児がんが
増えるのではないかということです
(白血病の場合,大量の放射線被曝やウィルス感染が原因のものもありますが,
多くの小児がんでははっきりとした原因は特定されていないそうです).
それでもわが子ががんにかかったと知った時,多くのお母さんは何か自分に
原因があったのではないかと思ってしまうものだと思います.
私自身もそうでした.「食べ物がいけなかった?」,「あんなことをしたから?」,
「私の行いが悪かったから天罰?」,「もっと早く気づいていたら…」と,
それまでの生活を振り返って後悔したり,自分を責めたりしてしまいます.
手術や抗ガン剤治療を受けてぐったりとベッドに横たわるわが子を見つめる時,
点滴や治療の痛みに泣き叫ぶ声を聞く時,
薬の副作用で髪の毛も,眉毛も,まつげさえもが抜け落ちたわが子に触れる時,
それでも無邪気に笑う子どもに微笑み返す時,
「いつお家に帰れるの?」と尋ねる子どもの問いに答えを探す時…
何もしてやれない自分を責め,無力さを嘆いてしまいます.
ましてこの事故では!
いろいろな事情で避難を迷った末,万が一にも将来わが子が
発病するようなことになったら….
その時の母親の悲しみと後悔はいかばかりでしょうか.
「どうしてあの時避難しなかったんだろう…」と,
悔やんでも悔やみきれないと思います.
発病を知らされた時の全身が燃えるような,それでいて凍りつくような感覚,
病室で泣き崩れるお母さんの姿,
子どもに泣き顔を見られないように廊下の隅で涙を流すお母さんの姿・・・.
かつて私も経験し,何度も目にした光景が繰り返されるのではないかと思うと
胸が張り裂けそうになります.
そんなお母さんの姿は見たくないし,
病に苦しむ子ども達の姿はもっと見たくない,そう思います.
だから避難してほしいと思います.
今、不安を抱いているお母さんに向かって,遠く離れた土地で暮らす私が
こんなことを言っていいのかどうか何度も自問自答しました.
でもやっぱり言わせてください.避難してほしい.
いろんな事情があると思います.お父さんの仕事,住み慣れた土地への愛着,
人とのつながり,そしてお金の問題….将来起こるかどうかわからない
危険のためにそれらを捨てることは本当に大変な決断だと思います.
でも子どもが元気でいてくれて初めてその他の幸せがある,そう思います.
私自身は,子どもに病を得たことで子どもの命以上に大切なものはない
ということを痛感しました.
子どもが元気でいてくれて初めてその他の幸せがある.
命があって初めてその他の悩みもあるのだと思います.
でもそんなことわかっていてもそう簡単にはいかないこと,どうにも
ならないこともあると思います.
ならばせめて子どもたちだけでも,あるいは夏休みの家族旅行にでも,
京都へいらっしゃいませんか.
京都には常時いろんな楽しい催しものがあるし、私たちも講演会や茶話会、
その他を企画しています.もし都合がつけばお母さんも,そしてお父さんも
京都にいらして,しばしこころと身体を休めていただきたいと思います.
子どもたちが元気に遊ぶ姿を見るだけでお母さんも,そしてお父さんも
パワーがわいてくると思います.
私の妹も小学生の息子,娘,0歳児を連れて茨城から避難しています.
私が避難を勧めても,当初は「こんなこと(大地震)が起こってみると,
この先何が起ころうとも家族一緒がいいと思ってしまう」と言っていました.
それでも子どもたちの健康を考えて避難を決意.
直後は自分たちだけ避難してきたという後ろめたさや,何も持たずに出て来て
居候する居心地の悪さ,十分な説明もせずに連れてきてしまった子どもたちへの
申し訳ないという思いから,自分の決断を後悔しているようにも見えました.
ところが子どもたちの学校の問題が解決し,元気に,そして楽しそうに
登校する姿を見た途端,妹にも笑顔が戻ってきました.
京都には福島や近県のみなさんの健康を案じている人がたくさんいます.
みんな何かしたいけれど何をしていいかわからない.でも直接みなさんと会って
何が必要か,何ができるかがわかれば,もっとたくさんの人が行動を
起こしてくれるきっかけにもなると思います.
私自身も,何かしたいという思いでつながりを持った人たちと
この「ほっこり通信」を作っています.
ついこの間までまったく知らなかった人たちです.
出会いが新たな一歩を踏み出すきっかけになるとそう信じています.
治療を終えて元気に小学校に通う息子と共に,みなさんと出会えることを
願っています.
****************************
ほっこり通信発刊によせて
3月11日の大震災から4ヶ月半が経ちました.多くの人が地震・津波による被害
から復興を目指している中,福島県とその近県では福島第一原発の事故による
放射能の影響で深刻な事態が続いています.
福島県では現在,計画的避難区域に指定され,家を捨てて避難を余儀なくされ
ている人々がいる一方,放射線量が高いにもかかわらず避難区域に指定されず,
避難したくてもできない,あるいは迷っている方が大勢います.福島県の県庁
所在地,福島市でもチェルノブイリ原発事故の時に強制避難区域に指定された
地域よりも高い放射線量が検出されているそうです.
子どもは大人の3~10倍も放射線の感受性が高いと言われます.小さければ小さ
いほどその影響は大きく,このまま子どもたちが放射線量の高い環境下に暮ら
し続ければ,近い将来福島とその近県では小児甲状腺がんなどのがんが激増す
ることが予想されます.
何とかして子どもたちを助けたい…でも自分ひとりで何ができるというの?個人
に出来る事なんて限られているじゃない….私たちも初めは自問自答を繰り返し
ながらも何もできずにいました.そしてただ政府と電力会社の無責任さと無策
に腹を立てる毎日でした.でも次第に,同じ日本で,半日もあれば行ける場所
で,手を差し出せば届くところに,命の危険にさらされている子どもたちが大勢
いて,それを心配するお母さんたちも大勢いるというのに何もしないなんて,
ひょっとしたら自分自身も政府や電力会社と大して変わらないのではないか?
そう思えてきました.そんな時に同じ思いのお母さんたちと出会い,小さな事
でも何もしないよりはいいんだ,できることから始めればいいんだ!と思い立ち
行動することにしました.
早速,子どもたちへの放射能の影響を心配する福島や茨城のお母さんたちと連絡
を取り,私たちにでもできることはないかを尋ねました.お母さんたちからの
要望は「避難先の情報が欲しい,現地のくらしの情報が欲しい,そして現地の方
からの待っているという言葉が欲しい.みんな避難先で孤立することを一番恐れ
ている.そして情報は紙媒体がいい.インターネットでは使える人が限られて
くるし,紙ならどこにでも持ち運べて情報交換がしやすい」というものでした.
そこでこうした情報をまとめたフリーペーパー「ほっこり通信from Kyoto」を
発行することになりました.
子どもたちを放射能から守る福島ネットワークの方が「自分たちを受け入れて
くれるという励ましのメッセージは避難への一歩を踏み出す勇気をくれる」と
おっしゃっていたのが印象的でした.私たちも小さくても支援の一歩を踏み出
したいと思います.そしてこれを読んでくださった方が私たちと一緒に一歩を
踏み出してくれることを願っています.
今回は夏休みに間に合うように緊急発行したため反省点も多いのですが,お読
みいただいたご感想をお寄せいただければ嬉しく思います.福島や茨城のお母
さんたちへのメッセージも随時募集しています.
どうぞよろしくお願いします.
ほっこり通信編集部
ご協力のお願い
私たちは放射能から子どもたちを守るママ・パパの会 京都という交流会で出会っ
たばかりの京都の母親のグループです.何とかして福島・茨城の子どもたちを守
りたいと思っていますができることは限られています.
みなさんのお力を貸していただければ大変心強く,うれしく思います.
現在,講演会,助産師による授乳相談,乳房ケア,カメラマンによる写真撮影
サービス,リンパマッサージ等を計画中です.
・ほっこり通信の編集・発行に協力できる
・住居を提供できる
・何かを教えられる (子ども向け,大人向けどちらも歓迎します)
・一緒に何かできる
・サービスを提供できる
・ 専門知識がある
どんなことでもかまいません.ご協力いただける方はご連絡ください.
メッセージ大募集
また福島や茨城のお母さんたちへのメッセージを募集しています.
メッセージをお寄せいただける方は下記のアドレスまで送ってください.
カンパのお願い
ほっこり通信の発行にかかる経費,福島とその近県から来てくれた方へのイベント
運営費などが必要ですが,私たちのポケットマネー以外の資金がありません.
ご協力いただければ大変ありがたく思います.
当面の間,すべてのご連絡は以下のアドレスまでお願いいたします.
a.plus.mina2@gmail.com
*********************************
『放射能って何!?どうしたらいいの!?』 一緒に学ぼう
~守田 敏也さん講演会~
シーベルト、ベクレル…ヨウ素、セシウム、ストロンチウム……3.11福島
原発事故後、初めて聞く言葉が飛び交っています。
子どもへの影響が大きいといわれる放射能。今注目されている内部被曝…。
どんな影響?食べ物は?防護策はあるの!? かけがえのない子どもたちを
守るため、一緒に学び、正しくこわがりましょう。
日時:8月18日(木曜日)
場所:友部公民館2F和室
14時~16時
13:30~ 開場
14時~15時 講演
15時~16時 質疑応答
入場:無料
*予約不要
*お子様連れOK
問い合わせ:www.nacchin@docomo.ne.jp
主催: 明日の子供を守る会笠間
http://asu-kasa.jugem.jp/?pid=1
放射能から子どもを守る 京都・ママ・パパの会
http://kodomo-kyoto.sakura.ne.jp/
(京都のママたちからカンパをいただき、今回の茨城での講演会が実現
しました!つながろう!日本!!)
守田敏也(もりたとしや)さん プロフィール
1959年生まれ。京都市在住。同志社大学社会的共通資本研センター客員
フェローなどを経て、現在フリーライターとして取材活動を続けながら、
社会的共通資本に関する研究を進めている 。原子力政策についても独自の
研究を続けている。震災後のデーター収集と鋭い分析力により、震災後、
講演会などに駆け回り、多忙な毎日を送られています。
http://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011
岩波書店『世界』9月号(発売中)に、守田さんが、6000人の被爆者を診察
してこられ、内部被曝に詳しい臨床医師:肥田舜太郎先生をインタビューした
記事が載っています。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/09/142.htmlぜひご覧ください。
守田さんのお話は新しい情報が満載です。わかりやすくお話してくださり、
疑問・質問に何でも答えて下さいます。
この機会にわからないこと、知りたいことをぜひ!聞いてみましょう!!