守田です。(20110801 15:30)
7月18日に大阪で、「清水ただしの派遣村テレビ」公開収録があり参
加してきました。番組3週間分のシンポジウムが行われたのですが、
そこに弁護士の大前治さんとともに、パネリストとしてお話しさせて
いただきました。
その第二回分がオンエアになっています。ぜひ下記をご覧下さい。
脱原発団扇も紹介しました。(20分ごろからです)
http://hakenmura.tv/
今回は原発問題が中心でした。二つの話題のもとに以下のような
話をしました。
「子どもたちを守れ」
○なぜ子どもが危ないのか・・・活発に細胞分裂しているときが一番、
危ないため。また放射線は女性の方が感受性が高い。個人差も激しい。
ごく少量から身体に影響を受ける人もいる。
○食料汚染の問題。牛肉のセシウム汚染が問題になっているがそもそ
も日本の基準値は他国と比較してとても甘い。ヨーロッパなみにすれ
ばもっとたくさんの食品が基準値以上になる。基準をもっと厳しくす
ることを求めることが必要であるとともに、すでにたくさんの汚染さ
たものが出回っていることに腹をくくる必要がある。
○どういうものが危険なのかといえば、どこからどこに動いているの
か流通ルートが分からないもの。加工食品や外食では食材の安全性の
確かめようがない。
○では何を食べればいいのか。そのとき考えるべきことは、私たちの
周りには放射能以外にもたくさんの危険な化学物質があるということ。
それらをできるだけ取り入れないようにしていくことが大事。
○例えば玉子は鶏舎に鳥を押し込めて、いわば虐待してたくさん産ま
せている現実がある。鳥が大変なストレスを受けることに対して、
トランキライザーなどを使って鳥をおちつけている。こうした化学物
質はとても危険。有機農家は、そんなことをしないで鳥を平らなところ
で走り回らせて飼っている。その玉子の方が安全でおいしい。
○そのため、どこからきて、どこにいくのか分からない食べ物は危ない。
放射能汚染地帯は別だけれども、地産地消で、顔の見える関係の中で
信頼のできる生産者から食材を手に入れていくことが一番安全。
○そもそも放射線の危険性に対する考え方でも日本の考え方や基準はと
ても緩い。ICRP(国際放射線防護委員会)は、放射線には安全な値はな
いと言っている。低い時から高い時に正比例して上がって行くという
考えに立っている。ただし低い時の害はとても小さいとも言っている。
○これに対してECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)は違う考え方
を採っている。放射線はむしろ低線量の時の方が人体に強い影響を与
える。グラフで言えば上方に凸型の曲線が描かれる(対数曲線)。あ
る程度の線量になると影響は横ばいになっていく。低線量被曝の危険
性を重視した考え方に立っている。
○日本政府は(見解が揺れているが)しきい値、これ以下は安全な領
域があるかのような言説を繰り返している。多くの学者が100ミリ
シーベルト以内では害は生じないとか、それ以下の害は立証されてい
ないとか述べている。ECRRと比べて、放射線の危険性を非常に低く見
つもっている。このように食品の安全基準も、放射線の危険性への認
識も非常に緩いのが日本の現実だ。
「原発ゼロへ」
○原発は事故が起こったら取り返しがつかないだけではなく、通常の
状態でも放射能を出している。それを一番受けているのが原発労働者。
点検の時など中に入っていって、雑巾で拭いたりしている。誰かの
被曝を前提にしたのが原子力発電だ。
○アメリカでこのことの研究が行われた。1950年から1989年まで、
アメリカで乳がんの死亡率が2倍になった。その原因を調べてみると、
とくに激しくあがっている地域や他の要因が考えられない地域はみ
な、原発から100マイル(160キロ)に入っていた。311以降、アメリカ
は福島原発から半径80キロ以内への立ち入り禁止をアメリカ人に通告
したが、これは100マイルの半分の50マイルにあたる。
○節電についてどう考えるか。エアコンは使ってはいけないか。そん
なことはない。家庭や個人の電力消費がそれほど多いわけではない。
もちろん無駄な使い方は論外だ。むしろ原発のために電気をどんどん
無駄に使うシステムが作られている。それをカットしていけばいい。
○例えば自動販売機は、真夏の炎天下に鉄の箱を置いてその中で
ジュースを冷やしている。冬の寒いさなかに、一晩じゅう、誰も飲ま
ないコーヒーを温めている。こうしたことをカットしていけば、充分
に電力を減らせるし、むしろ暮らしの質を良くすることができる。
○例えばコンビニのセブンイレブンは、セブンイレブンに戻って欲し
いと思う。朝7時から夜11時までの営業にする。光は生物にとって大事
なので、生物は光を見ると集まっていく習性がある。夜中にコンビニ
に光がこうこうとついていると、つい吸い寄せられてしまうことがある
と思うが、あれはそれを考えたルックスになっている。
○その前で最近は一晩中、蝉が鳴いている。草木も眠る丑三つどきに、
蝉が鳴き続けている。これは生態系への大きな打撃だ。こうしたことを
やめて、町が暗くなった方が、私たちはぐっすり眠ることができる。
だから無駄な電気を使わなくすることで、私たちは暮らしをよくする
ことができる。電気を減らすと暮らしが悪くなるというのは電力会社の
おどし文句。真実ではない。
○例えば節電のために団扇を使うのもいいが、それは私たちの伝統文化
の見直しになったりする。こうしたことを京都から呼びかけて、今年の
お祭りで、脱原発団扇をあちこちで撒いて、パタパタと放射能と原発を
追い払うという動きがある。祇園祭りで撒いて、天神祭でも撒き、仙台
の祭りでも撒くそうだ。これはとてもセンスがいいと思う。
○日本の伝統的な団扇をうまいこと使ってアピールしている。団扇を
使う生活も楽しいことが思い出される。そうやって考えると、電気を
減らして、生活のクオリティをあげる可能性もいろいろ見えて来る。
そうした発想で自然エネルギーを考えていけば、未来は明るいと思う。
○自然エネルギーについて大事なのは、どのような種類かよりもどの
ように管理するかだ。例えば小水力、水車などはとてもいい。小さな
コミュニティー単位で管理ができるからだ。それに対して今は、
電力が完全に独占体制にある。
○エネルギーとコミュニティの関係の矛盾の象徴が福島原発だ。あの
原発は東京電力管内にはない。だから原発そのものは東北電力の電気
で動いている。福島で発電した電気は福島では使われず、東京に送ら
れて使われている。新潟の柏崎刈場原発も同じ構造にある。
○このようなあり方を変えていくためには、どのような自然エネルギ
ーを使うかだけではなく、どのように使うかが大事。そのためには消
費者がどのように発電された電力を買うのか選べるようにすることも
大切だ。ヨーロッパではこうした仕組みが実現している。
○電力の販売の仕方なども含めて、変えていったときに、コミュニ
ティーを豊かにしていくエネルギーのあり方も可能になってくる。
以上。
なお一回目の話題は、「新たな貧困」と「まだまだ続く派遣切り」
でした。この放送は以下から見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=M59Ltsmsi5E&feature=player_embedded
また過去に出演した回も貼り付けておきます。
○4月30日 福島原発事故について
http://www.youtube.com/watch?v=s5jKoYRBQ08&feature=related
○6月11日 事故対策、チェルノブイリ事故との比較、
正常性バイアスなど
http://www.youtube.com/watch?v=xf1hyRqd_qc&feature=related
○6月25日 核兵器開発の副産物としての原子力発電と、
放射線から身を守る方法
http://www.youtube.com/watch?v=GNEhFjWWOp8&feature=related
7月18日に大阪で、「清水ただしの派遣村テレビ」公開収録があり参
加してきました。番組3週間分のシンポジウムが行われたのですが、
そこに弁護士の大前治さんとともに、パネリストとしてお話しさせて
いただきました。
その第二回分がオンエアになっています。ぜひ下記をご覧下さい。
脱原発団扇も紹介しました。(20分ごろからです)
http://hakenmura.tv/
今回は原発問題が中心でした。二つの話題のもとに以下のような
話をしました。
「子どもたちを守れ」
○なぜ子どもが危ないのか・・・活発に細胞分裂しているときが一番、
危ないため。また放射線は女性の方が感受性が高い。個人差も激しい。
ごく少量から身体に影響を受ける人もいる。
○食料汚染の問題。牛肉のセシウム汚染が問題になっているがそもそ
も日本の基準値は他国と比較してとても甘い。ヨーロッパなみにすれ
ばもっとたくさんの食品が基準値以上になる。基準をもっと厳しくす
ることを求めることが必要であるとともに、すでにたくさんの汚染さ
たものが出回っていることに腹をくくる必要がある。
○どういうものが危険なのかといえば、どこからどこに動いているの
か流通ルートが分からないもの。加工食品や外食では食材の安全性の
確かめようがない。
○では何を食べればいいのか。そのとき考えるべきことは、私たちの
周りには放射能以外にもたくさんの危険な化学物質があるということ。
それらをできるだけ取り入れないようにしていくことが大事。
○例えば玉子は鶏舎に鳥を押し込めて、いわば虐待してたくさん産ま
せている現実がある。鳥が大変なストレスを受けることに対して、
トランキライザーなどを使って鳥をおちつけている。こうした化学物
質はとても危険。有機農家は、そんなことをしないで鳥を平らなところ
で走り回らせて飼っている。その玉子の方が安全でおいしい。
○そのため、どこからきて、どこにいくのか分からない食べ物は危ない。
放射能汚染地帯は別だけれども、地産地消で、顔の見える関係の中で
信頼のできる生産者から食材を手に入れていくことが一番安全。
○そもそも放射線の危険性に対する考え方でも日本の考え方や基準はと
ても緩い。ICRP(国際放射線防護委員会)は、放射線には安全な値はな
いと言っている。低い時から高い時に正比例して上がって行くという
考えに立っている。ただし低い時の害はとても小さいとも言っている。
○これに対してECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)は違う考え方
を採っている。放射線はむしろ低線量の時の方が人体に強い影響を与
える。グラフで言えば上方に凸型の曲線が描かれる(対数曲線)。あ
る程度の線量になると影響は横ばいになっていく。低線量被曝の危険
性を重視した考え方に立っている。
○日本政府は(見解が揺れているが)しきい値、これ以下は安全な領
域があるかのような言説を繰り返している。多くの学者が100ミリ
シーベルト以内では害は生じないとか、それ以下の害は立証されてい
ないとか述べている。ECRRと比べて、放射線の危険性を非常に低く見
つもっている。このように食品の安全基準も、放射線の危険性への認
識も非常に緩いのが日本の現実だ。
「原発ゼロへ」
○原発は事故が起こったら取り返しがつかないだけではなく、通常の
状態でも放射能を出している。それを一番受けているのが原発労働者。
点検の時など中に入っていって、雑巾で拭いたりしている。誰かの
被曝を前提にしたのが原子力発電だ。
○アメリカでこのことの研究が行われた。1950年から1989年まで、
アメリカで乳がんの死亡率が2倍になった。その原因を調べてみると、
とくに激しくあがっている地域や他の要因が考えられない地域はみ
な、原発から100マイル(160キロ)に入っていた。311以降、アメリカ
は福島原発から半径80キロ以内への立ち入り禁止をアメリカ人に通告
したが、これは100マイルの半分の50マイルにあたる。
○節電についてどう考えるか。エアコンは使ってはいけないか。そん
なことはない。家庭や個人の電力消費がそれほど多いわけではない。
もちろん無駄な使い方は論外だ。むしろ原発のために電気をどんどん
無駄に使うシステムが作られている。それをカットしていけばいい。
○例えば自動販売機は、真夏の炎天下に鉄の箱を置いてその中で
ジュースを冷やしている。冬の寒いさなかに、一晩じゅう、誰も飲ま
ないコーヒーを温めている。こうしたことをカットしていけば、充分
に電力を減らせるし、むしろ暮らしの質を良くすることができる。
○例えばコンビニのセブンイレブンは、セブンイレブンに戻って欲し
いと思う。朝7時から夜11時までの営業にする。光は生物にとって大事
なので、生物は光を見ると集まっていく習性がある。夜中にコンビニ
に光がこうこうとついていると、つい吸い寄せられてしまうことがある
と思うが、あれはそれを考えたルックスになっている。
○その前で最近は一晩中、蝉が鳴いている。草木も眠る丑三つどきに、
蝉が鳴き続けている。これは生態系への大きな打撃だ。こうしたことを
やめて、町が暗くなった方が、私たちはぐっすり眠ることができる。
だから無駄な電気を使わなくすることで、私たちは暮らしをよくする
ことができる。電気を減らすと暮らしが悪くなるというのは電力会社の
おどし文句。真実ではない。
○例えば節電のために団扇を使うのもいいが、それは私たちの伝統文化
の見直しになったりする。こうしたことを京都から呼びかけて、今年の
お祭りで、脱原発団扇をあちこちで撒いて、パタパタと放射能と原発を
追い払うという動きがある。祇園祭りで撒いて、天神祭でも撒き、仙台
の祭りでも撒くそうだ。これはとてもセンスがいいと思う。
○日本の伝統的な団扇をうまいこと使ってアピールしている。団扇を
使う生活も楽しいことが思い出される。そうやって考えると、電気を
減らして、生活のクオリティをあげる可能性もいろいろ見えて来る。
そうした発想で自然エネルギーを考えていけば、未来は明るいと思う。
○自然エネルギーについて大事なのは、どのような種類かよりもどの
ように管理するかだ。例えば小水力、水車などはとてもいい。小さな
コミュニティー単位で管理ができるからだ。それに対して今は、
電力が完全に独占体制にある。
○エネルギーとコミュニティの関係の矛盾の象徴が福島原発だ。あの
原発は東京電力管内にはない。だから原発そのものは東北電力の電気
で動いている。福島で発電した電気は福島では使われず、東京に送ら
れて使われている。新潟の柏崎刈場原発も同じ構造にある。
○このようなあり方を変えていくためには、どのような自然エネルギ
ーを使うかだけではなく、どのように使うかが大事。そのためには消
費者がどのように発電された電力を買うのか選べるようにすることも
大切だ。ヨーロッパではこうした仕組みが実現している。
○電力の販売の仕方なども含めて、変えていったときに、コミュニ
ティーを豊かにしていくエネルギーのあり方も可能になってくる。
以上。
なお一回目の話題は、「新たな貧困」と「まだまだ続く派遣切り」
でした。この放送は以下から見れます。
http://www.youtube.com/watch?v=M59Ltsmsi5E&feature=player_embedded
また過去に出演した回も貼り付けておきます。
○4月30日 福島原発事故について
http://www.youtube.com/watch?v=s5jKoYRBQ08&feature=related
○6月11日 事故対策、チェルノブイリ事故との比較、
正常性バイアスなど
http://www.youtube.com/watch?v=xf1hyRqd_qc&feature=related
○6月25日 核兵器開発の副産物としての原子力発電と、
放射線から身を守る方法
http://www.youtube.com/watch?v=GNEhFjWWOp8&feature=related