明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(240)大槌でのたくさんの出会いに感謝し、陸前高田・気仙沼に

2011年08月22日 07時00分00秒 | 明日に向けて8月1~31日
守田です。(20110822 6:30)

20日に続いて、昨日も仮設住宅に自転車を届けてきました。この日の台数
は40台ですが、すでに京都からきた大型トラックは帰っているため、私たち
が借りてきた2トンロングで3回にわたってストック地から運び込み。少し小
雨模様でしたが、1回めに自転車を運び込むやゾロゾロト人が集まってきま
す。「抽選が楽しみだ」と年配の女性たちが笑っています。

その人の合間を縫うようにしてトラックを出し、再び自転車を運び込み、さ
らにトラックを出して、また運び込み、時刻は10時半を回りました。
再びチーターさんが司会をし、森さんが挨拶をして抽選会の開始。抽選と名
前の呼びあげを、パレスチナ子どものキャンペーンの方たちが担当してくれ
ました。

この日も自転車台数が応募に足りていたため、空くじようにと用意した、聖
護院の八ツ橋も一緒にプレゼント。再び名前が呼びあげられるたびに、嬉し
そうに腕を上げて当選者が出てきて、自転車を選び始めます。拍手や笑い声
が会場を包み、何人かで一緒に自転車選びを始める方も。中には何度も試乗
して自転車を比べる人も出てきました。

それぞれの方が印象的な笑いをみせてくれましたが、この日、忘れられな
かったのは、青くてかわいい子ども用の自転車に目を付けた小学校低学年の
女の子。自分の欲しい自転車にのって、じっとくじを待っています。そばに
お父さんがついて、「お祈りすればきっと当たるよ」と笑ってささやいてい
る。その横に幼稚園児の妹ちゃんが立って、お姉ちゃんの当選を願っている。

しかしなかなか彼女の名前がでてきません。「ああ、とられちゃうよう」と
悲しそうにお父さんにつぶやくと「大丈夫さ。祈っていたらいいよ」とお父
さん。だんだんこっちが祈りたくなってきます。小学生の女の子と、その妹
ちゃんと、お父さん、そして僕らが祈りながら、ハラハラどきどきしてその
自転車をみつめている。

暫くして、やっと彼女の名前が読み上げられました。もう泣きそうになって
いた顔に瞬時に笑いがはじける。お父さんと一緒に自転車にかけよる女の子、
さっそく自転車にまたがってみます。ちょっと高いのでサドルを下げてあげ
ます。もう女の子の顔は嬉しさでくしゃくしゃ。お父さんが優しく頭をなで
あげています。

・・・ところが、妹ちゃんの顔をみると、くしゃっと泣き顔になっている。
さっきまであんなに一生懸命に当選を願っていたのに、お母さんがそばに
よると、エーンと泣きだした。お姉ちゃんが当たったら、そこで初めて自分
の自転車がないことに気がついたのです!「しょうがないでしょ。あんたが
乗れる大きさのはないんだよ」と抱き上げながらお母さん。

そのときチーターさんがマイクで一声。「そこのお嬢ちゃんの涙に負けました。
一番小さな自転車をもう一つ差し上げます」。これは大ヒットだった。幸い
お姉ちゃんのものよりも一回り小さな自転車があったのです。それを持って
いくと、妹ちゃん、涙をいっぱいためた顔で自転車にまたがる。・・・足が
届きません。「でもすぐに乗れるようになるよね」とプレゼントすることに。

お父さん、お母さんが、「いいんですか。どうもすみません」と深々とお礼を
して下さいました。そのお母さんが妹ちゃんをおろして、お父さんがだっこ
していた赤ちゃんを抱きました。「いつお生まれですか?」と聞くと、にこっ
と「3月22日です」と教えて下さいました。あの大震災から10日たって生まれ
た命です。「僕も大きくなったら自転車に乗ってね」と手を振りました。

その後、ご要望に応じて自転車のメンテナンス。まるで自転車屋さんのように
詳しくなってしまった大槻さんが絶大な力を発揮します。タイヤがうすいと
いう要望にこたえて、すぐさま後輪を解体。タイヤをはずして交換をはじめる。
小雨降る中で作業が続いていきます。森さんも他の自転車と格闘。使えない
のは僕ばかり・・・。

パレスチナ子どものキャンペーンの方たちも、実によく動いてくれて全過程を
手伝ってくださいました。やがて仮設住宅を後にして、パレスチナ子どもの
キャンペーンの倉庫に戻りましたが、そこでの運び込みなども手際よく手伝っ
てくれます。また協議して今日は自転車の台数を少し押さえて、今後、この方
たちに近くの仮設住宅に配ってもらうことに。

いっぺんにたくさんの台数を持ち込むほどのニーズはないものの、それぞれの
仮設で数台の需要があるし、そういう人ほど、本当に必要だ。残していって
もらえると助かるとのことでした。僕らもそうやって配ってくれるならとても
ありがたい。結局、18台ぐらいを倉庫に残し、大槌を後にすることにしました。
最後に津波から奇跡的に残った小鎚神社にお参りして釜石に向かいました。

この日も他にもたくさんの感動的な出会いがあったのですが、すべてを書きき
れません。続きは今日の夜にして、そろそろ出発の準備にかかりたいと思いま
す。今日はこれから釜石港を見つつ、海岸線を南下。三陸町、大船渡市を経て、
陸前高田に行きます。持って行く自転車は18台。そこでアビスさんと合流し、
気仙沼へ。森さんの家にショートステイした女の子にも自転車を届けます。

今日が京都OHANAプロジェクトとしては最後の旅です。再びいい一日を過ごした
いものです・・・。

以下、森さんの通信を貼り付けますが、今日はトピックがかぶってしまい
ました!!

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OHANA通信Vol12 8月21日(日) 大槌町での活動二日目

こんばんは。京都OHANAプロジェクト森拓哉です。

今宵、釜石から配信する最後のOHANA通信です。
今日は仮設住宅で40台の自転車をお渡ししました。
あれ?昨日の時点では、60台では?
お気づき頂いた方はありがとうございます。よく読んでくださっていますね。

少し仮設の状況を説明しますね。
僕たちが活動している大槌町では、ちょうど 8月11日
に避難所が全て閉鎖されて、仮設住宅への引越しが完了しました。

津波で市街地が流されて、ただでさえ少ない平坦地、どうしても仮設住宅は
点在します。その数、約50箇所。

少ないところで20戸程度、多いところで200戸程度といったところでしょうか?
支援の手は、多いところに届きがちです。

この点は震災直後の避難所と似た状況です。多いところに、物資が集まる。

それで、パレスチナ子どものキャンペーン(以下、CCP)のメンバーさんから
リクエストを頂きました。
「戸数の少ない仮設住宅にも決め細やかに配れないか?」

今回、お届けさせていただいた避難所は比較的、大きな規模(100戸と170戸
くらい)のものです。140台という自転車に対して、僕たちの活動期間は、2日間。
僕たちの滞在期間が短いという、こちらの都合に合わせていただくための対応です。

そこを機転を利かした提案を頂きました。
必要性が高い人は、小さな戸数の仮設にいらっしゃる可能性が十分にある。
そこで、今日の配布は40台に控え、
CCPさんに20台ほどの自転車を預けて、臨機応変に対応いただくことにしました。

さて、では40台の配布の結果は、、、

5人家族で仮設住宅に入られているAさん一家。
長女のおそらく小学生Bちゃんは、ほしい自転車に狙いを定めて、
ずっと前のほうで、ほしい自転車の前で待っていました。
なんともいえない表情で。

「当たるかな?当たるかな?どきどき」

ものすごく分かり易い表情をしているので、僕らも一緒にドキドキ。
3-4歳の妹さん、Cちゃんも一緒におねえちゃんを応援。

そして、ついにそのときはやってきます。
「Aさん!」
名前が告げられた瞬間、家族で「やったあ!」の歓声。
そして、喜んだ次の瞬間、Cちゃんの顔がぐしゃぐしゃに。

Cちゃんは気づいたんです。
「お姉ちゃんには自転車が当たったけど、私には何もない・・・」

それに気づいた、われらがチーターさん、「Cちゃんにはこの自転車はどう?」
もう一台プレゼントさせて頂きました。Cちゃんの喜んだ顔。
まだ、少し大きな自転車なので、乗れるまでに時間はかかるけど、
大事にしてくれることでしょう。

平等に配ろうとチャレンジすることは大事なことですが、結果が平等である必要は
ないんですよね。

・・・そんなストーリーを昨晩配信しようと、パソコンパチパチしていたら、
僕はいつの間にか、自動的にスイッチオフ、寝てしまったようです。
いつ寝たのか、全く記憶にありません。

140台の自転車のうち、今はトラックに積んである、
22台だけとなりました。少し安心したのかな?

さて、今日は今から、陸前高田→気仙沼 を順に周り、わずかながらですが、
自転車をお届けします。
おじさん3人の、珍道中、OHANAの旅もいよいよフィナーレへ。

今日もできることを精一杯。
今日もありがとうございます。今日も素敵な一日でありますように。

京都OHANAプロジェクト
森拓哉

8月22日 陸前高田市、気仙沼へ。自転車何台かずつお届けの予定。

ホームページ : http://ohana-kyoto.net/blog/
★中国在住で活躍中の松本ひでちゃんが、一気にパワーアップしてくれました。
ご覧下さい。

みんなの千羽鶴プロジェクト : 一口1,000円のプロジェクト支援。
http://www.success-running.com/news/2011/07/senba.pdf
クレジットカード決済に対応しました♪ ⇒ http://p.tl/N0-j

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********************

活動資金にご協力できる方は下記にお願いします。

京都銀行 上桂支店(カミカツラ支店)
普通 4041989 京都OHANA プロジェクト大槻祥子

(この「明日に向けて」を読んで振り込んで下さる方は、振り込む際に
名前の前に、311という番号を入れてください。「311モリタトシヤ」という
具合です。整理のためです)







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