PEN-S 2.8#3843XXは昭和38年12月製の巻き戻し軸が変更前の古い製品ですが、それにしてはきれいな個体ですね。殆ど使用されなかったようです。ファインダーのリンクル塗装も無傷です。
こんな感じね。塗装の磨滅がありません。ただし、ファインダーの曇りは密閉性の悪い構造なので、静電気もあり曇り放題です。
黒アルマイト製の距離リングはローレットに全く剥がれがありません。これは使用していない証拠。シャッターリングのメッキ状態も素晴らしい。ここのメッキは弱いのです。
分解して行きますよぉ。あれれ、巻上げダイヤルカバーの留めネジのスリ割りに注意。ダブルスリ割り(X)ですぞ。まぁ、使えますけどね。
最近見なかったカメラ虫の抜け殻だ。拡大するとちょっと気味が悪い。問題は、殻から抜け出てどこへ行ったのやら・・
シャッター完成も昭和38年12月。シャッター羽根に赤錆発生以外は特に問題なし。(殆ど未使用) ターミナルの半田付けが脱落したため、接片を磨いて再半田をして完成。ファインダーも清掃、レンズ接着完成。本体は洗浄済み。
関東地方は今日も暑いくらいでしたが、北海道のINOBOOさんからのお便り。気温が30℃になってこの時期の新記録らしいです。画像は、BAMBAというトラクターのレースだそうで、迫力満点ですが、どことなくユーモラスですね。
連休に入ると訪問者数が増えていますね。ありがとうございます。で、事前のチェックでピントが若干前ピンで、後玉の組み付けに緩みがありましたので、レンズの清掃は受けているようです。レンズとコーティングの状態は良好なのですが、直線1本のスリ傷がありますね。工場では不良で組まないはずです。
各部の保存状態は良好なのですが、改良前の個体なので、巻き戻し軸の上下クリアランス(ガタ)の調整には、厚みの異なるワッシャーを組み合わせて「ガタが最少でスムーズに動く」状態に調整してあります。元々、ダイカスト本体とトップカバーの寸法がラフのため、この幼稚な組み立て方式が避けられなかったのでしょう。改良後は巻き戻し軸にカラーを追加して、ワッシャーの調整不要で組立が出来るように変更されています。(PEN-Wは初号機から)
当時のパンフレットの画像。著名人のペン展メンバーに「トニー谷氏」が居たんですね。進駐軍回りのボードビリアンですが、若い方は知らない方も多くなっているのでしょうか。「お今晩は、さいざんす」など、たぶん「おそ松くん」のイヤミのモデルだと思います。そろばんを弾いて「あなたのお名前なんてぇ~の」のテレビ番組もありましたね。そのトニー谷氏が撮影した写真だそうです。さすがバタ臭い写真。このイメージは私にも記憶があります。私の生まれた都下立川は米軍基地の街で、日曜日に北口の繁華街に行くと、アメリカ軍属のおばさんが、日本人では見たことのない大っきいおしりにスラックスを履いてアーケードを歩いていました。それがちょうど私の目線の高さなんですね。戦時中は立川飛行機(隼、呑龍など生産)を狙ってB29の空襲を受けたので、親から聞かされていて、あ~、これでは日本は敗けるはずだ。と子供ながらに思った記憶があります。