多忙で一日中机に座ったままですので、たまに自転車整備などをすると体の動きが良くなりますね。とりあえず前回やり残したVブレーキの交換とシフトケーブルの交換をしました。
これは#2272XXと前期の個体ですけど、フィルムカウンターの戻りが悪いです。これは前期までの個体に多い現象でバネが良くないのです。
シンクロのターミナルですけど、ここも壊れやすいです。中心の絶縁軸のカシメが弱くて抜けてしまうのです。使用する方も急いでターミナルを繋ごうとして力いっぱい差し込むのが原因ですが、それに耐える作りになっていないのです。
慢性的に中心軸を保持するカシメが弱いのです。構造もチープでコストの問題でしょうね。再カシメをして組みます。
次はブラックモデルですけど、#3436XX(1970年3月製)で使用も少なく非常にきれいですが・・
露出計が動きません。回路をチェックするとユニットは正常です。
問題の電池の液漏れを起こしていて、電池室からのリード線が切れています。表面にも生成物が浮き上がっています。
すべて分解洗浄をしたところ、電池室周辺のダイカストも侵され気味です。
ターミナルのリード線を新調して組もうとすると絶縁パッキン(真ん中)が一部しかありません。これは前期までの絶縁パッキンは材質が紙のようなパッキン紙製で、この材質は電解液が付着すると粉々になって無くなってしまうのです。左は以後のパッキンで材質が樹脂となっています。今回はパッキン紙から自作します。
この個体は特に問題はありませんが、FTのスローガバナーはスペースの関係か歯車が薄いですね。これがノコギリの歯のようになって、嚙み合う相手の歯車を損傷(カット)してしまうのです。1秒などで止まる個体の中で重症の原因になります。なるべく低速の空シャッターは切らない方が良いです。
電解液漏れは重大な損傷を与えます。リード線を新製して組んだところ。これから取り付けるボタン止めも固着して動きませんでした。
34万台としてはハーフミラーの腐食が激しいです。電解液漏れのガスが影響しているかも知れません。新品と交換します。
シリアルからカメラ本体に付属で販売された38mm#4035XXと思いますがヘリコイドグリスが抜けています。設計変更後のタイプでグリスはホワイト系グリスが使われており、長期間経過すると流化して抜けてしまいます。
内部の汚れがひどいです。鏡胴部分の清掃とグリスを入れ替えています。