カメラ店様から修理のご依頼です。PEN-FT #3622XXと後期の個体ですが、やはりリターンミラーは剥離しますね。飛び出した時にミラーは割れたしまったようで添付されませんでしたので新しいミラーを使って修復します。
前板を分解をしてミラーホルダーを取り出します。古い接着剤の除去と足付けをします。ホルダーの形状は、時期によって微妙に違いますので、新しいミラーを削りながら合わせます。画像は調整を終えたところ。
ミラーの接着が完了しましたので、前板に取付て動きを見ます。
リターンミラーユニットとプリズムの清掃注油で前板ASSY完成です。
ご依頼にはないのですが、36万台としては異常にハーフミラーの状態が悪いですね。このままで良いのかなぁ・・
電池室のリード線も曲げれば折れる状態です。このままお返しするわけにも行きませんので、すべて分解をします。
では、いつもの通り全て分解洗浄のうえ組み立てて行きます。
シャッターユニットもO/H終了。36万台ですからギヤ軸の摩耗も少なくスローガバナーも良好です。
電池室のリード線を新製します。
シャッターユニットの調子は悪くはありませんが、先に完成させておいた前板関係のリターンミーユニットがあまり良い感触ではありません。かなり慎重に調整をしましたが、巻上げフィーリングに影響をしています。
流石に36万台ですから、接眼プリズムのコーティングが完全に残っています。これは珍しいです。
メカの組立完了。ハーフミラーも交換しています。これから露出計調整、ピント調整をして行きます。
カメラは完成しています。36万台としては露出計の感度低下が大きく、この辺がハーフミラーの劣化と関連しているのかも知れません。多分、湿気の多い場所で長期放置をされたと思います。その他、セルフタイマーのロック不良がありました。これは改良後のタイマーユニットが付いている個体の持病ですが、逆転防止用のコロの動きがスムーズでないためです。洗浄により改善しています。そもそも、この個体は、付属の40mm狙いで購入されたジャンクであったようで、それで不具合の多さに合点がいきました。しかし、1台救出出来たわけですからうれしいところです。