今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ローライ35SとPEN-FTの巻

2024年02月12日 14時00分00秒 | ブログ

ローライ35S #2436XXXはUP予定はなかったのですが間が空くので簡単にUPしておきます。過去の修理でメーター窓(2枚)の間に接着剤が付いていて汚れが目立つので研磨をしました。初期の個体では下側の窓は本物のガラスですので清掃が楽ですが、この頃になると透明樹脂製となって汚れを清掃すればするほど擦り傷がついて曇ってしまいます。2枚重ねの透過性を考慮して当初は下側はガラス製で製造されたのでしょう。

この個体はローレットリングは分解された形跡はありませんが、指で回すとコクコクと動きます。普通はゆるみ止め剤を塗布されてねじ込まれているのでガタは無いのですが、シンガポールのこの頃はゆるみ止め剤の塗布を省略されているのかしら? 

沈胴が緩いのでローレットリングを外して調整をしておきます。

 

 

中玉にチリが混入していますので分解清掃をしていきます。

 

 

巻き戻しダイヤルはどうしても黒樹脂が白化してきますので分解して研磨をします。何となく重みのない「銀色」は底部が真鍮の梨地クロムメッキではなく、アルミの梨地アルマイトだからです。爪を当てると何とも安っぽい音がして個人的には一番残念なところ。

トップカバーも同じアルミですね。完成後にフィルムの装填テストをします。

 

 

その他、ファインダー清掃、シャッター地調整などをして完成です。

 

 

次はPEN-FT #2729XX ですが、カメラ店で入手されたそうで、巻き上げのゴリツキはありますが基本的には悪くはないと思います。

 

気になったのはトップカバー右端上部のへこみです。

 

 

特にご依頼はないのですが軽く修正をしておきます。メーター窓横が盛り上がっているのは、駒数盤を留めるネジ頭とトップカバーとの間にクリアランスがなく、多くの個体で変形しているもので無理に修正をすると、駒数窓にクラックが入りますので触りません。

27万台は30万台以降と仕様はほぼ同じで、生産が少し古いという程度ですのでシャッターユニットに問題はなくメンテナンスが終わりました。露出計の感度は低下気味ですが・・

 

接眼プリズムのコーティングも完全に残っていました。保管は良かったようです。

 

情報窓の光路も曇っていますので清掃をしておきます。

 

 

ハーフミラーはさすがに劣化(再使用は可能)していますので新品と交換します。

 

メカの組み立ては完成。

 

 

付属の40mmはヘリコイドグリスが硫化して内部はベトベトです。絞り羽根にも付着していますので分解脱脂をします。

 

他の20mmや25mmも清掃をしておきます。

 

 

トップカバーのへこみ以外は特に問題のない個体でしたね。

 

 

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