今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

オリンパス・XAのジャンクの巻

2018年01月16日 20時43分15秒 | ブログ

え~と、プラボディーなのでめんどちぃので、あまりやらないXAですが、ストックしていた全く不動のジャンクを診ています。バリヤー(ダストカバー)付きの特徴的なデザインでコンパクト。距離計連動、絞り優先AEの35mmカメラと、言うこと無しのスペックは流石に米谷さんの設計ですね。レンズは5群6枚 Fズイコー35mm f2.8で発売は1979年とのことです。前回のデジタル腕時計と同じ時代のネオクラシックですかね? 分解のためにカバーを取り外しますが、これが結構厄介です。バリヤー付きやネジを露出しない近代の設計なので、レリーズボタン下の隠しネジなどギミックも多いですね。タッピングネジ嫌いなんだよね。

バリヤーを閉めるとピンセット先の接片が外れてシャッターが切れなくなります。電池室から各部の作動を点検していきます。

 

ファインダーはかなりカビと曇りがありましたが、この時代のカメラは比較的きれいに落ちますね。メーターも小さくなりましたね。ストロークの無いフェザータッチのレリーズボタン。電子式と思いきや、薄板の接片を重ねて僅かな指の圧力で接片が接触してシャッターが切れる構造ですが、その接片に腐食があるようです。分解清掃をして行きます。

回路をチェックしていると、突然ブザーが瞬間鳴りました。これは回路は生きています。ファインダー内のメーターも、微かに動いたようです。それでは、レンズやシャッター羽根、絞りを清掃していきます。

 

外観の割にはレンズは非常にきれいですね。

 

 

距離計の連動ピンは簡単に抜けて来るので紛失しないように注意します。

 

 

リングナットを留めてシャッターは完成。

 

 

テストの結果、正常に作動することが確認出来ましたので、裏蓋のモルトを交換します。これが結構厄介な作業です。

 

貼り替え完了。

 

 

アンダーカバーにもモルトを貼る部分があります。

 

 

バッテリーチェックで赤のLED点灯でブザーも鳴ります。

 

 

セルフタイマーでLED点滅で正常にシャッターが切れます。

 

 

残念ながらストロボA11は新しい電池を入れても作動しませんでした。電池の液漏れで基板が痛んでいるか、コンデンサーの不良ではないかと思います。取りあえず、今回はここまでとします。しかし、外装カバーの組立には多数のネジが使われていて、規格や長さも異なるため、記録しておかないと一瞬迷う時があります。分解時には正確に仕分け管理をしておいた方が良いですね。かなり使い込まれて保管も悪かった個体ですが、復活することが出来て、意外に丈夫なカメラのようですね。

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SEIKO デジタルA159の巻

2018年01月13日 20時29分33秒 | ブログ

今日も作業はお休みしていました。寒波で寒いので、日課のウォーキングをサボっていましたら、やはり体調が良くありませんので歩いていましたよ。元の米軍立川基地が返還された跡地が、今の昭和記念公園になっている(画像の森の奥)のですが、手前側は開発されずに残っていたのでした。しかし、最近、整地工事がされて広い土地が出現しています。直線で歩きやすいとも言えますが、歩いても歩いても景色が変わらないというのも精神的につらいものがありますね。空も寒そうなので帰ろっと・・

じゃ、デジタル時計を仕上げます。(ました)このA159-4000は、ネットで調べると1977年発売だそうで、私が就職した頃に初めてデジタル時計を買って、職場で「見せろ見せろ」と言うことでしばらく手元に戻ってこなかった記憶がありますね。その時の個体は、電池の液漏れにより基板を壊してしまい、どこかにしまい込んであると思います。画像の右側がその時の個体と同じ文字盤色。デッドストック品ですが、残念ながら液晶が赤く変色しています。(動作はすると思います)当時、液晶の寿命は2~3年で交換と言われましたが、変色はあっても現在も表示されていますね。但し、気温が下がると液晶表示が薄くなる傾向がありました。

当時は夢のような時計に見えましたね。テレビアニメで「ディックトレーシー」というのがありまして、主人公の腕時計が無線機になっていましたが,無線機にはなりませんけど時計機能の他に、ストップウォッチやアラーム機能、左上のボタンを押すとライトまで点いて新時代の時計という印象でした。

ストップウォッチモード。ちょうどサーキットを走り始めた頃で、ストップウォッチが買えないので、この時計でラップタイムを測ったりしていました。出始めのデジタル時計は機械式時計よりずっと高価でした。これからの世の中すべてデジタル時計になると思ったのですが、デジタル数字を読み取って、それを頭の中のアナログ時計に置き換えて認識するということを理解してから、すべてデジタルには置き換わりませんでしたね。その後はデジタルの価格低下と共に、高級時計のイメージは無くなってしまいましたが、この頃のモデルはコストが掛かっていて嫌いではありません。現代でもちゃんと機能しますからね。セイコーはやっぱりすごい。

たぶん、この時の左腕にも同じ時計をしていたはずです。

 

 

 

 

 

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寒いですねリコー・オートハーフの巻

2018年01月12日 18時01分30秒 | ブログ

日本列島は寒波が来襲していて、日本海側では電車も立ち往生しているようで寒いですね。体調もイマイチでカメラの修理はお休みしてストックしていたバイクの部品を整理していましたよ。カワサキのW1系部品がかなり残っているので、オークションで処分しようと思ってさ。

そこで、簡単にリコー・オートハーフSE2のメンテナンスをしておきます。SE2はシリーズの最終型ですかね。調べてみると1976年11月の発売となっています。な~んだ、つい最近じゃん。その頃、私はサーキットを走っていましたよ。Sはセルフタイマー付きで、発売価格は18.800円ほ~、10年前の発売当初からすると高くなりましたね。特にこの個体は「黒仕上げ」で19.800円だそうです。(タイマーなしは17.800円)サイズの割には質量が重いため、ボディーが凹んでいる個体が多いのですが、この個体は非常にきれいです。

新しいので特に不具合は無いのですが、オーナーさんは、やり直された裏蓋のモルトが気になっているご様子でした。しかし、貼り直すほどの状態でもないですね。まじめに貼られていますので、このままで良いと思います。

 

裏蓋のモルトは貼り替えをされていても、意外に無視されるのがファインダー部分のモルトです。これはオリジナルのままですね。

 

 

前面カバーを開けて清掃をして行きます。ファインダー部を取り出しました。

 

 

僅かに汚れがある程度で状態は良いです。対物レンズは樹脂製になっています。

 

 

左端にセルフタイマーユニットが縦に搭載されています。

 

 

ダミーフィルムを装填して作動をチェックします。

 

 

ファインダー部の古いモルトは接着を溶剤で溶かして取り除きます。

 

 

ペトリ・カラー35ブラックの方がコンパクトに見えませんか? フィルムを装填した時の質量は実測364gでした。ホールド性はあまり良いとは言えなカメラですから、落下を防ぐストラップは必要でしょうね。

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ジャンク籠から救出のPEN-D2の巻

2018年01月09日 10時40分54秒 | ブログ

「遅れて来たペンマニア」さんの今年の一発目。PEN-D2 #1623XXです。きれいな個体なのに露出計不良でジャンク籠に入っていたものを救出されたそうです。D2は個体数が少ないので希少でブームの頃は相場も高かったですけどね。まぁ、有意義な活動に感謝です。確かに露出計は感度低下の状態で、稀に感度が上がるような症状がありますので回路をやり直してみましょう。

 

ははぁ、電池室の液漏れ(ガス)でリード線が腐食断線したために継いであるのね。このリード線はダイカストボディーにクランプや接着されているので引っ張っても抜けてこないので、完全交換にはすべて分解するしかないのですね。

で、新しいリード線に交換しておきます。

 

 

シャッターを分解して行きますが、ハウジングのネジが緩み加減ですね。ここはきつく締め込まないと容易に緩みます。また、PEN-Sなどのように緩み止めも塗布できませんので条件が悪いのです。私は塗布しちゃいますけど。

 

基本的にはPEN-Sと同じですけど部品が追加されて点数は多いです。

 

 

カム板、カバー、レンズ類。

 

 

では、電池室からのリード線をボディーに通していきます。元々、電池の必要がないPEN-Dが基本設計ですから、そこに電池室を設けて配線する追設計に苦心していますね。

 

このように配線されてダイカストの溝でクランプしています。

 

 

D系は後玉の曇りが持病です。シャッター羽根側は一般ガラスでこちら側は新種ガラスです。

 

例によってエンジン架に設置された栄発動機なんちゃって。。

 

 

巻き止めの掛かりを調整します。

 

 

基板の見直しと調整抵抗の交換によって感度を取り戻しました。ファインダーも清掃しておきます。

 

意外に他所さんの作業では接眼部のモルトは無視されていることが多いです。

 

 

ちゃんと貼っておきます。メーター窓と駒数ガラスの曇りを磨いておきます。

 

 

レンズネームリングはなるべくカニ目は使わず、ゴム摩擦で開け閉めした方が良いです。私はずいぶん昔から脚用ゴムを流用していますが、JHTさんから発売されているレンズメンテナンスツールが便利です。http://amzn.to/2FeVzLA

 

Dシリーズは併売されていましたね。スプールは中央D2のみ「従来のスプール」でELタイプは生産されていないことが分かります。

 

これで完成です。使用感の殆どないD2は希少です。後ろの私所有のD2と殆どシリアル№が同時期ですが、比較するとがっかりしてしまいます。こんな個体がジャンクで消えて行くのは非常に惜しいと思います。また、救出活動お願いしますね。

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新年最初はPEN-FT(B)からの巻

2018年01月04日 16時02分39秒 | ブログ

その前に、放ったらかしのホンダライフをちょっと見ました。しかし、機械と言うものは動かさないと、どんどん劣化していくのは悲しい現実ですね。大事にしてくれる方がいらっしゃればお譲りしたいと思っています。この車は普通のファミリー仕様DELUXEを元に、殆ど私が新品部品を使って組んだ車です。ブルーの塗色は純正にあるもので、私がオールペイントしました。現在のN-ONEにも近い塗色があるようですね。

これがオーバーヘッドコンソール。本来は最上位グレードのGFLに設定されていたものですが、部品で取って取り付けました。天井の内張をSFにオーダーしたらライフの品番なのに何故かN360のものが(後で分かった)来るので、自分でミシンで縫ったものです。

 

ハンドルはMOMOの木製。取付けのアダプターを使うと、ハンドルが手前に来すぎるので、N360のハンドル部品を使ってMOMO用にタップを切って取り付けてあります。ホワイトメーターは自作したものです。

 

エンジンはツインカーブレータ仕様(カムシャフト)で初代シビック(SB-1)用のピストンを加工して400ccとしています。ミッションは5速です。但し、1速はドクミッションのノンシンクロですからエマージェンシー用で、通常の発進はトルクが太っているので2速から楽々発進します。それでもギヤ比はファイナルが高めになって高速クルージングが楽になり、ギヤもクロスしているので、パワーバンドを維持してキビキビと走ることが可能です。5速ミッションは良し。予備でもう1機の5速ミッションを所有しています。

「S360」はホンダスポーツの試作のみで、発売はされなかったんですよね。トランクリッドは樹脂製のため、塗料の食いつきが悪く剥離して来ました。でも30年良くもった方です。

 

では、ボチボチお仕事します。PEN-FT(B) #2605XXですが、過去に他の修理屋さんでオーバーホールされているとのことで、基本的にはこのまま使えると思うのですが・・ハーフミラーは交換されていないようで曇り気味です。基板から露出メーターー行くリード線が並列に追加されていますね。断線をしていたのでしょうかね。

裏蓋の上下レール部分にモルトが貼られていますね。オリジナルにはないのですが、まぁ、このままにしておきます。

 

 みなさん初詣はもう行かれましたか? 例年、私は元日などの混雑を避けて行くのですが、今日は曇りがちの寒い日になってしまいました。例年は冬晴れの青空なのに、どん寄りと曇っています。氏神様は立川の諏訪神社です。一年ぶりに参拝してみると、新築時は白くきれいだった社殿が良い感じの色に変わっていますね。行列が短くて助かりましたよ。

今年の腕時計は、去年の暮に仕上げたセイコー新10Aです。この時計、完成時に針を合わせたのみで、後は毎日定時にゼンマイを巻いているだけですが、1分の狂いもありません。日差10秒にもなっていないようです。まぁ、ゼンマイの巻き量によって変化はしているのでしょうけど、1日経過するとピッタリに戻ってくるというところなのでしょう。戦後すぐに製造された時計でも、摩耗の無い健康な状態であれば、この程度の精度は出るということに驚いています。

帰りに最近は行かなくなったファミレスで昼食を摂りました。フェイクのワニ革ベルトも似合っていますね。

 

元々不具合の無いシャッターですので摩耗やナットの緩みなどは無く問題はありません。洗浄をして組み立てて行きます。シャッターバネは通常の個体より弱めのセッティングになっていました。バネも劣化しているので1段だけ上げておきます。

シャッター幕の状態も良くきれいなシャッターユニットですね。

 

 

 過去にO/Hを受けているということでしたが、基本的にシャッター関係には手を付けられていないと思います。ミラーユニットを洗浄注油のうえ組立しますが、そもそも取付けネジが緩んでいました。ここのネジが緩むと前板に対してのユニットの位置(角度)が変わってしまい、ファインダーのピント精度に影響があります。あ~、それでか。すでにピントの再調整をされていて、調整範囲ギリギリになっていました。ここのネジは緩み止めの処置がされていないので、緩む個体がありますね。

ファインダーハウジングのモルト2か所は交換されていませんでした。この部分には厚さ1.0mmと1.5mmのモルトを使います。http://amzn.to/2m30wyv

 

メカの組立は終了。すでにファインダーのピントは調整済み。露出計の感度がかなり低下していますので、そちらを調整します。

 

26万台のFTとしては非常にきれいな個体ですね。但し、露出計は感度低下が多きかったと思います。基板の腐食が進んでいますので湿気の多いところで保管されていたようです。

 

で、少し時間がありましたので「カシオ腕時計マニアックス」様のブログで公開されていました腕時計スタンドを作って見ようと思いました。

https://カシオ腕時計.biz/

コピー用紙のままでは強度が無いので厚紙に貼って使用するわけですが、自宅にあった板目紙を使いましたがこれが失敗でした。本来、板目紙は帳簿の綴りの表紙に使う紙ですので硬くて曲げにくいのです。次回はダイソーなどにある工作用紙ぐらいが良さそうです。

取りあえず糊しろの部分を薄く剝いて強引に組み立てました。本来は継ぎ目部分に同じ模様の継ぎ目隠しを貼るのですが、今回は検討用なのでこのままです。スタンドがあると机の上の腕時計が見やすくて便利ですね。工作が得意の方は作って見てはいかがでしょうね。

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