空・・

　　　　　　　　　　　　　　　水辺に立ち
　　　　　　　　　　　　　　　映る空を・・




　　　　　　　　　　　　　　　見上げる
　　　　　　　　　　　　　　　空より
　　　　　　　　　　　　　　　空の色




　　　　　　　　　　　　　　　映る草
　　　　　　　　　　　　　　　見つめる草より
　　　　　　　　　　　　　　　草模様




　　　　　　　　　　　　　　　映る心
　　　　　　　　　　　　　　　水面より
　　　　　　　　　　　　　　　ずっと・・
　　　　　　　　　　　　　　　深く




　　　　　　　　　　　　　　　明日もまた
　　　　　　　　　　　　　　　何を映す・・

晩秋に華

　　　　　　　　　　　　　　　春の頃
　　　　　　　　　　　　　　　咲き誇った
　　　　　　　　　　　　　　　花たち
　　　　　　　　　　　　　　　一枚一枚
　　　　　　　　　　　　　　　花びらを散らし



　　　　　　　　　　　　　　　あの暑い夏を
　　　　　　　　　　　　　　　越えたのは
　　　　　　　　　　　　　　　いったい　どれだけ・・



　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　夏を越えた
　　　　　　　　　　　　　　　乾いた花びらは
　　　　　　　　　　　　　　　冷たい風の中で
　　　　　　　　　　　　　　　「華」
　　　　　　　　　　　　　　　春を迎えるまで
　　　　　　　　　　　　　　　枯野に
　　　　　　　　　　　　　　　「華」

もうすぐ・・１２月

　　　　　　　　　　　　　　　コートの襟を
　　　　　　　　　　　　　　　立てて歩くようになると
　　　　　　　　　　　　　　　どこか　遠くのほうで
　　　　　　　　　　　　　　　鈴の音が・・




　　　　　　　　　　　　　　　チカチカの豆電球もいいけれど
　　　　　　　　　　　　　　　やっぱり
　　　　　　　　　　　　　　　雪のクリスマスに憧れて




　　　　　　　　　　　　　　　でも・・
　　　　　　　　　　　　　　　クリスマスが近づくと
　　　　　　　　　　　　　　　そんなことは
　　　　　　　　　　　　　　　どうでもよくなって
　　　　　　　　　　　　　　　サンタさんの贈り物が気になる
　　　　　　　　　　　　　　　一年で一番
　　　　　　　　　　　　　　　欲張りな・・１２月

秋から冬へ

　　　　　　　　　　　　　　　秋から・・
　　　　　　　　　　　　　　　やわらかな陽射しの中
　　　　　　　　　　　　　　　冬へと




　　　　　　　　　　　　　　　取り巻く空気の
　　　　　　　　　　　　　　　優しい冷たさが




　　　　　　　　　　　　　　　季節の変わり目を知らせ
　　　　　　　　　　　　　　　どこまで
　　　　　　　　　　　　　　　来ているのだろう・・・

色変わる

　　　　　　　　　　　　　　　さて
　　　　　　　　　　　　　　　どん尻にひかえしは・・
　　　　　　　　　　　　　　　紅葉でござんす！
　　　　　　　　　　　　　　　なんて　啖呵をきるほど
　　　　　　　　　　　　　　　赤くない




　　　　　　　　　　　　　　　低くなった陽に
　　　　　　　　　　　　　　　まだまだ
　　　　　　　　　　　　　　　優しく映る




　　　　　　　　　　　　　　　あと　もう少し
　　　　　　　　　　　　　　　真っ赤になった　紅葉は
　　　　　　　　　　　　　　　きっと
　　　　　　　　　　　　　　　大見得　切るに違いない




　　　　　　　　　　　　　　　秋・・大舞台の
　　　　　　　　　　　　　　　取りだもの

溢れるような黄色の中で

　　　　　　　　　　　　　　　去年の秋と
　　　　　　　　　　　　　　　同じ場所を歩く
　　　　　　　　　　　　　　　取り巻く
　　　　　　　　　　　　　　　色が違う




　　　　　　　　　　　　　　　去年の秋は
　　　　　　　　　　　　　　　茶色
　　　　　　　　　　　　　　　くすんだ茶色




　　　　　　　　　　　　　　　今年は
　　　　　　　　　　　　　　　間違えなく
　　　　　　　　　　　　　　　欅は黄色に
　　　　　　　　　　　　　　　色を変え




　　　　　　　　　　　　　　　久しぶりの
　　　　　　　　　　　　　　　黄色の欅は
　　　　　　　　　　　　　　　きりりとした
　　　　　　　　　　　　　　　寒さの中で
　　　　　　　　　　　　　　　両手を広げ




　　　　　　　　　　　　　　　溢れるほどの
　　　　　　　　　　　　　　　黄色の中で
　　　　　　　　　　　　　　　ひとは・・・
　　　　　　　　　　　　　　　秋に酔う

枯葉の万華鏡

　　　　　　　　　　　　　　　池の上では
　　　　　　　　　　　　　　　色とりどりの
　　　　　　　　　　　　　　　枯葉が




　　　　　　　　　　　　　　　散って
　　　　　　　　　　　　　　　寄って
　　　　　　　　　　　　　　　散って




　　　　　　　　　　　　　　　枯葉の模様は
　　　　　　　　　　　　　　　万華鏡




　　　　　　　　　　　　　　　風に揺られて
　　　　　　　　　　　　　　　草の根元に
　　　　　　　　　　　　　　　集まって
　　　　　　　　　　　　　　　枯葉でつくる
　　　　　　　　　　　　　　　万華鏡

都会の影

　　　　　　　　　　　　　　　工事中の覆いは
　　　　　　　　　　　　　　　窓もない　白い壁
　　　　　　　　　　　　　　　影の素敵なキャンバス




　　　　　　　　　　　　　　　窓があっても
　　　　　　　　　　　　　　　白い壁は
　　　　　　　　　　　　　　　枯葉が落ちて
　　　　　　　　　　　　　　　隙間が出来た
　　　　　　　　　　　　　　　木の影を面白く写す




　　　　　　　　　　　　　　　窓があって　白くない
　　　　　　　　　　　　　　　レンガの壁でも
　　　　　　　　　　　　　　　スポットライトを浴びたように
　　　　　　　　　　　　　　　影を写す




　　　　　　　　　　　　　　　そして・・
　　　　　　　　　　　　　　　たまにはこんな影も

　　　　　　　　　　　　　　　歩道橋を走り降りている
　　　　　　　　　　　　　　　わけではないけれど！

空は澄みきって

　　　　　　　　　　　　　　　空は青く澄みきって
　　　　　　　　　　　　　　　こんな日は




　　　　　　　　　　　　　　　ビシッと
　　　　　　　　　　　　　　　寒さを伝える
　　　　　　　　　　　　　　　音がする




　　　　　　　　　　　　　　　もうすっかり
　　　　　　　　　　　　　　　葉を落とした
　　　　　　　　　　　　　　　木々の後を
　　　　　　　　　　　　　　　追うように




　　　　　　　　　　　　　　　隙間だらけになった
　　　　　　　　　　　　　　　黄色の木の葉の
　　　　　　　　　　　　　　　鮮やかさ

一枚の風景画

　　　　　　　　　　　　　　　風景画のような
　　　　　　　　　　　　　　　景色を眺めながら
　　　　　　　　　　　　　　　歩く



　　　　　　　　　　　　　　　確かな腕で
　　　　　　　　　　　　　　　描き上げられたような




　　　　　　　　　　　　　　　最後の一筆は
　　　　　　　　　　　　　　　どこだったのだろう・・