昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[舟のない港](二十二)

2016-03-28 09:01:13 | 神社・仏閣
 男は学生時代に熟読した、夏目漱石著の『行人』の中の一文を思い出した。 ―男は征服するまでを燃え、女は征服されてから燃える。―  そういった恋愛の機微が、今、男に初めてわかった。 いつの間にか情が移り半ば諦めの心で結婚するのかもしれない、とも思った。  しかし男はまだ若い。 共稼ぎを嫌う男は、現在の収入では結婚生活は難しいと思った。 麗子の実家からの援助を受けることになるだろう。 しかしそれは、 . . . 本文を読む

NTTコム リサーチ

NTTコム リサーチモニターに登録!