昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[舟のない港](十八)

2016-03-22 09:11:39 | 神社・仏閣
麗子の体が小刻みに震えている。 男には麗子の気持ちが手に取るようにわかった。 やはり気が強くても女だ、心細かったのだろう。 しかし今夜は、もう少し気が付かぬふりをしてやろうと思った。 その裏には、いつも一線を画して拒み続ける麗子への反発心があった。 いつかは結婚するんじゃないか、と男は思う。 しかし今はまだそのことを口にしていないだけに、それ以上強いることを、止めていた。 「寒いのか?」 「うう . . . 本文を読む

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