[舟のない港](六) 2016-03-07 09:00:02 | 小説 そろそ秋の涼風が身にしみる。車の流れが止まり、通りを横切ろうと右足を踏み出した時、背後から鋭い声がした。 「待って! おじさん」 黒いマントに赤い縁取りのついたコートの女性だった。 . . . 本文を読む