妊娠前の面長だった顔が、今ではまん丸になっている。
せり出したお腹を支えるための足も、相当に膨らんだように見える。
鏡台の前に立ってみて、初めて己の醜悪な姿に気付いた。 . . . 本文を読む
しばらく途絶えていた、「蜂の巣報告」です。
ほぼ一ヶ月ぶりですね、前回が6月21日でしたから。
ではでは、7月14日の可愛い(かな?)寝顔というか寝姿というか。
きちんと行儀良く並んでいていました。 . . . 本文を読む
「あらあら、鼻息の荒いこと。でも教えるのは、商売のことだけにしてよ。浮気の仕方なんて、金輪際教えないでよね! とすると、女の子がいいわね。そうよ、新しい女よ。女性経営者なんて、ちょっとしたものよね」 . . . 本文を読む
少しずつせり出すお腹をさすりながら、いら立つ気持ちが湧いてくるのを抑えることができない。
痩せ型だった小夜子が、みるみる太目の妊婦特有の体型に変わっていく。
「いいか、小夜子。退屈だろうけれども、家で大人しくしていてくれ。
大事な大事な跡取りなんだから。 . . . 本文を読む
背広を脱がせた千勢すら気付かぬ匂いに、小夜子が噛み付いたのだ。
「小夜子、勘弁してくれ。キャバレーに行ったんだ。
香水の匂いも、少しは付くだろうさ。千勢、お前、気になるか?」
「いえ。奥様に言われて、ようやく気付きました」
「ほら見ろ。小夜子の気のせいだろうさ」
我が意を得たとばかりに、胸をそらせて大きな声で言う。
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いつも「お知らせしまーす」とアナウンスしてくれるのですが
まだ慣れていないせいか(三ヶ月ほどでしょうか)声が固いんです。
で、こう呼びかけたんです。
「こんどさあ『ねえ、聞いて』って、言ってくれない」
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(三)
その夜、武蔵の帰りを待ちわびる小夜子だが、中々武蔵は帰って来ない。
「遅いわねえ、武蔵は。会社はもう出たのよね?
千勢、千勢。武蔵は確かに一時間も前に、会社を出たのよね?
朝、何か言ってた? 寄り道するとか、なんとか」
イライラする気持ちを抑えきれずに、千勢に当り散らしてしまう。
身を小さくしながら、千勢が答える。
「はい。会社に電話しましたら、六時過ぎに会社を出られたと聞きま . . . 本文を読む