9日(日)その2.今日はフランスの作曲家サン=サーンスの誕生日です.1835年10月9日にパリで生まれました.2歳からピアノを始め,3歳でピアノ曲を作曲するなど,モーツアルトに比肩するような早熟を示しました.その後,パリ音楽院でオルガンを学び,教会でオルガにストも務めました.リストはサン=サーンスを「世界で最も優れたオルガニスト」と絶賛しています
「動物の謝肉祭」はサン=サーンスの代表作です.全部で14曲から成りますが,中でもチェロの独奏によって演奏される「白鳥」はだれもが知っている有名な曲です.ほかに,オッフェンバックの「天国と地獄」の有名なメロディを「亀」がゆっくり歩むようなテンポで演奏するように指示したり,アイロニーに満ちたアイディアをあちこちに散りばめています.サン=サーンスは皮肉屋だったのではないでしょうか
「動物の謝肉祭」もいいですが,個人的には交響曲第3番「オルガン付き」,ヴァイオリン協奏曲,ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」などが好きです.9月27日に紀尾井ホールで開かれた萩原麻未&高野麗音のジョイント・コンサートで,萩原麻未がこのピアノ協奏曲第5番の第3楽章に基づく「トッカータ」を,目にもとまらぬ速さで弾いたときには,ただ唖然としましたが,音楽として響いてきたのには流石!と感心しました
サン=サーンスのピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲がコンサートで取り上げられることは滅多にありません.主催者側に,たまには取り上げて欲しいと訴えたいと思います
お勧めCDは「動物の謝肉祭」は,アルゲリッチ(ピアノ)他によるフィリップス盤(写真左),「ヴァイオリン協奏曲」はフランチェスカッティ(ヴァイオリン),ピエール・ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィルによるハルモニア・ムンディ盤(同右)です.